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おまけ

 謁見の場で拘束され、兵士達に、両脇から持ち上げられ、引きずり出された二人は……。



 国境へ向かう牢付き馬車。


「何故こんな事になっているの! ママ! 何とかしてよ!」


五月蝿(うるさ)いわね! アレク、私も何が何だか分からないわよ! そこの貴方達このロープをほどきなさい! 私は王妃よ!」


「そうだ! 僕は王子だぞ! お父様が間違えただけだよきっと、後でちゃんと間違いに気付くから早くロープを外すんだ!」


 御者をしている兵士が答える。


「いえ、決定には間違いはありません、この馬車で国境までは送りますので、お静かに」




 2週間の時間をかけ、国境まで送られた元王妃と元王子。この頃になっても王族気分が抜けず、兵達にあれしろこれやれと五月蝿く言うが誰も取り合わない。


 それどころか、着の身着のまま2週間である、その間牢付き馬車からは1度も降りず。


 本人は分かっていないかも知れないが、相当なものである。


 何が? とか聞いて欲しくない、馬でさえ馬車に繋ごうとすれば嫌がるレベルである。


「おい! 夕食はまだか! グズグズするな!」


「ワインはありませんの! 何故私が水ばかりを飲まなくてはなりませんの!」





 明日に国境へ到着。近くの街で水魔法の使える者を数名雇い、元王子と元王妃に牢内に水の玉を作ってもらい、無理やりお風呂状態にしておく。





 翌朝、元王子と元王妃は服を牢の外に放り出してあるのを見付けたが、水の玉は汚れで濁っており、おそらく裸だとは思うが……その姿は見えない。


 汚れた服は燃やし、牢の水がない部分に、奴隷用の服を置いておく。


「何だこの服は! こんなもの着れるわけがなかろう! 別の服を持ってこい!」


「汚らわしい! ドレスを持ってきなさい! それと朝食はまだなの! 早くなさい!」





 そして、国境に着き、水を排水すると一応肌着は着ていたようだ、もう一度奴隷用の服と奴隷の腕輪を牢に入れる。


「だからこんな服は着んと言っているだろう! ん? 腕輪か、シンプルな物だがこれは嵌めてやろう」


「そうですね、服は早急に交換なさい! 腕輪は仕方ありません、無いよりは良いのかも知れませんね」


 そう言い腕輪を嵌めた。


「その服を着なさい、命令だ」


「私に命令をするの、不敬罪ですよ、あら、どうして私はこのような服を着ていっているのかしら?」


「ん? ママ、僕もこんな服は着るつもりは無いのに勝手に着ていくぞ?」




 ここはもう国境砦の外である。


 服を着終わった後牢を開け、出てくる様に命令。


 そして――


「次の街まで歩いて3日だ、2度とこの国には戻るな、命令だ」


「ん? 何を(たわ)けた事を! ん? 何故歩き出すのだ? おい、どうなっているのだ!」


「嘘っ、靴も無いのに歩けるわけが無いでしょう! 靴を持ってきなさい! え、どうして歩くの、こら! 馬車に乗せなさい!」





 馬車は方向を変え国境の門をくぐり、元王子と元王妃は裸足のまま歩きだし街道の先に消えていきました。





 後日確認したのだが、次の街の入門記録によると、その2人は入門していないとの事で、おそらく……。





 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




「カオス、お仕事ですよ、起きて下さい」


 あの後、私は済し崩し? 有耶無耶のまま? カオスのお屋敷でお世話になることになりました。


「こら! 起きなさい! 朝ごはん抜きにしますよ!」


 それも、お父さんとお母さんも、元々このカオスの従者で、偶々(たまたま)この国に寄っただけだとか。


 私が産まれた事によって、仕方無くバイトで王城に働きに入り、私が王子の遊び相手に選ばれ、こんな事になったらしいです。


 そして、晴れて首になった今は、この屋敷で執事と、料理長として働く事になった様です。


「はぁ~、カオス、起きないと、ちゅうしちゃうよ~」


 何と言うか、崖から落ちかけたところを、……落ちたのですが何か。


 拾い上げて助けて貰った事もあるのかも知れませんが。


 いえ、助けてもらいましたが何か。


 それに、大ファンのジョニー・デップ様に似ていた事もあるのかも知れませんが何か。



 この怠け者で、魔王で、ドラゴンなカオスを私はたぶん好きになったのだと思います。





 これがたぶんおそらくですが、初恋なのだと。



 まだ目を開けないカオスに寄り添い、顔にかかった髪の毛を正し、頬に手を添え見つめてしまいます。



 だって、こんなにも······(いと)おしい。



 ちゅ


友人から、中途半端過ぎるから後日談書け!

とお叱りを受け、『おまけ』として貼り付けておきます。


皆様お読みいただきありがとうございました。


初めての、恋愛を書く事になり、思わずドタバタコメディーになった事も自分自身驚きました。


シルフィが、カオスが勝手に動き回るキャラになってしまったので、私には手の施しようがありませんでした(作者やろ!)。


処女作も完結し、二作目はまだまだ途中、このキャラはまたいつか、恋愛ではなくファンタジーで書いてみたくなりました。


では、これで本当に完結です。


失礼いたしました。

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