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砂漠の紅華  作者: 馬来田れえな


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ないしょの相談

ほどなくして、私はハビエルをお茶に誘った。


彼は気の置けない茶飲み友達になっている。

 

ライリカとナダを呼んでくれた事、

 

ミアとシャフィを手厚く葬ってくれた事、

 

アディスに知恵を授けたのは彼だと分かっていたから。

 

お礼を伝えたかったのだ。


そして、あの事を相談すると決めていた。

 

ハビエルは、礼など不要だ。

全ては主であるアディス様のため。とだけ言った。

 

相変わらず固い男である。


しかし、だからこそ信用できる。


「ハビエル。一つ相談があるんだけど……」

 

うかがいましょうと姿勢を正して

ハビエルが聞く体勢に入る。

 

私は努めて分かりやすく説明した。

 

私がここへ来た時、

女性の声に導かれた事。

 

その女性は誰かも分からない事。

 

声に導かれて、

そのまま砂漠に倒れていたところをシャフィに救われた事。

 

私が話し終わっても、

ハビエルは相変わらずの無表情で反応がない。


「ごめんなさい。気味悪いよね。

私、記憶失ってから少しおかしいのかもしれないな。

ごめん。忘れて!」


「いえ……呪いやまじないの類ではありうる話かと」


 「……呪い?この国には呪いがあるの?

そんなの、まるでファンタジーじゃん」


「なにをおっしゃっているのかよく分かりませんが、

呪術を扱えるものは少なからずいます」


私が黙っているのを無視して、

ハビエルは続ける。


「一旦、調べさせていただけますか?」


「え。あ、信じてくれるの?」


「?当然でしょう。

マリナ様を疑う道理がありますか?」


「ああ、、ありがとう」


「では、私はこれで失礼させていただきます。

何かわかりましたらお伝えしますので」


「待って!」


「……何か?」


「あの……アディスには絶対言わないで」


ハビエルが困ったような顔を見せる。


やっぱり、速攻アディスにチクるつもりだったんだな。


「やめて!アディスに言ってほしくない。

本当に心配させたくないし……

っていうか、私の頭がおかしくなったって思われたくなくて。

…幻滅されたくなくて」

 

言えば言うほど恥ずかしい。


顔が赤くなってくるのが分かる。

 

ハビエルは何かを察したようなそぶりをして 

「分かりました。現時点ではアディス様に黙っておきます」


現時点では、に引っ掛かる。


「しかし、なにかマリナ様に危害が及ぶような可能性が

ほんのわずかでもある場合や状況が変化した場合は、

アディス様にすみやかに報告させていただきます。

よろしいですね?」 

 

はい、としか言えない。


圧力しか感じない。


「……はい。それでいいです」


「これでも譲歩しています。

私はアディス様に隠し事をするのが大嫌いですから。

それでは、ごきげんよう」


そう言うと、ハビエルは出ていった。

 

まあいい。


とりあえずはアディスに黙ってくれるだろう。

 

ハビエルは約束を守る人だ。

 

ハビエルのサポート無しに、

声の主について調べることは私にはできない。

 

良しとしよう。

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