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始まりはヤマト村で 8

「こんばんは」


おっと、普通に返事を返してくれたぞぅ。さて



「今日は良い天気ですね、夜空が綺麗だ」



当たり障りない事を言ってみたがこの場合当たり障りない事言ってる方がおかしい気もするけど何を喋ればいいか分からないのでとりあえず妥当にいってみる



「そうですね、星がとても良く見えます」



おおぅ、普通に返されたよ。真夜中に山奥でひらけてるとはいえ明かりもなければ人どころかその痕跡すら無い自然の中で、明らかに場違い感丸出しな美人なお姉さんと出会い普通の会話をしている…何かのホラーか?



「お散歩でもしてるのですか?俺は散歩みたいなもんですが」



聞くばかりはよろしく無いので自分の事も言っておく



「そうなんですね、私は夜光草という草を探して見回ってる所です。光ってる草とか見かけませんでしたか?」



「そういった物は見かけてないですね」


 

なるほど、ちゃんと理由があるんですねって、いやいやおかしいから。この辺の地理は全く詳しくないけどまゆもが言うには人里なんて徒歩圏内には無いらしいし魔物がほぼ寄ってこないとはいえ多少は居るんですよ。そんでもって寄ってくる魔物といえば意思疎通が不可能なタイプ、猛獣系が多めだ。それとこの辺に現れる魔物はそこそこに強いのしか居ないらしい。というか弱いのはまず寄ってこないそうだ。つまり最低でもそこそこ強いのしかこの辺には居ない訳だけどそんな中一人で草を探しに…これはかなりヤバい香りする、でもなんか優しそう



「そうですか、もしかしてヤマト村の方ですか?」



「いえ、ヤマト村の人々には世話になってますけど外部の者です。そういえば先程手から光が出てましたけどあれって魔法ですか?」



ちょっと気になったので聞いてみる



「あれは光を照らす魔法ですね、こういう感じです。一般的に使われてる閃光魔法を加減してランプ変わりにみたいな感じですよ、見た目よりコツがいるので意外と難しいかもですが」


「閃光魔法、光るんですね。何となくイメージで出来るがどうだろう……うーむ、まず光るってのがどうなのかわからぬ。それ使えたらかなり便利そうですね」



ちょっと会得しようと試みたけど難しい



「まずは閃光魔法を使うところからですよ」



「たった今バッタリ出会ったばかりでこんな事聞くのはアレなんですが……閃光魔法ってどんなですか?」



素直に聞いてみた。



「えっ?ええっと、何と言ったらいいですかね…まずは両手で明るくする、太陽の光とかイメージしてそれを思いっきり出すイメージでやるといけるかもです」



「んんっと、こう、か?ってヤバっ」


やってみてちょっとコツを捉えた瞬間放たれた。僅かに遅かったが何とかモロ直撃の前に目を瞑って腕でも覆って直撃を回避した、ってお姉さんに喰らわしてしまったか?ヤバい、初対面でこれは怒られるやつだ



「す、すいません。お姉さん、大丈夫ですか?……ってアレ?居ない」



目の前から消えていた



「あ、はい。大丈夫です。ええっと……すいませんね、忠告しておけば良かったですね」


なぜ後ろから?躱したのかな?



「いえいえ、こちらこそ申し訳無いです。安直に魔法を試すのは控えた方がいいですね」



「そのようですね、この辺にはよくいらしてるのですか?」



何となく分かってる事だが…さっきから半分以上空返事みたいなレベルで対応されてたけど初めてまともに質問された



「この辺…というほど土地勘は無いんですけどね。ヤマト村の端っこにある小屋をお借りして滞在してるんですけど夜の散歩でこのコースをちょいちょい歩いてる感じです」



「そうですか、ではここからヤマト村方面には夜光草は無いって事になるのかな」



「意識して見てたわけではないので、余程わかりやすい物でしたら見掛けてるとは思いますけど見落としてるかも知れないですからね。もし見掛けたら、また会う機会があったらお伝えします」



「ふふ、そうですね。その時はお願いします。では」



「お気を付けて下さい」



特に何も無くお別れした。俺もそろそろ戻るか




それにしても美人なお姉さんだったなぁ、スタイルも良いしドキッとしてしまったよ。携帯もTVもなく漫画のように露出度が高い女なんかも居るわけではないこの世界、女に免疫が無いとかではなく人並みには経験していてそんでもってAVも好き、二次のエロもいける、普通にエロい、マニアックなのもイケるクチ等々…そんな前世で鍛られた俺にとって少しでも色気があろうものなら全然そういう場面で無くてもドキッとしてしまったりするのだ。純正で今の身体と同じ年齢だったらそれはもうエロ全開になってたのではないだろうか。そんなわけであんな美人でスタイルが良い女性と真夜中に会ったりするともうドキドキ全開です。別にエロい格好してたとかでもないのに。イカン、この辺の感情はちゃんとコントロールせねば、大人で相応な年月を生きた俺なら大丈夫。ちゃんと割り切れるはず……さて、そんな事を思いつつ大っぴらには言えないことをやろうと布団で横になってると……誰かに見られてる?と感じた。これは魔物か?いや、違う。みーサーチにも掛からないし気のせいか?とりあえず明かりも消して今日は寝よう、おあずけだ



翌日、まゆもがいつものように遊びに来てこの世界の将棋にも似たゲームを教わりつつ遊んだり探索したりして何日か過ぎた。夜は何か視線を感じるわけだが、あの夜以来だからもし見てるとしたらきっとあの人かその関係者になるだろう。という事であの人と出会った場所に行ってみることにした


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