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『夜の公園』他

・九藤 朋さんは、「夜の公園」で登場人物が「浮気する」、「風」という単語を使ったお話を考えて下さい。


夜の公園には他に人はいなかった。僕たちはベンチに座り互いの唇を啄み合う。街灯の明りに虫が焼かれる音を聴きながら。甘い金木犀の香りの風が、初秋の季節を知らせる。これ程触れ合っていても、君は他の男と浮気する。僕は嫉妬の炎を静かに燃やし、彼女の細い首を手折ってしまおうかと考える。


・九藤 朋へのお題は〔飴と鞭と〕です。 〔形容動詞禁止〕かつ〔「黄」の描写必須〕で書いてみましょう。


そんな風にして貴方は私を支配する。時に甘く時に厳しく、飴と鞭を使い分ける絶妙の手法で私の上に君臨する。夜はベッドでも。黄色や赤、青の光が散らばる夜の窓の外。その景色なんかお構いなしに私を貪る貴方。いいわ。最後の一滴まで、私を貪りなさい。いずれ必ずその立場を逆転してみせるから。


・『弁慶狙いのローキック』をお題にして140文字SSを書いてください。


ほんと、笑ってしまう。弁慶の泣き所とはよく言ったもんだ。あれだけ俺達をいたぶってた奴が、脚をやられただけでノック・ダウンだ。まさに弁慶狙いのローキック。頂点にいた奴は無様に地に蹲り、これからは俺達の時代だ。「チーム名は何にする?」「そうだな。義経ってのはどうだ?」沸き起こる笑い。


・『貴方の心臓が欲しい』をお題にして140文字SSを書いてください。


始まりは小さなピンキーリングだった。ピンクゴールドの華奢な細工が可愛かった。欲しいと言うと彼はすぐに買ってくれた。次はシルクのスカーフ。次は更紗模様のお財布。次はアンティーク時計。彼は何でも買ってくれた。本当はね、本当に欲しいものはね、貴方の心臓なの。その鼓動の全てを私に頂戴?


・九藤 朋は『暗い』を最初に使ってSSを書いてください。


「暗い。ああ、暗いぞ、ツアウグベッセン!夜とはかくも暗きものであったか!それとも予が迷妄であるだけで民草たちは夜を明るみの中に過ごしているのか」「畏れながら陛下。陛下は英邁なる君主にしてこの世に二人となきお方。闇の暗きなど安寧の場所として笑い飛ばされませ」「蒙を啓かされたぞ」


・九藤 朋へのお題は〔濡れた声〕です。 〔地の文のみ禁止〕かつ〔季節描写必須〕で書いてみましょう。


甘やかに夜の帳は下り、金木犀の香りが秋の風に乗ってくる。乗ってくる。貴方が私の上に。身体のラインをなぞるように触れられれば私はそれだけで濡れた声を出してしまう。儚く揺らめく夜の時に貴方の愛撫で私は綻ぶ。けれど全てが貴方の思うままというのも悔しくて、私は貴方の耳朶をそっと噛んだ。


・九藤 朋は『眠り』と『最初』を使って140字SSを書きましょう!


雪が食べたいわ、と君は言った。宮沢賢治じゃあるまいし、と僕は笑った。君の澄んだ瞳があんまり綺麗だったから、僕はそれから逃れるように目を逸らしたんだ。君の純白の病衣は天使の衣のよう。雪が食べたいわ、彼女はもう一度言って、それから最初で最後の眠りに就いた。



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