表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/33

『砂鉄』他

お題をくださった皆さま、ありがとうございます。

・砂鉄を使い文章を書く


何憶何万と数えきれない砂の中、光る砂鉄があるように、数えきれない人の中、光り輝く人がいる。ほんのちっぽけな存在でも。ほら、磁石に引かれるように、集い合う砂鉄たち。君も貴方も砂鉄かもしれない。まだ砂鉄でなくたって、これからそうなるのかもしれない。忘れないで。ささやか光の粒を。


・ラブリーを使い文章を書く


あたしの従妹はいつもミニスカ。白い素足をすらりと出して、艶のある唇に笑みを乗せて。鼻歌を歌うようにいつも楽しげ。ラブリーな彼女は、どこかもたつくあたしとは似ても似つかない。また彼氏と別れた。そう言って泣きつく所もラブリーで。ああ、あたし、この子を愛してるんだわと思うの。


・ヒマワリとダムで文章を書く


あの湖の底に村がある。そう老女は言った。田舎のバス停。古ぼけたベンチに隣り合わせた人。湖とはダムのことだろう。過疎の村がダムに沈む。よくある話だ。夏になれば向日葵が、家の前にこうべを高くして咲いていたのよ。そう言う時の老女は、自身がどこか誇らしくこうべを上げていた。バスが来る。





挿絵(By みてみん)


滔々と流れる水の面。

映る顔は揺れて揺れて。


何が悲しいの。

何が辛いの。

何が苦しいの。


掬い上げて掴み取る、心。


ねえ朝日が昇るの。

貴方はそれを映すの。

ねえ朝日が昇るの。

貴方はそれを浴びるの。


美しいということを貴方だけが知らない貴方へ。


醜さに打ち震えて泣く清い貴方へ。




挿絵(By みてみん)


銀紗さやさやと風に舞う。私のあの人はどこに行ったのだろう。麗らかな陽射しが少し物悲しくて。あの人がいないのが寂しい。銀と白の、相まったような波が立つ。透き通った穂の先。宿るものは何だろう。私とあの人の心の在り様が、こんな風であるといい。


風に揺れて。

その先で微睡んでいる。





挿絵(By みてみん)


人と人との縁は絡まり合った蔦紋様。緑なす恵みの縁であれ。幸いを呼び込み、ふと微笑む春風のように。頬を撫でてゆく。温かな光がそこに残る。連ねて連ねて繋がって。その果てに、ほら、花の色。赤ん坊の声。力強い響き。柔らかいもみじの手。握る力の愛おしさ。眼が澄んで、何を見てるの?愛しい君。





写真提供:空乃千尋さん

画像写真:九藤

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ