6日目
6日目、運命の日
『…………6日目。1月22日。もう、零華はいないけど続けます』(画面は荒れている)
『もう、こんなに荒れちゃったよ。情けないな。ボクももう、研究は無理かな』(男性は左腕を失い、右目を失い、身体中に怪我を負っている。周囲も荒れ果ているが、機能は、機械は生きているようだ)
『……研究所の存在が国にバレた。今日未明に研究所に軍が来て、全てを破壊していった。……何でバレたか、もう分かんないな。もういいや』
『鬼畜で、犯罪者で、反逆者で、人でなし、ろくでなしだってさ、ボク』(男性は額を押さえながら、小さく笑みを浮かべている)
『……ボクも明日には殺される。今日、出頭命令が出た。拒否したら、殺されるんだって。ははっ、出頭命令なんて従うわけねぇじゃん、バカかよ、あいつら』
『はぁ、死ぬんだなぁ、ボク。もう少し生きられると思ったんだけどな』
『……零華はある場所に送った。零にそれを任せた。絶対、零ならやってくれるから。……良かった』
『………………一人にはなりたくなかったなぁ』
『……いや、一人でいいや』(男性がカメラに近寄る。その瞬間、誰かの怒号が入る)
動画はそこで終わった。
最後、花宮一は苦しそうな顔をしていた。でも、怒号が入った瞬間、驚いたような顔になっていた。
何かがおかしい。違う。違う。
「オレが、いない?」
この動画が、オレが今、見ている過去の映像が本当ならば、この動画がオレと花宮一の過去ならば、ここで自分は研究所から消えていない。
オレは7日目まで研究所にいた。
その記憶がある。
なら、動画のなかの、過去のオレはどこに行ったんだ……?
オレの記憶と確実に違う記録。オレがいない、6日目。




