■不愛想な男の夢3
サークルは相変わらず、人員が集まらない。
だが、小規模サークルだからこその良さもある。活動は非常にコンパクトで無駄がない。
一人一人がすごく親密というのも長所だろう。
このままでも困ることはない。強いて言うなら、学校内での存在感が薄いこと。大学で人に出会う限り「どこのサークル入ってるの?」という質問は避けられない。そこでフォトサークルと言えば、たちまち「そんなサークルあったんだ?」という反応が返ってくる。
本来であればそこから会話が広がるはずなのだが、他の話題にすり替えられるか、そこで会話が終了するのだ。
リーダーの彼女によると本校では「3人未満のサークルに対して原則半年以内に人数が増えない場合、サークルとして活動する許可を取り消す」としている。これ以上メンバーが減らない限りは大丈夫なのだが、多いに越したことはないのだ。
「何かしら目立てば、興味を持ってくれる人が出てくるんじゃないですか?」
「そうだねー。でも、残念ながら目立てるようなサークルじゃないのよ」
「サークルでイベント開くのはどうです?」
この大学では、在学生、近隣の小中高の生徒、そして一般向けにワークショップのようなものを開けるようになっている。
工学から科学、教育、果ては医療や介護分野までをカバーする大型総合大学であるため、生徒主体のワークショップや教授を招いた講演など、幅広いイベントを行っている。
「イベントねー。この人数でできるとすれば、展示くらいかな・・・もっと多ければ、教室みたいなのを開いてもいいんだけどね」
「展示でも、なんでもやってみましょう!何か変わるかもしれませんし」
「そうだね。やってみようか」
なぜかやる気になっていた。数週間前までカメラを触ったことすらなかった俺は、いつの間にかサークル活動に本気で取り組むようになっていた。
こんなに打ち込むのは何年振りだろうと思うくらい、それは俺の性に合わないことだった。




