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ファインダー  作者: 福山直木
フィルム ~それぞれの活動報告~
10/74

●とある写真家の憂鬱2

バイト先に貼られていたポスターに目を留めた。

「ラッキーフィルム フォトコンテスト 作品募集中」

大手メーカーが主催する大きなコンテストで、ここから多くのプロを生み出している。

興味が無いわけではないが、まだまだ経験不足の私では到底無理だと思った。


「マユちゃん、参加してみたら?」写真屋のおばちゃんはポスターにくぎづけになっている私に提案した。

「いえ…個展も控えてますし・・・」と遠慮した。

「でも、優秀賞20万よ」と真面目に言う。


「金に目が眩んでるじゃないか。まったく・・・」

会話を聞いていた写真屋のおじさんが呆れる。


その日はずっと、そのことばかり考えていた。賞金に目が眩んだわけではない。

もしかしたら、何かが変わるかもしれない。そんな気がするから。


バイトから帰宅し、コンテストのサイトを見てみた。いろいろな部門があることを知った。

プロへの登竜門であるプロフェッショナル部門に、人物、景色など被写体別に賞が設けられたアマチュア部門。そして、小中高の学生を対象としたスクール部門がある。


プロフェッショナル部門は、2つの受賞枠しかなく、相当な狭き門だ。

しかも、指定のテーマに沿った5枚の写真を提出しなければならない。

そうなるとアマチュア部門しかない。

受賞枠は10。応募も普通のコンテスト同様1枚でいい。


「悩むくらいなら、ダメ元で応募してみようかな」

勢いで応募フォームを開いていた。

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