100.バック=バグと三つの顔の月
【タイトル】バック=バグと三つの顔の月
【作者】みちづきシモン
【掲載サイト】カクヨム
【URL】https://kakuyomu.jp/works/16818093087042244874
頻繁に更新しているわけではない、この「なろう外評論」も、気づけば100作品目となった。早いものだ……と言うほど頻繁に更新しているわけではないけれど、これからもマイペースでいろんな作品を評論して紹介していこうと思います。
100本目の作品は、Xでよく絡むフォロワーさんが書いたもの。カクヨム掲載のダークファンタジーで、10万字あまりで完結している作品だ。
ダークファンタジーとは言ったものの、その表現が正確かは正直わからない。ファンタジーなのは間違いない。異世界が舞台だ。けれど文明レベルは現代と同程度。独特な世界観が魅力的だった。
さらには、話の根幹となる呪いや儀式、そして作中にしばしば出てくる、命を奪う蝿といった独自の設定が光っている。
これはもしかすると複雑でとっつきにくい印象を与えるかもしれないけれど、読んでいくうちに理解できるから問題ない。
話の主題は、そんな呪われた少女の戦いと日常なのだから。
過酷な運命の渦中にある女の子が友達と仲間を得て、普通の女の子らしい生活を送ろうとする。普通が難しい境遇にあるからこそ、普通を過ごそうとする姿が眩しい。たとえその先に何が待っていたとしても、そこにある日常はキラキラした宝物で、美しいと言い切れる。そこが主題であり、引き込まれた。
キャラクターそれぞれが特徴的で、それぞれ違った背景を持っていて。彼女たちが交わって過ごす日々が愛おしい。
文体は簡素で、序盤は特に癖が強いかなと思える文章で話が進んでいくけれど、読み進めればそれも問題ではなくなっていく。
簡素な文体だからこそ、こんな風に豊富なエピソードを書けるのだろうなとも思える。物語の背景や戦闘は時にグロテスクな物も多いけれど、それも描写のあっさりした感じで救われている所があると思う。
全体的にダークな世界観で綺麗なものを書くという小説で、楽しめた。
今後も同じ感じで、200を目指して読んで書き続けていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。




