〜おはよ〜
おはよう御座います。
無事、朝を迎えたようです・・・・・・・・
只今、私・・・全裸でございます・・・・・・・恥ずかしい・・・・
しかも・・・自室への帰り道で・・座り込んでいます・・・・・
まぁ・・・ご存知の方も居られると思いますが・・・・・
はい。昨日蛹になりまして・・・寝てしまったわけですが、
起きたら幾分息苦しかったもので、強引に皮の薄い膜を破り、脱皮いたしました。
其の際に・・着ていた服が全て破れてしまいまして・・・・
流石に巣の中とはいえ・・局部を抑え悶ております。
・・恥ずかしさで・・心が壊れそうです。
因みに・・・・脱皮の際に確認をいたしましたが・・・頭髪は全て抜け落ちております・・・・
現在・・・・つんつるてんです・・・・二重に恥ずかしいってか・・・
頭を隠すのと局部を隠すので・・手一杯・・
・・美味いことを言ってるわけではありません・・・事実です。
さて・・・ヘキサを問い詰めるか・・?
だが・・自室の王次郎のが・・気になってしょうがない・・・・一度戻ろう・・・
俺は、前かがみに成りながら頭と局部を手で隠し・・急いで自室に戻る。
「王次郎!ただいま!・・まる一日放置しちゃってごめん!」
『ママー!おかえりー!』ドスドスドス・・・
「・・・・・・え?」
『んー? どーしたのママー?』
・・ちょっと・・・・・・展開早くないか?・・王次郎・・・
「王次郎・・・・羽化しちゃったの・・・・・?」
『うん!』
王次郎が羽化していた・・・早すぎる・・・
「王次郎! まだ・・蛹に入ってなきゃ・・だめでしょ?」
「ぶー! だってー・・つまんないんだもーん』
「・・・つまんないって・・・・そんな・・・」
・・・・つまんないからって・・・蛹を途中で・・・辞めれるものなのか?
・・・
「王次郎・・ちゃんと全体見えるようにして・・・ママ心配で・・・」
『はーい!』
王次郎が其の場でクルクルと回る。
・・・・・・・これ・・・どう判断したらいいんだろ・・・?
・・蜂ってさ・・・完全変態だよな?
・・・王次郎・・・それは・・・・・・・・
「王次郎・・・。」
『?? どーしたのー?』
「いや・・いい。 それよりも早く羽化したな!すごいぞ!」
『でしょー!みてみて!足生えたの!ちゃんと歩けるよ!』
・・・うんうん・・そりゃ歩けるわ・・・だって・・
王次郎・・・それは、不完全変態だよ・・・まだ幼虫と成虫の間だわ・・・
そりゃ・・羽が不完全なわけだよ・・・
「でも・・王次郎・・前より少し痩せた?」
『そーかなー?あんまりわかんないやw』
・・・反応も・・中身も若干成長してる・・・なにこれ・・
え?・・・ソードヘッドの王子って不完全変態なの?
・・・もしかして・・・・・・自爆蜂って・・・不完全変態の中の若虫の段階で止まってたんじゃ?
・・・そうかもしれない・・・・だが・・他の蜂達は・・完全変態なんだよな?
なんでだ?・・・不思議なこともあるもんだ・・・・
『ママー? なんで裸なのー?』
「・・・・・・・・・・・・こ・・これにはね・・事情が・・・・」
『ママー? なんで頭がつるつるなのー?』
「・・・・・・・・そのうち・・生えます!・・・きっと・・・」
『ママの触覚って長いんだね!おもしろいー!』
「・・・・・・長い?・・・えっ?」
俺は王次郎の指摘で今更気づいた・・・そうだ・・触覚!
慌てて、頭の辺をさわるとコメカミと目尻の間、その上の額の辺から触覚が伸びていた・・・
・・・・・・・触覚・・・生えたな・・・・
まだ・・触っても感覚が無い・・・使うにはもう少しかかるのだろうか?
それよりも・・・・なんだ?この長いの・・・・
俺の触覚は、額から伸びてそのまま地面に垂れ下がるほど長かった。
触覚の先を手に取り・・・じっくりと・・・・・・おぃ・・・これ・・・嫌な予感が・・・・す・・る!!!!
この巣には鏡というものが無い。
作れなくは無いのだろうが、必要がないためそもそも無いのだ。
だが、この状況を見るに・・鏡がないと判断できない!・・・いや!したくない!
・・だって・・この触覚・・・・Gの・・・黒いアーモンドの・・・早いやつの・・・・・クッ!口に出したくない!
おのれぇぇぇぇぇぇぇ!ヘキサめっ!なんてことしてくれたんだ!
クッソ!取り返しつくのか?・・・・・つきそうにねーじゃんか!
ヤバイ・・・俺、クズ野郎呼ばわりされてる上にホントに嫌われ者のヤツがくっついてるじゃんか!
ちきしょー!涙で・・・前が・・みえん!
ううううぅぅぅぅぅぅぅ(泣)
『ママー? 大丈夫ー? ボクはママの触覚カッコイイとおもうよー?』
「お・・おう・・・じろう・・・・。 なんて・・いい子なんだ・・・。 うぅぅぅ」
『ママー? だからー・・なかないで〜?・・・じゃないと・・王次郎・・・ うぅぅぅぅ』
「大丈夫・・。 王次郎がついてるから!ママ泣かないよ!」ぐしゅん。
・・・・もうちょっとで・・王次郎がもらい泣きし始めそうだったし・・・
取り敢えずこの場は諦めるか・・・・あとで・・・ヘキサ・・おぼえてろよ!
俺が恨みがましく、自分の触覚を持て余していると、
王次郎の後ろから黄土様がひょっこりと顔を出す。
「・・・・黄土様・・・・・・み・・みないで、ください・・・・」
・・・・・遅かれ早かれバレることでは在るのだが・・・
この醜態を晒している現状に追い打ちは、流石にキツイ・・・
『あら! ニック様・・・・随分、変わった触覚をなさっておいでですね?』
「いや・・・黄土様・・あのですね・・これにはふか〜〜〜〜い事情が・・・・・って?あれ?」
・・ありゃ?・・・・
「黄土様??念話使えるように成られましたか?」
『えっ?・・・私は何時もどおりですが・・・?』
・・・・・ん?・・・触覚か?・・・・俺の触覚の効果・・・もうでてるのか?
・・すげーな・・・こんなにハッキリと・・・
・・感心してる場合ではない・・・・
「・・どうも、触覚が生えたお陰で、黄土様の信号も読み取れる様に成ったようです。」
『それは!すごいですね!・・・・しかし、ニック様は、人間と伺って居りましたが?』
・・・正直、俺も凄いっておもったよ・・・他にも機能が使えるように成ればヤバイぞw
「ええ。 人間ですよ?」
『はて? 人間とは触覚が生える生き物でしたか?・・私の知識不足でしょうか?』
・・・・生えませんよ?・・・黄土様・・・その知識は間違っていません・・・が・・・おもしろくない。
「そうですよ?知りませんでしたか?」
『そうなのですね!でしたら人間とも私は仲良く出来るかもしれません。・・よかった・・不用意な争いも言葉が在ると無いとでは大違いですからね。』
・・・そこですか?・・・・気になる所・・・俺のボケ・・・ツッコンでくれないと・・・・・
・・・・・ノリにまかせすぎた・・・・・黄土様・・・冗談通じないのか・・・・すんません。
「・・・すいません。 調子に乗りました・・・本当は生えません。」
『え・・・。 では・・・人間とは言葉が通じないと、言うことでしょうか・・・?』
・・通じませんね・・・まずムリだろうなぁ・・・
「なんかゴチャゴチャさせちゃったみたいですね・・・ちょっと冗談だっただけですが・・」
「基本的に人間は、念話さえ聞き取れません。・・・触覚が生える人間も恐らく私一人でしょう・・・」
「そもそも、この触覚は、ヘキサ・・”時の記憶”で製造した物を使い生やしたものですから・・・」
・・・・ヘキサ・・ドS系AIだけど・・・かなりの万能力なんでね・・・こんなことも出来ちゃいます。
『そうでしたか・・残念です。 人間は・・・どのようにコミュニケーションを?』
「通常は、声を使います。 あとは・・ボディランゲージでしょうか?」
・・・・・黄土様?・・・ここもツッコミ所ですよ?・・・・・・・
『ボディランゲージとは?』
・・ツッコミなしですか・・・・・まぁ仕方ないですね。・・・・
「ボディランゲージとは、肉体の接触を使った気持ちを伝える手段のことです。・・・因みに人間は基本、同族とでしか行わないと思います。」
・・・・・ツッコミ役がほしいんだが・・・・・・やっぱ、蜂妖精だな・・・・告ったから気まずいが・・・
『・・・では・・ニック様・・・私、新しい身体の条件は人間・・いえ、様々な生き物とコミュニケーションを取れる身体と・・してほしいのですが・・・ダメでしょうか?』
・・・そーきたか・・・凄いな、黄土様・・・・色々と真剣なのかもしれない・・あまり冗談いってる場合じゃなかったな・・・・・すんません。
「・・・・それは・・・素晴らしい考えですね。 しかし、私が知り得る範囲内での生物とのコミュニケーション方法しか取れませんがよろしいですか?」
『構いません! 私は、新しい身体を持つのでしたら・・今まで巣の役に立てなかった分、何かのお役に立てることを望みます。』
・・・・あれま・・・そんなこと考えてたのね。
・・あんまり、黄土様であそんじゃかわいそうだな・・・・
「わかりました。其の点全力を尽くさせていただきます。」
『有難う御座います。」
「つきましては、恐らくですが・・・黄土様? ・・・交渉や会話などを行いたいわけですよね?」
『そうです。今まで私が行える事がこの巣では全く在りませんでしたので、役目を担うのでしたらやはり、交渉くらいでしょうか?・・・・私はお話が好きですので・・』
・・・・いやー・・・まいったわ・・・だが・・そうだな・・・交渉特化の身体か・・・特化ねぇ・・・
・・いい事きいた。・・・色々考えてみっか・・・。
『ママー! 見てみてー!ほらー!』ズズゥゥゥゥゥン
「・・・・・・」
『お・・・王次郎様・・・・・?』
王次郎は後脚だけで、歩いてみたり器用に前脚を使い物を持ったりといろいろ試している・・・最後には、ひっくり返ってワシャワシャしてるが・・・・・・さっきの地響きは・・バランス崩して背中から倒れた音か・・・
「王次郎・・なにやってるの?」
『ボクね。 ママみたいにお手手がちゃんと使えるように成りたいって思ってたの!』
「ほほー・・・。 じゃあ・・俺の真似したいってこと?」
『うん! ママのお手伝いするからね!』
・・・・お手伝い・・ねぇ・・・あまり期待しないでおく・・・なんか面倒くさくなりそうだからね。
「う・・・うん。」
・・・お!そうだ・・・王次郎って、黄土様のことどうおもってるんだろ?
「・・・王次郎・・・王次郎は、黄土様の事どう?」
『ちょ!ニック様!いきなりなにを!・・・・・』ワタワタ・・
『んー? 黄土ちゃんかわいいよー!ちっちゃいし!ママよりちっちゃいの!』
「・・・・・・・」
聞かないほうがよかったか・・・?黄土様?・・・ショックうけてる・・・・
・・やっちまったか?
「お・・黄土様? 王次郎は子供だから・・・気にしないでください・・・」
『え・・ええ。 心得ています。 ・・・・・・やはり、ちっちゃいですよね?私・・・』
・・・・メチャメチャ気にしてんじゃんか!・・・・小さいけど可愛らしい・・んだと思いますよ?
・・正直、蜂の可愛いとか可愛くないとか・・・わからないんで・・・すいません。
『そう言えば、ニック様。まる一日戻らなかったようですが・・立て込んでいたのでしょうか?・・・王次郎様も心配しておりましたよ?』
「あ・・・ああ・・立て込んで居ました・・ってか立ったままでした。 いろんな意味で・・・」
『そうですか・・お疲れ様です。』
「いえいえ・・」
『ママー! ママのお股に芋虫ついてる!王次郎取ってあげるよ!』
「え?」
王次郎が早速、手・・ツメをつかって何かしたかったらしい・・・
お願いだから・・それにさわるの辞めてくんない?
息子に息子がなぶられるのは耐えれません・・親として・・・
「王次郎!触っちゃダメですよ!これは、危険な芋虫です!雄が触ってはダメなやつですよ!」
『えええええ!怖い!・・・王次郎・・・触っちゃった・・・・・』
「ちょっとだけだったから大丈夫だと思う・・・・」
『でもでも!ママは大丈夫なの?』
「ママは、人間だから害はありません。安心してね?」
『そっか・・・でも・・・その芋虫・・・・美味しそうだよ?』
「食べちゃだめだからね?・・・これ食べちゃおうと・・ママもう生きていけないから・・・・」
『そっか・・・。しかたないかー』
『王次郎様。では私が取ってみましょうか?』
『いいのー?』
「よくないですよ!」
「黄土様も何手を出そうとしてるんですか・・・これ人間の生殖器ですよ・・まだ発展途上ですけど・・」
『!!!!そうだったのですか!・・・・・・知りませんでした・・・・すみません・・・』
・・・いやね・・恥ずかしそうに・・してるんだろうが・・蜂の表情・・あまりわかんないんだよ・・・それより、年頃の雌が不用意に生殖器に手をだそうとするのは・・・いかがなものか?
「・・・・・・・まぁ・・・いいです。」
「それより、主様戻ってない感じですか?」
『主様ですか?・・まだ戻っておりませんが?』
『おじちゃんもどってないよー?』
「そうか・・・深緑様の所でベロベロかもしれないな・・・・・」
『呼び戻しますか?』
『ボクよんでくるよ!』
「いや!いい!呼び戻さないでいいよ・・・ややこしくなるから」
『そうですか・・・』
『おじちゃんいつも酔ってるからねーw』
・・・聞き捨てならない事を王次郎が言ったが・・・・まぁいいや・・・・
「さて・・王次郎の事も確認出来たし・・・黄土様・・少し仕事にもどりたいですけど・・王次郎の事任せちゃっても・・・・?」
『私は構いませんよ?』
「王次郎は? 黄土様と一緒にお留守番できる?」
『うん!ボクね。 黄土ちゃん好きだよ!一緒に居るとたのしいの!』
『お・・王次郎様・・・』ポッ
・・・・・・・・ポッ・・って表現なのだろう・・・・なんか頭かかえてもがいているが・・・
「じゃぁ・・少しでてきます。仕事が立て込んでいましてね・・取り敢えず姫様方の番の件早急に片付けないと・・・」
『わかりました!お気をつけて行ってらっしゃいませ!』
『いってらっしゃーぃ!がんばってね!ママー!』
「おうっ!」
俺は、黄土様に王次郎を任せて部屋をでた・・・・・・
あ・・服着るのわすれた・・
急いで戻り予備の服を着て、研究室へむかった。




