表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/33

『花火のようだ』他

・九藤 朋は『花火のようだ』を最初に使ってSSを書いてください。


「花火のようだ」茫然自失の体で男が言う。地に膝を突き。見つめるのは狂乱し、ナイフで人々を斬りつける少女。その白い頬も血塗れで、唇は愉悦に歪んでいる。血飛沫は夜空を彩る花火のようで。やがて少女は自らの細い首にナイフの刃を当て、勢いよく引いた。恐ろしい静寂が訪れた。


・九藤 朋さんは、「昼の部室」で登場人物が「ゆるす」、「指輪」という単語を使ったお話を考えて下さい。


昼の部室は閑散としていた。バスケ部のマネージャーと俺しかいない。俺は必死に頭を下げる彼女を見ていた。誕生日に俺があげたピンキーリングを無くしたのだと言う。「ゆるすよ」あっさり、俺が言うと、彼女はほっと息を吐き顔を上げた。「キス一回で」続けた俺の交換条件に、彼女の頬が紅潮した。


・九藤 朋へのお題は〔あたたかなひと〕です。 〔形容動詞禁止〕かつ〔色の描写必須〕で書いてみましょう。


蜜柑の皮の色は、誰にでも郷愁や和み、温もりを感じさせるだろう。例えるなら彼女は、そんな温かな人だった。いつでも笑んだ目元は優しく、人を謗ることなど決してない。ねえ、神様どうして?どうしてそんな彼女に、不治の病なんて与えたの?私にしておけばいいものを。私は憎む。天を、そして神を。


・九藤 朋は『永遠』と『指輪』を使って140字SSを書きましょう!


永遠なんて信じない。そういう女は大抵、永遠を信じたがっている。求めている。婚約指輪をちらつかせれば、すぐにその気になる。余りに安直な物だから、俺は呆れて、「おいおい、信条はどうした」と訊きたくなる。こいつもそんな女の一人だ。永遠に不信を抱き、だが指輪に涙し、そして俺の腹を刺した。


・貴方は神楽 菫で『いえない我儘』をお題にして140文字SSを書いてください。


菫は長女気質で、我儘を言わない性質だった。言えないのではなく、言わない。自分でそれを選択した。兄が死んでからだから、かれこれ十年程になる。今日も空はよく晴れて。胸の空漠がひゅうひゅう音を立てる。唯一、彼女が我儘を言える人は、今はまだ遠い。

                 『シークレット、シークレット、バイオレット』より神楽菫出演

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ