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冒険者はこの街で 9

 

「なんやかんやと俺は何もやってない気がするから分前は最低限だけで大丈夫だよ」



 本当に何もやってない気がするから…でも無しは厳しいっす



「うんにゃ、気にする事無いのですぞぉ〜、みー控えがあるからこそ好きに戦えたのでぇぇす」



「そうだよ、気にすること無いさ。それより…ご、51万になったよ!今日の朝までの金欠はいったい…どうしよう、これってもしかして凄く美味しい仕事なのでは?」



 皆良い人で良かった。にしてもクリスが驚いているように俺とまゆもも驚いている。

 説明もされて金額も分かってたけどいざそのお金をポンと出されるとやはり驚いてしまう



「お金持ちぃぃぃぼん。これは何かしら美味しいものを食べてしまうべきなのではにゃいだろうか」



 めちゃくちゃお腹空いてたのでギルドで食事をしながら話していた



「パーッと飲みたいとこだけど今日はずっと歩いてたからね。疲れちゃったからもうお風呂入って寝たいかなぁ」



 一杯は飲んでるクリスさん、俺と出会った最初の頃より酒好きが進行してるのか遠慮が無くなったのか分からないが酒ばっか飲んでる気がするな。でも仕事終わりの一杯は格別だから別にいいか



「んじゃ今日はこのまま解散して明日また近場で軽めのクエストこなしてから…パーティー初陣祝いというか結成祝いで美味しいもの食べつつ飲みつつクリスつつしますか」 



「良いねぇってクリスつつってなんだよぉ?」



「クリスつつ、クリスううぅぅぅぅ〜クリス姉さん、クリスつつってなんじゃらほい?」



「このオジサンに聞いて。あ、クリスで良いからね。パーティーメンバーなんだから堅苦しいのは無しだよ」



 またオジサン扱いしたな、今度一度厳しくわからせてやらないと



「それにゃらクリスなのでぇぇす。みーおじさん、みぃおじさぁん?」



 ほら面倒そうな子がおじさんとか言い出した



「まゆもさん、何処からどう見ても17歳の僕がおじさんなワケ無いじゃにゃいか。このお姉さんはちょっと酒ばかり飲んでてアレだからおかしな事いう時あるけど気にしないでいいからね」


 

「アレって何さ?それにそんなにお酒ばっか飲んでないやい、たまたま飲むタイミングが多くてそれでいて飲みたいなぁって思って…あれ?前より確かに飲んてるなぁ」



 たまたまだったようだが俺も大昔、酒を毎日飲んでた時期があった時も飲む機会が重なって飲みたくなって…っていう流れだった。

 つまり酒にハマる時ってそんな感じで入ってく場合がある。

 クリスもそうならないよう止めたほうがいいのだろうか



「元からのんべえだってなら気にしないけど今初めて酒にハマりそうだったら多少は控えたほうがいい気がするよ」



「そうだね〜飲んだくれちゃうと良くない気がするし…でも仕事後の一杯とか打ち上げとかの時は良いよね」



「まゆもも飲むのでぇぇす」



 法律がどうとか分からないがまゆもはまだやめた方がいいと思うなぁ。クリスは何と言うだろうか



「まゆもちゃんはまだだめだよ〜せめて16とかになってからでないと」



 16が一般的なお酒の解禁の感覚っぽいな。クリスは必殺技がどうとか喧嘩っぱやい所とかが変わってるので変な子扱いされる時もあるが基本的にはかなり常識的かつ一般的良識のある良い子だというのは短い付き合いでもわかる



「うにゅぅぅ…あ、そう言えば9日後に皆遊びに来るのだーよ」



「皆ってヤマト村の皆か?」



「うんにょ、みーくんがもし発見出来なかったら帰るって話だったのじゃ。それと従姉妹のお姉さんにも会えたらとぴぴょんぬよ」



 そーか、確かに俺が何ヶ月もここに居るとは限らなかった訳だもんなって従姉妹のお姉さん?例のあれか、実はこの人に用がある訳だが…どんな人だろう



「従姉妹のお姉さんなんてそうとうな実力者っぽいねぇ」



「うにゅ、凄腕の達人ぽん」



 ヤマト村の人って達人しか居なさそうだが



「おお、ヤマト村の人達に達人か〜私も1度会って話してみたいもんだねぇ」



「クリスの事も紹介するなのでぇぇす!達人、なのでぇぇす」



 確かにクリスも達人だな、本人わかってないけど



「いやいや、そんな事無いから!ハードル上げられちゃうと困るよぉ」



「僕等のりーだーのクリスお姉さんはとっても凄いんだい!」



「すごーぼん、すごーぼぅぅぅん」



「やめてよぉぉ…キミってばここぞとばかりに私をいじめようとしているね」



 そんな事は微塵もない、僕等のリーダーを尊敬している



「大丈夫、ちゃんと必殺技放った後くすぐって……ってコラ、紐引っ張るな、抜けても戻すやつ持ってないから困るんだよ」



 クリスの嫌がらせからディフェンスしているとまゆもが思い出したように言ってきた



「そう言えばみーくん寝泊まりどうしとる?アチキの宿来るかえ?」



 同棲してた訳では無いがヤマト村滞在時かなりの時間を共に過ごしてたのでこの一言になんの違和感も無かったのだがクリスが吹き出しかねない程に驚いていた



「ほえ〜!!?お、同じ部屋に泊まるって事かい?」



 いや、多分違うと思う……思うがもしそうだったらそれはそれで俺もなんかこう色々アカン気が



「村長から念の為みーくんが路頭に迷ってた時の為の宿代も10日分だけ預かっとーる」



 ヤマト村の人達本当良い人、これは本格的に恩を返さねば




「それは非常にありがたい。そう言えばまだ話してなかったか」



 ここで一通り俺の流れと白服の人の事等をまゆもに話した、嫌な噂の事も含め。

 因みに嫌な噂というのはクリスと親しい冒険者から聞いた話で簡単に言うと白服が連れて来る冒険者はすぐ殉職するというものだ




「うにゅぅぅ……その白服の、敵に違いないぼぅぅん」



 その気持ちはよく分かる



「でも、最初のクエストは大丈夫だったから、ってもしかして白服の人も同行したりとかするのかな?その時が正念場だったりするかも?」



 同行するんだっけ?忘れちゃった…まあいい、それより



「確かこれはハッキリ覚えてるんだけど今住んでる俺のアパート的な所は俺の所属するパーティーは使っていいって話だからお金節約のためまゆももこっちに移っちゃうのもアリだぜ」



 勝手に決めていいかは…どっちか忘れたけど



「うわーい、いーくいーく、タダとまーる」



「そういやそういう話だったね、私も移ろうかなぁ」



 実家のが楽とは言ってたけどギルドまでかなり近くなるからクリスの気持ちもわかる。

 そんな感じでまったり食事を楽しんでたら、うるさく話してた訳では無いが別の席で飲んでたであろう冒険者が絡んできた。


 ここで生前の事を思い出した。俺は……説明のしようがない話にはなるけどとにかく敵視されやすいのだ。

 なんと言えばいいかわからんが初見から敵視されたり目の敵にされたり変に対抗されたり等されるんだよ。

 勘違いだったり思い込みが過ぎたり自意識過剰だという可能性も勿論あるのでなるべく決めつけてはいなかったが40年も生きると流石にあらゆる観点からそれが気のせいでは無い位はわかる。

 ただそれを誰かに話そうにもそれこそ気の所為だったりそんな事無いと言われるのがオチだったりする。

 その時点でこちらの意見を丸潰しされてるのでそういうことなのだろうと悟った次第だが。 

 この話に対して仮にでもいいので俺の言い分がその通りだとしたらどういう生き方になってくのかとか理解者が…いや過去の事あまり語りたくないな。

 それに人のせいにする事が間違ってるというのは晩年には深いところで理解したのだ。


 それより今だ、そんな俺は嫌われ属性とでも言おうか、そういう属性を持ってる訳だがどうやら異世界でもそうなんだと…バイトしてる時からそんなんじゃないかと分かってはいたけど、どうやらこればっかりは生前と変わらないらしい。

 ヤマト村じゃ全くそんな事は無かったからつい気が抜けてたけどこれからは気を付けないとな。

 ただ問題は…こんなふうに嫌われ属性の俺、トラブル率が何となく高めなクリス、突拍子もない事をしだすまゆも、もしかしてトラブル多発パーティーだったりしてしまうのではないだろうか?上手いこと立ち回るようにしないとだが何でもかんでも大人しくして遠慮するというのも違う、その辺りはもう第二の人生だから後悔無きようにしよう



「酒臭いなぁ〜、寄ってくるなよぉ」



 クリスも応対するというよりはやり過ごそうとしている。喧嘩っ早いだけではないようだ



「うるせぇ、お強いヤマト村の娘利用して儲けてるなんて冒険者の風上にも置けねぇな」



 やはり周りからするとそんな目で見られてるのか。周りのヒソヒソ話の中でチラッと聞こえたがあの犬ころは強い部類ではないがその集団でいる特性等、厄介さは初心者が1日で一網打尽に出来る内容では無いっぽい。

 ここの常連冒険者からすると俺とクリスがお強いまゆもを利用して上手い事やってると思われるのも仕方が無いか。

 そう、今日で言えばある意味その通りだからだ。俺だってそりゃあんな犬ころわけないのだが今日一網打尽にしたのはまゆもでクリスは2〜3体で俺は0…なる程、クリスが喧嘩吹っかけないのもそういう事か



「みーくん、出ようぞ」



 まゆもが素な顔をして言ってきた。この子は結構人見知りっぽいな。この絡んで来た荒くれっぽい奴に話し掛けられてもだんまりだし



「おいレベル3、お前それでも男かよ?女の影に隠れて」



 ハッキリ言ってこんないつでも肉塊に出来る雑魚に多少馬鹿にされたとて気にも止めないが多少はイラッとする時もある。

 なので睨み返そうとする瞬間、クリスが強面さんの胸ぐらを掴み出した



「おい、私の仲間の侮辱は止めてもらおうか」



 クリスさん、良い子なんだけど多分あなたこの後の返答次第で殴りますよね



「何だこの小娘、1度痛い目…いや気持ち良い目にあわな」



「はいクリス様ストップ」



 案の定殴りそうになりました



「止めないでよみーくん、こんなのは1度わからせないとダメなのさ」



 うんうんそうだね



「そうそう、弱いの見られたく無きゃそうやって引いて大人しく縮こまって」



 出来れば相手の体には触れたくない。触れるだけでその人の力強さとか単純な強さってわかる時があるからだ。

 俺は出来ればどうでもいいやつには強さとか知られたくないのだ。

 だっていちいち絡まれたりしそうだし対抗されたりしようものなら面倒だからね。

 でもこれは仕方ないので後頭部付近の服を掴んでクリスから引っ剥がしてやった



「宴も酣、クリス様、そろそろ帰るですぞ」



「たけなわ?なんだいそれは?」



 こっちの言葉って100%通じるわけでは無いのね



「おいコラ、話はまだ」



 というのをスルーしてその場を後にした


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