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猫様の下僕日記  作者: 鮎川 了
Q太郎様の下僕日記
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猫様の食事・夏のレシピ



 すっかり夏の暑さと激務で更新がおろそかになってしまったが、私とQ太郎は元気である。

 元気であるとはいえ少々二匹(?)とも夏バテ気味なのは否めない。

 特に猫様は暑さも寒さも嫌いな動物であり、私、鮎川は暑さにも寒さにも弱い。


 さて、こんな残暑厳しい時期に我ら猫の下僕が最も頭を悩ませるのが猫様の食事である。

 カリカリを常食としている猫様ならさほど心配は要らないだろうが、Q太郎は相変わらずマグロを常食としている。さすがにチルドで保存しておいてもこの時期は傷み易い。

 小分けにして冷凍して置くのも良いが、与える時になかなか直ぐに解凍出来ないのでQ太郎がイライラする。

 “解凍”ではなく数秒間“温め”にしたらどうかと電子レンジに入れ、最近物忘れの激しい私はそのまま忘れ、気付いた時にはマグロが解凍されるどころかマグロの切り身のミイラになっていることもしばしばだ。

 

 当然、血の滴るような生のマグロを食べられると思っていたQ太郎は差し出されたマグロのミイラに不満を隠しきれない。


「これは……何だ?」

「マグロでございます」

「余の知ってるマグロはもっと赤々としてつやつやとして、口に入れるとひんやりして馥郁たる風味が……」

「いえ、しかしこれは紛れもなくマグロでございます」

「たまに食す茹でたマグロも生程ではないが味わい深い。どちらにしても食欲を刺激する薫りがするであろう」

「こうばしい香りがしませぬか?」

「そなたも人間のくせに言葉を知らぬ奴よのう。これは“こうばしい”ではなく“焦げ臭い”と云うのだ!」


 と、云うようにマグロを出す度にQ太郎の機嫌を損ねるのも何なので、マグロを美味しく保存する方法を模索していて、先日、次のような物を作ってみた。



【マグロのオイル漬け・猫様バージョン】


 何の事はない、シーチ○ンである。缶に入っていないシーチ○ンである。

 いくつか小分けして小振りの瓶に詰めておけば長期保存も可能。

 ポイントは猫様用なので塩コショウやニンニクや香草を一切使わず調理する事である。

 逆に云えばそれらのものを加えれば下僕も美味しく食べられる一品となる。


 *材料


 マグロ中落ち


 食用油(サラダ油などクセの無いものが望ましい)



 *作り方

 

 鍋にマグロを入れ、ひたひたになるまで冷たい食用油を注ぐ、そして弱火でゆっくりマグロを煮て出来上がり。


 

 早い話が今流行りのアヒージョである。

 保存するには油ごと煮沸殺菌した瓶に口ギリギリまで詰めて蓋をする。

 

 


 与えてみると、油でコクが出て美味しくなったのか割りと気に入ったようだが、何回か与えているうちに飽きられてしまった。


「たわけ者め、このくそ暑い時にこのような油っぽいものが食せるか!」


 ごもっともである。




 ※ちなみに、残ったマグロオイル漬けは下僕の鮎川が醤油をかけて美味しく頂きました。


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