冒険者はこの街で 10
「まゆもちゃんの泊まってる宿はここかぁ〜もしや一番良い部屋だったりする?」
「うにゅ、一番良い部屋取ってくれたのでぇす」
やはりヤマト村の人って金持ちなんだな
「良いなぁ〜私も泊まってみたいな〜今度クエストで儲けたら泊まってみようかな」
まゆもを宿まで送り…と言っても100メートル位の距離だが。
最近の帰りはクリスを家まで送るのが定番になっていた。あまり早いと夜型の俺は暇だし色んな探索にもなるので
「それにしてもアレだね〜まゆもちゃんって偉いべっぴんさんじゃないかぁ。一緒に泊まるとか普通に言い出してたけどまさかキミ達ってそんな関係なのかなぁ?」
クリスがウキウキしながら聞いてきた。やはり女子はそういう話題には目がない
「そんな事はないぜ。にしてもまさかこんな早く、本当に来るとは驚いたよ」
これは本当に驚いた。まさかまゆもは俺のことが
「まゆもちゃんとはどんなふうに知り合ったのかな?」
ざっくりと出会いからついでにヤマト村の話も軽く話しておいた
「てワケなんだよね。ま、まさかまゆもは俺に恋?」
それなりにまゆもとは一緒に居たからわかるが多分そういう事ではない気がする。
冒険して色々楽しみたいとかそんな感じだろう、俺と特に何もない日にヤマト村の周辺でやってた事も言うなれば冒険だったし
「あり得るかもよ〜、でもそうなると…下手したら親子位の」
またしてもあらぬ事を言い出したので遂にほぺひっぱーるを解禁してやった。
ここらで分からせないと
「や、やめろぉぉ〜、ほっぺ引っ張るなよぉ〜」
「クリスがあらぬことを言いまくるからこうなるのだよ〜ほれほれぇ」
縦横斜めとそれはもうみにょーんとしてるのだが…何この子、ほぺがとても良い!この柔らかさと伸び具合…とても良い!
「わかった、わかったよ〜みーくんは17歳だから〜」
これで膨らませでもしたらそれはもう
「どうしようクリス、このほぺ上質過ぎてやめるにやめれないのだが」
素直に伝えてみた
「な、なな、何を言ってるんだキミは!人のほっぺで遊んじゃ駄目だろ〜、確かに可愛いクリスちゃんの上質なほっぺはそれはもう魅力的なのは仕方無いにしてもだよ」
これ以上やると流石にいけない気がしてきたからやめとこう
「まあクリスがちゃんと俺は17歳だと分かってくれれば良いんですぅ」
「うう……私の可愛いほっぺたちゃんがオッサンに嬲られたよぅ」
更にひっぱって遊んでやった
「実際のところまゆもは中々独特だからね〜どちらかと言うと楽しそうな事に素直に突き進んでるって側面が強いだけだと思うぜ。前例のないタイプの魔法使いだからって事で皆からも放任されてるし。クリスも付き合って行けばわわかる筈」
「そうなのかぁ、それにしては懐いてる気もするけどまだまゆもちゃんの事全然知らないからなぁ」
「変わった子ではあるけど良い子だから仲良くしてあげてね」
翌日、悪ゴブリンの退治をサクッとこなしてギルドで報酬を貰い、今日は美味しい物を食べつつパーティー祝をどーのこーのしようと思っていたら
「せいら姉さん、まゆも来たのでぇぇぇす」
そう言い出してその人の所へ向かったまゆも。一方のお姉さんはというと…何人か手下のような人を従え、周りには何かお伺いをたててるような人が数名、初見だと女王様的なのが酒を飲んでご満悦みたいな状態だ。
心なしか他の冒険者は少ない…というか見当たらない気がするのは気のせいか?
「おお、まゆもじゃねーか!よく来たな。ほれ、まゆもも食べな」
「いただきま~す」
まゆもに餌付けしとる。まゆもの事をよく分かってらっしゃる
「あれがまゆもちゃんの言ってた従姉妹のお姉さんかなぁ?」
「多分ね、俺も初めてだからよくは分からぬ」
同じパーティーとして挨拶はしとこうと思うので俺とクリスで挨拶に。
クリスも実は人見知りだから緊張してるのが伝わるがそれよりこのオーラ、明らかに強面のボスと言うか女王というか…その堂々たる姿から俺だって萎縮してしまう。
この人と交渉するのか…そのせいらさんに向かって歩いてくと取り巻きっぽいのがジロジロと…いや、ガンくれて来るかのように見てくる。
ただ喧嘩売ってくるとかいうより品定め的な感じで何か言ってくる訳では無い。こういうの苦手なんだよな
「アンタ等がまゆもと組んでるのか?私はせいら、よろしくな」
「俺はみーっていいます。よろしくお願いします」
「わ、私はクリスといいます。よろしくお願いします」
クリスが畏まって緊張してる姿って貴重な気がする
「コイツ等アレですぜ、一人は問題児でパーティー組めなくなってる奴でもう一人はレベル3ですぜ」
何?もしかして俺って呼び名がレベル3になっちゃってるの?
「テメー等、ヤマト村の御方を利用して冒険者やろうとは汚え奴等だなぁオイ?」
「雑魚に問題児が考えそうな事だな、今ここで潰しとくか」
「俺がやる。姐さん、俺が姐さんの従姉妹さんをクズの手から守りますぜ」
これはチャンス。こういう流れならコッチが手を出したとしてもこの姐さんとやらに上手くまとめて貰えば大事にならずに済むはず。
クリスも…って流石にここまで強面集団だとクリスは萎縮してしまってるか。よし、ここらで俺の活躍
「黙れボケ共!おい、みーっていったな、どうやった?」
流石ヤマト村の人、小細工ってのはすぐ分かるか
「それは秘密…でもないけど大っぴらには出来ませんぜ」
「んだとコラァ、テメーせいらさんの言う事」
って言った瞬間恐ろしく早い裏拳でそいつはのされた。
クリスもビックリ恐ろしく手が早い姐様なようです。更に止まることなく数名ノサれました。
ヤマト村の人から話は聞いていたのだが予想以上に過激な御方のようで…そりゃ誰も逆らわなくなるわ
「さっきからよぉ、私の従姉妹の仲間に何無礼な態度取ってるんだい。オラ、飲み物でもお持ちしろや……テメー等は何突っ立ってるんだよ!無礼な態度の罰だ、正座でもしてろ」
何もそこまで……
「へ、へい!失礼しやした」
従っちゃうんですね
「まゆもがパーティーを組んでるんだ、レベルがどうとか問題児がどうなんてつまらん事はまず無いだろ。ヤマト村の人間にハッタリは通じねーからな、それに何となくだが面白そうなメンバーじゃないか」
「せいら姐さん、カッコいいっす。姐さんの強さの秘訣はなんですか?」
あれ、クリス姉さんの方はさっきまでの萎縮は何処へ?何やらせいら姐さんに尊敬の眼差しを向けとる
「強さの秘訣かい?それはやはり…なんだろうねぇ?まゆも、何だと思う?」
わからんのかい
「アチキは美味しい物だと思うぽん」
ヤマト村の人が言ったってなると一気に深みのある言葉になるな
「そうだねぇ〜うまい飯にうまい酒、それと美貌!後はやはり日々精進も大事だねぇ」
「ありがとうございます。このパーティーのリーダーとして日々精進します」
あんまり変な影響受けないでくれよ
「あんたがリーダーなのかい?それならアレだ、まゆもの事お願いします。クセはあるけど凄い魔法使いなのは確かだからな」
流石ボス、ちゃんと頼む時は敬語になったりとただの荒くれとは違う
「クリスはとんでもない技の使い手なのでぇぇす」
「そうなのかい?それは気になるね。せっかくの縁だ、見せて貰ってもいいかい?」
「よ、喜んで!姐さんにお墨付きもらえたらそれはもう凄いのでぇす!」
クリスのテンションがおかしい。口調がまゆもになってるし。
姐さんとか言い出してるその姿は取り巻きの荒くれと何ら変わらん気がする
「き、期待してるぜ」
姐さんも若干引いてらっしゃる
「いっくよー、あ、姐さん行きます。しゅんぎりぃ!」
「おお!こりゃスゲーなぁ、どうやったん?」
やはりヤマト村の人から見てもこの凄さは変わらないようだ
「え、ええっとぉ〜アレがこうでアレをこうして」
うん、本人もよく解ってない
「なるほど、わかった!ありがとな、見せてくれて。こんな技を持つクリスは立派なリーダーだ。これからもよろしく頼むぜ」
絶対解ってないと思うけどそんなざっくり加減が姐さんって感じだ
「ありがとうございます!姐さんみたく強く格好良くなる為に頑張ります」
すっかり懐いたクリス、気持ちは何となくわかる。カリスマ性が凄い気がするもの、そりゃヤマト村の女子全員の支持を得てただけの事はあるなって、ここで俺もちょっとこの人と話しとかねばならんね
「あの、すいません。よろしければ少し話をさせてもらってもよろしいですか?出来れば二人だけで」
「ほにょ?」
「何々?秘密の話?私の姐さんに何話すつもりなのさ?」
クリスの中でいつの間にか自分の物になってる姐さん、どう突っ込めばいいのか
「なんだい改まって?初対面で秘密の話かい…面白そうだ。いいだろう、こっち来い。テメー等はこのクリスさんとまゆもさんをちゃんと丁寧にもてなせよ」
「へ、へい!ではこちらに」
「なになに、本当に秘密の話なのかい?」
「気になるぽぅん」
「大丈夫、これはヤマト村の連中からの話だ。トウ君とかからちょっと頼まれてた言伝で我々パーティーとか冒険とは全く関係のない話だから気にする事なかれ」
男連中っていうと角が立ちそうなのでとりあえずトウ君ネタにしとこう
「そういう事ならいいけど」
「うにゅぅ」
こうして路地裏に来た
「話の前に…一応試しておこうか」
というといきなりかかって来た。って武器装備してやがるな、ギリ躱して反撃するも軽くいなされどんどん攻めて来る。
流石荒くれ者のボスにしてヤマト村でもボスキャラだっただけのことはある。
この辺りの駆け引きは肝が座ってるな、手を抜くなんて無理なのでキャイオウケンを即座に発動した瞬間立ち回りは終わった
「なるほど、まゆもがついてくだけの事はある。その辺の操作でレベルも誤魔化したのだろうが理由は何だ?」
理由は何となくなのでそれを素直に伝えつつ俺の経緯をそれとなく伝えていた
「思ったより面白そうだなぁ〜、私もパーティー組んでなかったら合流したいところだぜ。ところで話しってなんだい?」
ここで俺はヤマト村の男達の夢を叶えるための一歩、ある計画を話す事にした。
女子からしたらハッキリ言ってろくでもない話どころかキモい話なのでその女子の筆頭たるこの人への説得がずっと懸念となり進められなかったこの計画。
村の人は下手したらその話以降、村の女子に白い目で見られたまま一生過ごす事になりかねないのであくまでよそ者の俺が適任なのだ。俺もよしまそさんの作り出した偉業を世界に広げたい一人、ここは引かぬ!




