始まりはヤマト村で 9
「こんばんは、夜光草は見つかりましたか?」
会える気はしてたがビックリするほどタイミング良く会えたな
「こんばんは、今日も良い天気ですね。夜光草は見つからないです、この辺りには無いのでしょうか」
普通に笑顔で応対してはいるけど、全く証拠は無いのだが見てたのはこの人だろうなと思う
「夜光草って何に使えるんですか?」
「新しい薬の調合で使う予定なのですけど中々見つからなくて」
薬…薬師的な人、医者なのか?
「お医者さんなのですか?」
「いえ、薬師とでも言いますかね。一応元冒険者でもあるんですよ」
「そうなのですか、それでこんな夜中でも一人で問題なくこの辺りを散策出来るのですね。という事はかなり腕も立ちそうですね」
元冒険者だったのか、てことはこの人はかなり強い人なのかも知れない。
あの照明にしてた魔法をまゆもに聞いてみたらそんな使い方出来るなんて知らなかったそうだ。結構な高等技術だと思われる
「そんな事無いですよ、ヤマト村の人々から比べたら私なんてまだまだです」
やはりヤマト村の人は他所の人から見ても猛者揃いなんだな
「この辺のモンスターは弱いのは居ないってヤマト村の人に聞きましたからね、お姉さんはきっとさぞや強いのでしょうな、って薬師で冒険者ってなんかカッコいいですね」
「そうですか?そう言ってもらえると嬉しいです。ところであなたは…冒険者ですか?」
「いえ、俺は……なんだろう、これからその冒険者ってのになるのかも知れないですけど今はまだアテもなく彷徨ってるニートでピチピチの17歳の少年です」
「まあ、17歳なんですか?もっと大人かと思いました」
「え?俺って老けてる?」
「いえいえ、そういう事ではなく大人びてるといいますか」
良かった〜、17歳名乗るの厳しかったら困りまくりだぜ。
今更曲げれないし、こんな経験を他の転生者がしてるかは分からないけど42歳のおっさんが20前位まで若返ると年齢がどれ位なのかマジでわからん。
必ずしも17歳である必要はないけどそれより上か下かも適正が本気でわからんです
「それなら良かった。あ、俺はみーって言います。よろしければお名前お聞きしても?」
「あ、私はリリィって言います。薬師やってまして、向こうの方に私の隠れ家といいますか倉庫があるんですけど、そこで薬の材料なんかを保管してるんです」
なるほど、そういう事か。可能なら色々話を聞いてみたいところだ。
ヤマト村ではない視点の話をね。多分ヤマト村はかなり特殊なのでこれから別の地に移るとなると事前に知れる事はなるべく知りたいのです
「隠れ家、良いですね〜俺もいつか欲しいなぁ、隠れ家的な別荘」
「そんな良いものでも無いですよ。よろしかったら来てみますか?特製の紅茶でも出しますよ」
「是非ともお願いします」
イカン、即答してしまった。だってこのお姉さん美人だしスタイル超良いしこんな夜中にお誘い受けたらもう……色々ドキドキなんですぅ。
確かにこの人がこちらを見ていた可能性は高い、色々怪しいかも知れない、でも男ってのはそんな所に飛び込んで…………いや、偵察!そう、これは相手の出方を見るための偵察なのだ。何も間違った判断はしていない、むしろここで躊躇なんてしてたらそれこそ怪しい人って逆に思われてしまう。聡明な判断さ
「ちょっと離れてますけど足元には気を付けて下さいね」
「大丈夫です、さあ行きましょう」
安直について行ったはいいが結構入り組んでるな。真っ暗でどうなってるのか分からない…帰りどうしよう…最悪明るくなるまでって思ったけど明るくなったとして帰れるかな?目印とかつけてなかったから今からでも遅くないので魔力で付けておこうと思ったら向こうから喋って来た
「みーさんは先程冒険者になるかもみたいな言い方をしてましたが冒険者志望なのですか?」
「いやぁ、ちょっと事情といいますかそれしかアテが無い可能性があるといいますか」
「ふふ、面白い事言いますね。でも問題無くやっていけそうですね」
「そうですかね?そう言ってもらえると前向きに考えられます。リリィさんは最初から冒険者だったのですか?」
歩きが早い、やっぱりなんか怪しい気もするけどもしかしたらもしかしてリリィさんも実はあんなことやこんなことを……流石に無いか。
しかし満更でもないなんて事があればあるいは……あるいわさんだ!俺は今からあるいわさんでいく!
「私は……色んな薬作るのが楽しくて夢中になってたのですけど材料を揃えるのに一番都合良い職だと気付いて冒険者になりました。魔法の素養ある家系でしたので魔法はある程度使えた下地があったのも大きいです」
「魔法と薬、何やら奥深そうな関係が……では戦う時なんかは魔法でって感じですか?」
「多少は剣とかも使いますよ。薬の材料集めるのだけが目的だったので何処かのパーティーに入れてもらうとか最初は考えていませんでしたので一人でやっていけるように一通り学びました」
「それは凄いですね、結果的にこうして夜中に問題無く薬草探しまで出来るわけですからね」
「これでも全盛期よりは衰えちゃったなとは思うんですよ。魔法の練度だけは劣らせないようにしてますけどね」
「全盛期は…どれだけ凄かったんですか?」
「と言ってもそんな大したものではないですよ」
歩きの速さとか立ち振舞で何となく察せるけどこの人かなりやり手だ。
てかいよいよもって目印がつけられんかった。俺ちゃんと帰れるかしら…恥ずかしい話だけど最悪さっきの場所まで送ってもらおうか
「そろそろ着きます」
見えてきたのは普通の家、少なくとも俺の仮住まいの小屋よりは十分立派な家だった。
そして魔法のようなものが帯びてる訳だが…みーサーチで見なくてもなんかわかる魔力の帯び具合、これはなんだろう?
「あの、これは何か魔法のようなものが帯びてる感じがするんですが」
ヤバそうな感じだが興味と調査という名目で俺は安易に触れて
「それは見ての通り触れればタダでは済まないですね、大概の人は死にますよ。そろそろ本題に入りましょうか、アナタは……ってあれ?あれれ?ちょ、ちょっと待って」
みちゃいました
「うぎゃぁぁぁぁ〜〜!!!ちょ、ちょ、ちょ、こ、ここ、これなんすか??ヤバ、ヤバい!アカンやつや、コレアカンやつや!!死ぬやつだ!ど、どうしよ……うご、うごけな」
「あ、ああ〜、あの、ええっと〜、ちょっと待って下さいね?あれ、ど、どうしましょう」
リリィさんもなんかわからんけどテンパってる。てかやべぇ、美人なお姉さんの前であまりみっとないとこ見せたくないけどコレもう限界
「た、助け……いや、コレ触れたら駄目だ。こ、こうなったらリリィさん、ちょっと離れてて!ガチるわ!」
「え!?ええっと…は、はいぃ〜」
リリィさんが離れた、よし!ここんとこ鍛えてたあの力を体全体で出す。
アレだ、アレ!そう、気を放出するんだ!出力全開でこんなの弾き飛ばすのだ
「いっくぞ〜!!きゃいおうけーーん!!」
よし!何とか吹き飛ばしたというか振り解いたというか、もう少しで多分死んでた
「あ、あの……大丈夫ですか?」
「我がきゃいおうけんの前には」
意識も虚ろなままにそう言いながら気絶してしまいました。目が覚めるとソファーの上で寝ていた




