大金は歴史的偉業で 5
「何だ貴様等は?」
クリスの硬直がバレるのはよろしくないのでクリスを抱えて離脱という行動を見られたくない俺は、このまま仕掛ければいい気もしたがあまりに急な展開だったので脳が追いついておらずライオウと睨み合う事態になっていた
「お前が魔王軍の将軍の一人、ライオウさんかい?」
テキトーに言葉を並べとく。そろそろ大丈夫か
「そうだ、お前は…冒険者か?」
「そうです、んじゃお手並み拝見」
もう大丈夫だと踏んで軽く攻めてみた
「中々やるではないか」
なんだろう…威圧感とかオーラとでも言うのか、それは凄まじく過去1ヤバいのは分かるし攻撃のキレや力強さ等も凄いのは感じるが…
なんか鈍くないか?なんなら現時点じゃギガビーストの方が強いぜと感じていたら巨剣からの横薙ぎが来たので後退したらクリスも引いたようなので一旦仕切り直し
「ヤバイよみーくん!勇み過ぎてズレちゃったんだけど、それでもそれなりに入ったのに効いてる素振りが見えないよ!流石古参の将軍だね。一筋縄にはいかないみたいだよ」
「アチキのぐらびとぅーーーーんも食らってる筈なのに…強敵ぼぅぅん」
なんて言ってはいるが二人共かなりテンションが高い、でも何となくやれてはいる気がするのも事実
「皆様凄いです!!ギャンザクなんてあっという間じゃないですか!これは…歴史的偉業が現実的に」
ギャンザクはほぼあのライオウさんがやったようなもんだよ。
なんか高揚感凄い感じの表情をしている黒髪ぱっつんボブでジト目っぽいメロニィさん、そんな性格なんすね。見た目と結構ギャップがあるです
「貴様等…冒険者なんだよな。その魔法使いも、鉄砲玉みたいな小娘も貴様も腕は立つようだが決してランクの高い冒険者では無いだろ?」
あらそんなの分かるの?
「鉄砲玉とはなんだ!こんな可愛いクリスちゃん相手に」
ウチのリーダーは魔王軍の将軍だろうとブレない。こりゃ喧嘩っ早いのを治すとか無理だわ。
多分人類にとってトップレベルで危険な相手なのにこれだもの
「ふん、お前等魔王軍との戦争がどうとか実際の現場や流れ等知らんだろう?仲良くやる気なんて更々無いがそれでも長い争いの中で双方にある程度はマナーというのも存在している事を分かってない。分かっていればこのライオウ様にいきなり仕掛けるなんてあり得んからな」
そうなのか?確かに長い事拮抗した戦争をしているのなら闇雲に攻撃し合ってというのは理想の勝利には程遠くなるのかも知れない。
共倒れだってあり得るだろうから暗黙のルールがあるならそれは理解は出来るが…それでも腑に落ちない気がする
「確かに魔王軍との戦争の中でお互いある程度の協定があるのは分かりますが我々冒険者が魔王軍の将軍を前に戦わない理由が無いのも事実です」
メロニィさんはその辺理解してるっぽいな
「それはその通りだ。だが我々もこちらに手を出して来たのが冒険者だからこの国は関係無いなんて話を聞く義理も無いのもまた事実。
いいのか?知らんなら教えてやるが俺は魔王軍の将軍の中でも古参だ。今俺が攻めてる国は別だがこの国に攻め込んでもいいんだぞ?それを独断でやるだけの立場ではあるんだよ、俺様は」
魔王軍にも色々あるっぽいがコイツはある程度自由にやれるらしいな
「くっ、そんなのはここであなたを討ち滅ぼせばいいだけの事です」
まだ同じパーティーって訳でもないメロニィさんが啖呵を切っている。
対する俺達はというと魔王軍と国のどうこうとかそんな詳しくないので俺だけでなくクリスやまゆももちょっと間違えたのかなって気持ちが見え隠れしだしていた。安易に手を出すべきではなかったか?
「ほう、俺様を討ち滅ぼすだと…やれるものならやってみるがいい!!!」
そういうととんでもない威圧感というかオーラを放って来た。覇気ってやつか?魔力とは別物だが明らかに分かるこのオーラ……とんでもないな。
魔王軍の将軍の中でも1.2を争うってだけあってこの威圧感から感じる強さはギガビーストも目じゃない。
クリスもまゆもも、メロニィさんも気圧されてしまったようだ。流石は魔王軍の将軍、さてどうしたものか
「ふぅ、まあいいだろう。貴様ら低レベルの冒険者には分からんのも仕方無い話だ。
それにこちらとしてはギャンザクを仕留められたから後の事はどうでもいい。今なら見逃してやるからとっとと立ち去れ、俺もこの国に用は無いのでな。俺というか魔王軍には関係ない話だからギャンザク討伐の手柄は貴様等で勝手に貰ってくがいい」
なんて太っ腹、だけどアレだなぁ。もしかして
「なあ、メロニィさん。国がどうとかいう話は知らんのだけどアイツって実は討伐しちゃ駄目とかあるの?」
「い、いえ…確かに色々情勢が変わって来るのは事実ですけど魔王軍を討伐しちゃ駄目という事は無いです。ただ先程も申しました通りやるなら討伐しないと怒りを買って被害が甚大になってしまうってリスクがあるだけです」
なるほど、密約とかが無いならそれでいいか
「みーくん、どうするのさ?私はなんかちょっと手を出しちゃ駄目だったのかなって疑問が出て来ちゃったんだけど…でも引くのも違う気がするしって悩んでるよ」
「やる!おいライオウさんとやら、お話は終わりのようなら再開するがいいか?」
まだ話があるなら聞いときたい所ではあるが
「貴様、今の話理解してなかったのか?まさか本気で俺様に勝てると思ってんのか?」
「いや、かなり強いと思うよ?そんな気軽に勝てると言えない位には。でもさ、キミ戦いたく無さそうじゃん。
相手の嫌な事するのが戦いの基本だろ?それとも勘弁してほしいのならちゃんとそれなりなやり方で頼まないとだぜ」
「貴様、俺様を愚弄するか!後悔するなよ」
そう言うと何やら息を吸い込むように溜めを作り、口からエネルギー波的な物を出して来た
「狂獣砲」
とてつもないエネルギーのビームだ。何より…恐ろしく速いので相殺とかは諦めるレベルだ。
威力はとの方はというと…うん、後ろの景色が変わってますね。とんでもねーな
「もう後戻りは出来ねーぞ!と言いたいところだが顔が引きつってるぞ?情けない。
俺様に喧嘩売るってのはこういう事だ。分かったらとっとと」
クリス達は確かに顔が青褪めてはいた。だがそれが戦いを辞める理由にはならない。
何より事情は知らんが本当にコイツはあまり戦いたく無いようだ。という事で攻め入る事にした
「確かに凄い技だけどそれ以外の戦闘で言ったら今のとこ俺の中ではギガビーストより弱いぜ、アンタ」
「このクソガキが!!」
そう言って巨剣で攻めて来るがどうにも鈍い…コイツの身体能力ならもっと速く来そうな気がするが。
とりあえず意趣返しとして俺も必殺技を披露することにした。もしかしたらクリスには初披露かも知れない
「きゃめはめはーーー!!」
御返しとばかりに船2隻をめがけて放ってやった。あえてライオウには向けずに
「貴様……とことん愚弄しおって!」
船に居た魔物達も一掃…という訳にはいかなかったが結構片付けられた気がする。本来はこういう作戦をイメージしてたんだよ
「お前の使った必殺技の方が早いから相殺とかは無理だけど破壊力なら負けないだろ?」
「ここまでとは思わなかった。だがナメるなよ」
それはこっちのセリフ
「言っとくけどタイマンじゃないからね?」
「かき氷雨」
またえげつないのが来た。一度見たことがあるけど氷というかみぞれとでもいうのか、それらを雨のように降らす魔法。
ただ、その氷は氷点下何度とかは分からないが生前見たことある映像を参考にするなら液体窒素に匹敵してると思う




