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~ローゼティアさんの嘘つき!~

みじかい

只今俺は蜂の巣の蛹室でハチミツまみれになっている・・・


・・・どうしてこうなった?


部屋の外で主様が俺の醜態を見て笑い転げてる。


(なにわろてんねん!)

(元を正せば、女王に俺が王子です!って言い切ったオマエがいけないんだよ?)

(俺、蛹にならないし、羽化しないからね?ムリだよ?人間だし・・)

(え?オマエも一肌脱げば立派な蜂になれるさ?・・・)

(てめぇ!・・・・笑ってないで、オマエが代われよ!)

(どーすんだよ!こんなにハチミツ漬けにされて・・・)


・・とりあえず、この状況なんとかしなきゃ!

主様がいるとろくなことにならん。




蜂の巣に連れてこられた俺はまず、巣のデカさにビックリした。

岩で出来た山か丘といえばいいだろうか?城って言われても不思議じゃない。

そして至る所に亀裂の様な物があり、そこから働き蜂が出入りしている。


働き蜂だけで、普通に俺よりデカイ・・ってか働き蜂は角一本で短めだった。


・・・ローゼティアさんは、一つの巣で大体200匹くらいしか居ないと言っていたが、どう見ても100や200じゃ収まらない数がいるんだけど・・・絶対1000超えてるよ!だって働き蜂だけで1000いそうだもん!・・あれ?ローゼティアさんウソついた?5倍超えてるんだけど・・・


俺は、呆然としてるなか兵隊蜂に掴まれたまま巣の中に連れ込まれた。

普通の蜂なら巣の中では歩くはずなんだけど、この蜂達は普通に通路を飛んで移動している。

ちゃんと、整列して右側通行で移動しているようだ。


社会性も高そうだな・・この分なら女王は知能が高そうだし・・交渉も可能か?


巣内の作りはとても有機的な作りになっており色合いも「金属じゃないのこれ?」と思うほど硬質感が半端ない、通路の作りも単純に直線的な物ではなく、ウネウネとしていた。


これ、元の世界の有名な画家がデザインしたんじゃないか?と思うくらい金属的であり有機的な物だった。


気分はまさにエ◯リアン!そんな世界観に浸ってる中、王室らしき場所に付いた。


なぜ王室とわかるかって?

だって兵隊蜂よりずっとデカイ蜂が門番が二匹居る間を通ったら広間についたんだから・・

たぶんそうだろ?


あのデカイのが、近衛兵か?


俺が近衛兵を興味深く見ていると、兵隊蜂が俺を下ろす。


・・この床ふわふわしてるんだ・・外見にはそう見えなかったが・・凄いなこれ・・・


王室の床は高級絨毯のようにフワフワしており、なかなかによい代物に見える。

デザインはやっぱりギーガー調だったが、これはコレで意外性があってたのしい。


絨毯の感触に意識が向いていて気づかなかったが、いつの間にか俺達の前の方に巨大な・・・蜂?・・・に見えない物がそこに鎮座していた。女王蜂だろう。


・・・絶対蜂に見えない。

ってか、アレ前世で見たこと有るよ映画で!

ツーだよね?二作目に出てきたやつ!絶対女王だよ!



・・・これさ・・俺展開よめてきたか?・・・

きっと、卵から出てくるなんかデッカイ手の平みたいなやつに顔を掴まれると、

腹から王子が食い破って出てくるやつだよね?

多分そう云う流れでしょ?これ?



(・・主様、助けてよ・・・ここまで生きてこられたんだし、なんとかできない?)

ッチ・・ヤツ聞いてないし・・


俺、結局ここで終わるかもしれんなぁ・・・うぅぅ


『おお!王子よ!よく戻られた!』


ん?今の念話誰?・・・女王様か?


『そなたが戻ることで我らも安泰だ!一時はどうしたものかと思っておったぞ』


「・・・・・・・・」


『どうした王子よ。妾がわからぬか?』

『ふむ・・外界で過ごしていたせいなのだろうか・・?』

『ささ、近うよれ 元気な姿を見せておくれ』


・・・むりだって・・・王子じゃないし・・ばれるだろ!

(!ってか兵隊蜂おすなよ!)

(・・・主様!フリとかいうな!フリじゃないからな!)

(ちょ・・・マジでおさないで・・むりだって!絶対バレる!)


『どうした?なぜ来ぬのだ?』

『・・・はよう、近うよれ』


(ちょw主様もおすなよw)

(ん?怪しまれてる?このままだとヤバイ?)


(そんなのわかってるよ!でも、どーにもならんだろ!)


ちょw・・あっ・・・


俺は兵隊蜂と主様に押されまくって、女王様ので突っ伏した。


もうだめだっ!

絶体絶命だと思い、俺は最後に一花咲かせるつもりで顔を上げる。


女王は顔を俺のすぐそばまで近づけ見ているようだが・・あれ?目がないぞ?


『おお!可愛い我が子よ!よくぞ戻ってきたのぅ』

と言いながらご満悦な雰囲気だった。


・・・え?・・・なぜバレない?


俺が疑問に思っていると、主様が女王に歩み寄り何やら話し始めたようだ・・・・・


『ふむふむ・・そうか・・其のような事が有ったのか・・・ふびんよのぅ』

『王子よ。此方の偉大な方よりお話が有ったと通り、人間の様な匂いがするとは思っておったが、其のような過酷な日々を生き抜いたのだな!』


女王はそんな事を言うと顔を上げ、何やら甘ったるい匂いを出し始める。

『皆のものよ!王子が無事生還を果たした!ゴブリン共より受けた仕打ち許さいでか!』

『コレより、兵を挙げゴブリン共を根絶やしにする!』

『戦闘準備じゃ!兵よ!出陣せよ!』


・・・え?・・・ゴブリン?・・・出陣??


(主様?なにを吹き込んだの?・・・・・・・・)

(ふむふむ、ゴブリンにさらわれて、人間の生贄を育てるために日夜体液を搾取されたと・・?)

(人間臭がするのはその時の生贄の匂いが染み付いたからだろう。だって?)


(・・・いいのかな?これ・・・)

(なになに?こうでも言わないとホントに食べられていたかもしれない?)


・・・マジか・・・主様ありがとう。助かったわホント



こうして、俺は蜂の王子扱いを受けることに・・・

幼虫って認識らしく、蛹室につっこまれて元気になれと言わんばかりにハチミツを撒き散らされ

現在に至るわけだが・・・


このままここに居たら何時まで立っても羽化しないし、人間ととバレるんじゃないかな?

何より、ハチミツだけでは生きていけない気がするw


さて・・・どうしたものか・・・巣からおさらばするには・・・

やっぱり女王を説得しないとダメかな?

それとも、他にいい方法ないかな?


(主様、何かいい方法ない?)

(ん?しばらくはここにいよう?)


(いやいや・・早めに逃げないと人間ってバレるだろ?)

(・・・なんとかなる?)


(なんとかなるって・・・なんともならないだろ・・絶対ばれるって!)

(そこをなんとか?・・・・しばらく居たいだって?・・)


(なんでそんなにここに居たいの?)

(え!?・・・女王候補の蜂達とイチャイチャしたい?・・・・・・)


(・・・・・お前・・・アホだろ・・・)


だめだ、主様は役にたたん!

俺がなんとかするしか無い・・・なんとかできるのか?


やはり女王を説得するのはムリだろう。

他の打開策が浮かばないのも事実、やはり情報が少ないのがネックだな・・

しばらくは、情報収集しながら暮すしかなさそうだな。


俺はハチミツを舐めながら情報収集に励んだ。

・・!っ・・あっまっ!・・・・甘いの通り越してないか?このハチミツ・・・


そして、ハチミツに浸かってねることはできないことがわかった溺れる・・・

なので、室の隅にあるハチミツが侵食していないエリアで夜をあかすことが日課になった。


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