冒険者はこの街で 11
「言うまでも無いと思いますがよしまそさんは分かりますよね?」
「ああ、あのキモデブか。それがどうした?」
悲しいかな我らの偉大なよしまそさんは女子にはこんな評価です
「実はある商売を考えておりまして……とても生々しいかつ、女性には特に不快に感じる可能性もあるので怒りを覚えるかもしれませんがそこはこらえて話を聞いてもらえると幸いなのですが」
「いいだろう。これでも荒くれ稼業だ、大概の事は気にしない」
ここで俺はヤマト村の男の夢の内容を話した。
まず、よしまそさんはスライム的な物、俺のねばのーる君とは似て非なるものではあるがそういうのを作り出す才能があった。
その能力である時作り出したのが女体だ。何年も続けすごい精度で作れるようになってからは質感や色も良くなった。
1から作るのはかなりしんどいらしく所々術式が組み込まれた魔符を使い量産も可能にしてあり、更にはその技術も魔符に組み込んで好みの姿形もすぐ作れるようにしたのだ。
そこからは操作なのだがここで異世界から来た俺が話を一気に膨らます切っ掛けとなった。そう、AVの存在だ。
俺は別に経験豊富ではないがAVをよく見ていたのでプレイに対する色んな動きを記憶していたのだ。
そういう動きも出来るようにその作った人形のようなものに組み込ませたらという話で実践したのだ。
よしまそさんは決して得意ではない操作的な事もそれなりにやれるよう組みこんでいて俺が来る前から稚拙ではあるが動きを持つダッチワイフは既に村の男には知れ渡っており村長をしてさん付けをするほどの尊敬を勝ち取っていたわけだ、男限定で。
問題なのはここからでこいつをもっと好きなようにいつでも誰でも使えるようにするには足りないものがある。
まずは単純にこれを作り出す魔力、これは世界によしまそさんしか居ないがここでよしまそさんが魔力を込めた魔石を使えば解決出来る、つまり魔石。
それとその術式を刻む魔符、魔法文字とでもいうのかこれを高精度で作れる人はヤマト村の一部の人しか居ないのが現実だろう。
その1人は俺が旅立ちの時にあまりの服をくれたゆっこさん。そう、女性なのだ。彼女はその道の達人で魔法は使えないくせに魔符を作る第一人者レベルなのだ。
魔石に関してはヤマト村では取れず王都で取引されており気軽に買えるものではない。
なので王都の人も納得する確かな何かを見せなくては簡単には買えない。
実際のところヤマト村の人が言えば買えるのだが村の女性陣がそんな理由で買ったって知った日には暴動は目に見えてる。
よって買い付ける経路はヤマト村でないほうがいい。それと魔符、ゆっこさんは極めて常識的な普通の人なのでこんな理由で魔符を発注しても多分断わるというか引かれる。以後ヤマト村の女子からは白い目で見られる事必須だろう。
なのでこちらも別口から発注が望ましい。何せ手書きなのでそもそも量産が大変だから相応な説得力が必要だ。
そしてそれらの需要と供給を見せるにはそれを扱う店なんかを作ってしまうのが一番手っ取り早い。
ハッキリ言って形にしてやれば絶対流行る。なのでやることがまず第一だがヤマト村だけで流行っても仕方無いのだ。
そこでこの街、あらゆる所からの往来、王都の人間もそれなりに来てるので上手くやれば即座にこの需要を理解し喜んで魔石を流してくれるに違いない。
ただ、そこでネックになるのがこの街を割と根城にしてるこの姐さん、せいらさんに嗅ぎつかれたら終わる。というのがヤマト村の男達の見解なのだ。
それだけの歴史があるのだろうが俺はここで交渉役として名乗りを上げたのだ。
俺はヤマト村の人間ではないので最悪でもよそ者の俺が勝手にやりだしたという形にすれば村の人達は今後の生活に支障はきたさないだろうと。
つまりこれを決めればとんでもない恩返しになるし勇者みたいなもんだってワケだがもう一つ俺が考えてるのは…他所の裏表等色々見てる冒険者の凄腕姐御なら…むしろこの話に一枚噛む可能性も充分あるのではないだろうか、と。
そりゃ見知った村人に言われたらキモいってなるがあくまでよそ者で互いを知らない間柄なら商談には持ち込めるかもだし利益の一部をあげて後ろ盾なんてポジションをあげれば引き受けてくれるのではなかろうか。
ヤマト村には無いので仕方ない事だが男のそういう欲望を満たす店とかはこの世界にもありこの街にもそれっぽいのはある。
ならばなおさら嫌悪感はあるかもだがそういう事への理解はあると俺は踏んでいる
「というわけですがどうですかね?商売としては悪くないと思うのですが」
「お前等男共は…そんな事考えてやがったのか。何か知らねーが村の男連中が年齢問わずあのキモデブをさん付けしてたからなんかあるのかとは思ってたんだよ。その既にドン引きな話にお前も一枚噛んだって理由か」
やはりドン引きはしてるがヤマト村の男達には話してる途中で滅されるって言われてたから多分まだマシなのだろう、やはり初対面で話しておいて良かった
「そうなんです、俺の居た国では結構そういう方面も発展してて決して馬鹿には出来ない産業の一つでしたので悪い話とも言い切れないかと」
「確かに…私だってその辺の感覚はわからんでもない。だがなんだろう、こう…ねぇ?」
言わんとしてる気持ちはわかる、ここで更に一押し
「実際の所俺はまだ王都とか貴族を知らないのであんまり語れませんが俺の居た国同様色々と穢れてるとは思うんですよね。
なのでこのネタにはまず乗ってくれると踏んでるんです。でもちゃんと綺麗な理由として魔石を沢山仕入れて備蓄にも回せればヤマト村の力もより盤石になるかとも思う次第です」
一応それっぽい事も言ってみる
「それは一理あるな、まあこの国が敵に回ろうが瞬殺出来るとは思うが用心に越したことは無いからな。お前のそのレベル隠してるのもそんな理由だったりするのか?」
ほんの少しだけではあるがそれも理由なのは確かだ
「多少はそんな理由もありますよ、だってこの冒険者登録のヤツ、明らかに高性能過ぎますもん」
それはもうゲームのような性能なので作ったやつはとんでもない奴だと思う
「個人カードの事だな、それは私も思うぜ。だがそうだな…この話悪くないな。キモいとしか思えないが儲けは確かに見込めるし村の男共に好き勝手やらせるのは面白くねーが私が裏で管理出来るなら悪くない。取り分は?」
コレ、通称は個人カードっていうのか。
来た、ここが正念場だ。取り分か…ヤマト村の男達の目標及び俺の目標はこの件の発展と量産であり儲けと言うわけでは無いのでよしまそさんにそれ相応の儲けさえあれば後はちょっとあれば位の気持ちなのだが
「純粋な儲けの半分はよしまそさんに、後は後ろ盾になってくれるなら姐さんのお好きにで大丈夫です。店を構えてやるとして、運営などもあるとは思いますが俺がどうこう出来るかは分からないですし下手したらこの話をして以降の俺は御役御免だってなりますので」
たまに顔出すオーナー的位置になるのは悪くないとは思ったがその辺は姐さんがやるなら俺がしゃしゃり出る事もない
「まだ王都のそれなりな立場の人間にも話せてない状態ってんなら私が動けばやれない事はない。店も…まあ何とか出来る算段はある。そうだな、具体的な形さえ出来れば割とすぐ形にはなるがまずその話を村の男共に伝える所からがお前の役目になるだろうがお前は転身使えるのか?」
「使えないっす、覚えたいんですけどどうも上手くいかなくて」
アレ使えたらかなり便利だよなぁ
「適性は無さそうだもんな」
「でもまゆもが言うには確か8日後に村の人達が遊びに来るって言ってましたよ」
「なる程、面白くなってきたな。正直言うと今言った話と具体的に形にする件、私ならすぐ出来る。
たまたまでもあるがちょうど空いてる店になりそうな所もあるんでな、私名義での取引なら色々と上手くもやれるだろうよ、先行投資って考えりゃ私としても良い話さ。
取り分に関してはわ分かった、キモデブの魔法ありきだから半分は良い話だ。誰かしら必要になればお前がやるってんなら少しは分前やらなきゃだから取り分に関しての細かい部分は色々決まってからだ。
もっと渡すべき人が必要になってくるかもだからな」
おお、流石ボスキャラ。慣れてるのか分からないが話が早い
「俺も冒険者稼業が駄目にならない程度には手伝いますぞ」
「だが…やはりその案件はキモいというか素直に受付け難い気持ちも分かってもらいたいんだが」
ですよね〜この人も儲けること至上主義って感じではないから嫌悪感ある事を喜んでやりはしないですよね
「お気持ちは分かります、なので俺の方も絶対にって話じゃないので」
そもそもこの商談はヤマト村の男達の中では失敗する可能性の方が高いと見てるのでこちらも無理に成功させようって話ではない
「でも何となくだがお前も結構小賢しいタイプと言うか頭は使うタイプだろ?ここで私が断っても別口で上手いことやられるのも癪だしな。まず問題無く儲かる話しを流すのもアホな話だし…そこでだ、私と勝負しろ!」




