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初心者でも世界を創れますか?  作者: 陽菜
第一章  独り暮らし満喫編
9/41

エンデワースと私の関係性と一考察

タイトルは小難しいですが、内容は短いです…。

お気に入り登録して下さった方、本当にありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。

 


『新菜、頑張ってる? 家は気に入ってくれたかしら?

 最初はもうちょっとシンプルにしようかと思ってたんだけど、あれもこれもと思っているうちにあんな風になりました。貧乏性かしらね?


 補足しておくと、家の家具や設備は新菜の魔力に反応して動いてるわ。だから新菜の使い勝手がいいように変化するし、新菜しか動かせないの。


 警備(セキュリティー)の都合上、家の敷地内(家を囲む植え込みの中)には新菜に害意をもたらすモノが侵入できないように特殊シールド(不可視障壁展開)もかけられているわ。元々貴女がいる山頂エリアはエンデワースでは神域になっているから近づけないのだけれど、何事にもイレギュラーの可能性は無視できないので。

 あ、でも山頂エリアで敷地内以外の場所(森とか川とか)はエンデワースに生きる動物達が繁殖しているはずよ。これは貴女がスローライフを楽しんでもらうための措置だから、生態は同じなんだけど生息数は一定管理されてて狩りをしてもまた再生(ポップ)します。神域(山頂エリア)はエンデワースであってエンデワースではない、特殊な貴女のよく知るゲームのような場所だと思って頂戴。


 人型の地域への移動に関してなんだけど、そういう影響で貴女が自力で行くことは不可能です。なので敷地内の門を特別仕様にしました。普通に通れば山頂エリアに出るのだけれど、貴女が人型の地域に移動したいのなら、各々の地域に名前を付けた後門の前でその名前を呼べば、門が目的の地域へと開きます。

 移動先が街の中ではなくて一番近い森とか山の中になるのは許してね?


 植物に関しては、神域ではエンデワースにある植物はすべて自生しているはずですし、こちらも管理されているので再生(ポップ)します。敷地内の数は別扱いだから、採取して畑で増やしてもいいのだけれど…一応種も送っておくわね。貴女のパッシブスキルで収穫できるのはすぐだと思うし。


 その他の事で困った事や欲しい物があったら、いつでもメールしてね。

 こっちは時間が流れないから、管理する以外はする事がなくてつまらないのよ・・・。私の力は大きすぎて貴女のように世界に降りる事も出来なくって。


 楽しい報告を待っているわ。じゃあ、またね』





 自宅に関するからくり屋敷の謎は解明されたわね。私の魔力に反応してるのか・・・なら私のサイズに合わせてくれるのも納得できる。

 あれ?って事はこの家は私の魔力を使って動いてるの? ステータスでMPは∞無限大だったから切れる事はないんだろうけど、それを言うならエンデワース自体も私が創ったんだから私の魔力がエネルギーになってる? じゃあもし私が人型の地に行って、万が一傷ついたり死んじゃったりしたら、エンデワース自体が死んじゃうの?!


 思い付きに血の気が引いてしまったけれど、我に返って改めて考え直す。


 よく考えたら、元々の基盤はアランニール神(めがみさま)が創ったんだし、私はその運営管理人みたいなものなんだから違うか。

 それにあのチート山盛りの過保護っぷりじゃ、傷つきもしないだろう・・・。ほっといたら女神様の思いつきで新たなアプリやチートな道具が贈られてきそうだし、そうじゃなくても、アプリのアップデートもされそうだし・・・。


 ドラ〇エやF〇で最初の村に降り立った途端、ラスボスに対応できる最強装備を渡された気分・・・。


「初期村で、ちまちま地道に頑張るの、好きなんだけどな・・・」


 本日何回目かのため息が、無意識のうちに漏れたのだった。





「そろそろ名前を決めなくちゃね」


 タブレットをもったままエンデワースの前に移動した私は、めまぐるしく発展していく人型達の国を見つめた。

 まだ少し大きめの街ぐらいで国ではないけれど、一応種族別に地域があるわけだし、何がいいかな~。


 元々タブレットに入っていた地球版検索アプリを見ていて思う。

 ん~名前考えるのって難しいんだよね・・・、それらしい色の名前にしよう。さっそくWikiを立ち上げる。

 そういう訳で、人型の国の名前は、地人族=ローシェンナ、獣人族=ウィスタリア、魔人族=バーガンディー になった。

 エンデワースの設定を立ち上げてそれぞれの地域の名前を打ち込んだ。


 ポゥン。

 柔らかい音がして、設定画面に新しく表示された。エンデワースの上でその地域に指を持ってくると、勝手に名前が表示されるようになる。


 人型達はエンデワースの大地の上で、ころころと働いていた。

 魔人族の人型達の中で魔術を覚えた者がいるのか、その魔法を使って鉱物を採掘している。さすが知力に優れている魔人族、文化の発展も他の二つよりも少し早いみたい。

 地人族はのんびりと畑を耕し採取を続け、着々と食料を貯蔵していた。アリとキリギリスで言うなら、アリみたいな感じかな?地道に頑張ってるね。

 獣人族達はもちろん働いてもいるんだけど、海とか山で体を縦横無尽に動かして楽しんでいるみたい。有事に備えるっていうよりは、生きていければいいっていう感じに近いかも。そういう意味では楽天的というか無邪気というか・・・。


 全てをひとくくりにする訳ではないのだけれど、各種族はおおよそそういう気質らしくて思わず笑ってしまう。

 順調に育っているみたいでよかった。大きな修正もしなくていいみたいだし。



 私は再び丸テーブルの前の椅子に座るとタブレットをPC状態にし、女神様に報告メールを送るべくキーボードを叩き始めた。


 目が覚めてから今日一日の行動、チート能力にびっくりした事、家の素晴らしさに感動した事、明日から何をしようかとわくわくしている事。女神様への感謝の言葉も織り交ぜつつ、文字を綴る。

 今は独りなのは寂しいけれど、そのうち人型達とも交流できるだろうし、何より私には女神様がいる。会えなくても、心配してくれている温かさをどこかに感じられる。


 人型達にとっても、そんな存在になれたらいいな…。


 つらつらと考えつつメールを完成すると、一通りチェックしてからエンターキーをタップして送信する。


 ピロロン。<アランニール神 へメールを送信しました>

 確認してから、タブレットの画面を閉じる。イスから立ち上がって両手を思いっきり上へと突出し、う~~~んっと伸びをした。

 窓から外を見ると、真っ暗な夜空にキラキラと小さな光が瞬いている。エンデワースの外に星の設定はしていないけれど、もしかしたら女神様が管理している他の世界なのかな?


「女神様、今日も一日ありがとうございました」


 空に向かって両手を組み、目を閉じる。

 直接話せるわけではないのに、女神様が微笑んでいるように見えた。


 明日も頑張ろう! 

 私の足は今日を終えるためにベッドへと向かったのだった。










最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。

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