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黒幕

今回の話は完全に敵サイドのお話です。


更新遅れてすいません……プロセカなるゲームのイベントがありましてぇ……まぁ、言い訳なんて聞きたくありませんよね?自分の話はこのぐらいで、どうぞ『黒鉄戦士の冒険録』よろしくお願いします。


 くらい、くらい、くらい流れの奔流に身を任せて、続いて行く。


 液体がやがて、集まり、形をとる。どんどん、どんどん()()()に成っていく。


 その体に大量の、そう本当にいっぱいの魂を押し込む。『器』の中で、魂たちは自我の奪い合いになる。徐々に数を減らして行き、やがて一つになる。


 ゆっくりと手を動かす。恐る恐る目を開けてみる。『器』にならすように、動かしていく。


 どうやら、()()()以外にも何人かいるようだ、六人?ぐらいいたはず。暗くてあまり見えない。


 そんな時、音が聞こえた。二人、足並みを揃えて。


「ーーお!上手く成功したみたいだな。ヨシ!今日からお前達はーー








******






ーーそれはゆっくりと、だがしっかりと破滅に向かっていた。


「一体、いつまで待つんです?『死神(デス)』殿……いや失礼、“悲嘆”殿?」


 洞窟の中、一つ照らされている場所に黒髪の男がいた。名前を呼ばれたのが不快だったのか、作業の手を止めて怪訝な目で振り向いた。


「ハァ……わざわざ蘇らせたってのに、また消されたいのか?『隠者(ハーミット)』」


「ーーそんな殺生な」


「なら、俺の機嫌を損なわないようだな。第一お前らのせいでこんな『龍災(面倒な事)』をするんだ。本当ならする必要は無いんだけどな……」


 と言いまた作業を始める。複数の術式が複雑に統合され、次の瞬間それが不具合なく稼働し始める。


「何回見ても、おかしいですよ。その技術」


 『隠者』が呆れた表情でその光景を見る。それは本来なら国が数十年かけて創る魔術レベルのものを、彼は数分で終わらせてしまったのだ。


「何もおかしくねぇだろ?俺がいた所は頭のおかしい奴らの集まりだったし、俺以上のやつもゴロゴロおったよ」


 と落胆した表情で、自虐的に彼は言う。だが手は止めず、淡々と準備をするだけだ。


「んで!確か、『愚者』『皇帝』『力』『太陽』『吊るされた男』そして……『死神』だっけ?これであってるよな?」


「えぇ、それらが“虚飾”が保持しているアルカナです。ですが……そのほとんどが八割近く力を失っています」


 作業を止めて、こちらを振り向く。真剣な眼差しで『隠者』を見つめている。


 その黒い目には、確かな野望が息づいていて……


「ーーマジで?」


 真面目にナレーションをした俺がバカみたいではないか。


 『龍災』の黒幕とは思えないほどの、素っ頓狂な声を出し、『隠者』は呆れた顔で首を振る。


()()は彼の体の一部を使って顕現させているんです。本体から離れる期間が長かったのが原因だと思いますよ」


 どんどん“悲嘆”の顔が悲惨な事になっていく……


「ですが、油断は出来ません。一部の物は力を保ったまま、各地に封印措置が取られているのもあります」


 その話を聞いて、元の顔に戻って行った。


「良かった〜、難易度の低い侵略ってのはあんまり好きじゃないんだよね」


 安堵の表情を見せ、まるで無くした物を見つけたような声で言い放った。


「俺たちが持ってるアルカナは?何個ぐらい集まったの?」


 唐突に話題が逸れる。だが聞かれた『隠者』はゆっくりと答える。


「えーと、ですね。確か……『正義』『節制』『教皇』『女帝』『魔術師』最後に、『戦車』おまけに『星』の一部ですかね」


 それを聞いた“悲嘆“は、少し俯いて考える。その後頭を上げて、


「んー、クソゲーじゃね?」


「うん、俺も思った」


「だってさ、これ動かせるの半分も無いんじゃない?」


「はい、『星』はまぁしょうがないとして、『正義』は蘇らせたのが原因か不安定で、『節制』は、まぁ協力はしてくれるそうですね。『教皇』と『女帝』は交渉次第って感じで……『戦車』『魔術師』共に使用不可って感じです」


「んー、無理そう……いや、やりようではいける…か?」


 まともに扱えるのが、三つもいかないと言う状況である。


「でも!向こうの『塔』は崩れかけだろ?」


 魔法陣を弄っている男が聞くと、『隠者』はそれに首を縦に振り、肯定する。


「うしっ!俺たちも戦場に出るとして、大体は()()()()に任せっきりだからなーーお!上手く成功したみたいだな。ヨシ!今日からお前達は俺の部下って事で……頼んだぜ、『竜人』さん」


 

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