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Vol.2「作戦と記憶」

【もくじ】

Ep.3「幼馴染は自分自身のことが嫌い」

Ep.4「幼馴染は自分自身をもう一度だけ信じたい 前編」

【Ep.3 幼馴染は自分自身のことが嫌い】


「……ど、どうしよう……。」


 私はそう呟く。


 そして、そんな志乃に僕はこう言う。


「……志乃は自分の「言動」でみんなの雰囲気を壊したくなくてグループLINEに入ってなかったんだっけ。」


「……うん。」


 クラスのグループLINE。


 それは私たちがこの学校に登校し始めた初日に、あの金髪の女の子がみんなと交流を深めたいからと作ったグループLINEである。


 だが、人とメールするのなんて怖くて出来ない私は、「別に変なこと言っちゃったとしても全然構わないからとりあえず入るだけ入ってみて〜」とその金髪の女の子が言ってくれたにも関わらず、「じゃあ入ってみようかな」と言うだけ言い、実は今日(こんにち)まで入っていなかったのだ。


「……!?というかグループLINE、璃空のを見ればいいじゃん!」


 天才だ!(全然天才ではない)みたいなキメ顔をしている私をよそにし、璃空が申し訳なさそうにこう呟く。


「……あのさ、志乃。」


「どうしたの?璃空」


 璃空は何故か苦しそうな表情を浮かべ、こう言った。


「……実は、僕も入ってない」


「……え?」


 志乃は何故なのか理解が出来ていない様子だ。


「理由は言えないんだが……、入っていないんだ、僕も。」


「……わかった、理由は聞かないでおくけど……、じゃあ本当にどうしよう……。」


 私は焦りと不安の気持ちが入り混じったような声でそう呟く。


「……今日が金曜日じゃなければな……。」


 璃空が悔しそうに話す。


 そう。今日は金曜日。もし、木曜日とかであれば明日(あす)、学校で陽キャのあの子に打ち明けられたはずなのに。


「……外も暗いし今日はもう帰ろうか。いいこと思いついたらまた連絡する。」


 璃空はそう言う。


 そんな璃空に私は、


「わかった。」


 それだけ言って、私は1人、帰路についた。


 私は家に着いてからも、自分の部屋で陽キャ女子の問題について考えていた。


 (そうだ、あの子部活やってるって言ってたから、その部活の練習場所で待っていれば……!)


『は?なんでこんなところにいるんだよ』


『あんたってストーカー……?ほんと、』


     『『『気持ち悪い』』』


 ……私なんか、急に居たら気持ち悪いよね。


 どうせ、誰も私のことなんて好きじゃない。


「破っちゃおうかな……、あの約束。」


 私は、私が嫌いだ。


 心配性な性格の、自分が。


【Ep.4 幼馴染は自分自身をもう一度だけ信じたい 前編】


 ——翌日。


 私は朝食を食べて自分の部屋のベッドでごろごろしていた。


 そんな風にゆっくりしていた私だが、突然、目の前のテーブルに置いたスマホからLINEの通知音が鳴る。


 その通知は"璃空"からだった——。


 ——(なんで学校で待ち合わせるんだろう……?)


 そう……璃空からのメッセージは、


【いい作戦思いついたから、学校の校門のところで待っててほしい!】


 という、なんとも内容が分からないものであり、私は少し疑問を抱いていた。


 それから5分程、私は学校に向かって歩いていると、ようやく学校の校門が見えてきた。


 そして、


「お〜い、ここだ志乃〜」


 璃空の声も。


「分かってるよ笑」


「いや志乃ならワンチャン迷子になるだろ?笑」


「そんな昔みたいに子ども扱いしないで笑」



《……君がいてくれたから、私は少しでも笑顔でいられた——。》



「ははっw」


「ふふっw」



 ——《こんな時間が、いつまでも続けば良かったのに。》


「……さてとりあえず、作戦の内容を言おうか。」


「うん。」


「作戦の内容は……」


「あの陽キャの女の子、部活やってるらしいから、その部活場所で待っていればいいじゃないか?」


「……それ私も考えてた」


「お!じゃあそれで——」


 何故か私は嬉しかった。璃空も同じこと考えてくれてたんだ……と。


 だけど。


「でも嫌」


「えっ……?なんで……」


「……璃空には言えない……、いや、言いたくない。」 


 ……弱みなんて、見せたところで何になる——?


 ——私は中学生の時、とある理由があって、クラス全員から嫌われていた。


 でもある時、いつも通り放課後に学校の裏庭で集団でいじめられていた私を見つけたとある女子が私を助けてくれたのだ。


 それから私はその子と仲良くなり、つい私は、いじめられている理由や弱音などを話した。


 《……いくらなんでも酷すぎるね、それ。》


 《そうだよね……》


 《……でも大丈夫だよ、私がいるから。》


 《ほんと……?信じていいの……?》


 《うん、「志乃」のことは私が守るから——。》


 《——嘘……だよね……?✕ ✕さん……?》


 《嘘なわけないじゃんw誰があんたみたいなめんどくさい奴の味方になるのよw》


 やめろ……思い出すな私……あの苦しい記憶はもう、()うの昔に消したはずじゃないか……!


 《あ〜人騙すのおもしろwあんたみたいな心配性で人の心にずかずか入ってくる奴なんて、誰も——》


     《好きにならないから》


 その言葉を告げられた時、中学生の私は理解した。


 ——私はこの先ずっと、誰にも好かれることはないのだろうと。

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