黒幕
今回の話は完全に敵サイドのお話です。
更新遅れてすいません……プロセカなるゲームのイベントがありましてぇ……まぁ、言い訳なんて聞きたくありませんよね?自分の話はこのぐらいで、どうぞ『黒鉄戦士の冒険録』よろしくお願いします。
くらい、くらい、くらい流れの奔流に身を任せて、続いて行く。
液体がやがて、集まり、形をとる。どんどん、どんどん人の形に成っていく。
その体に大量の、そう本当にいっぱいの魂を押し込む。『器』の中で、魂たちは自我の奪い合いになる。徐々に数を減らして行き、やがて一つになる。
ゆっくりと手を動かす。恐る恐る目を開けてみる。『器』にならすように、動かしていく。
どうやら、わたし以外にも何人かいるようだ、六人?ぐらいいたはず。暗くてあまり見えない。
そんな時、音が聞こえた。二人、足並みを揃えて。
「ーーお!上手く成功したみたいだな。ヨシ!今日からお前達はーー
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ーーそれはゆっくりと、だがしっかりと破滅に向かっていた。
「一体、いつまで待つんです?『死神』殿……いや失礼、“悲嘆”殿?」
洞窟の中、一つ照らされている場所に黒髪の男がいた。名前を呼ばれたのが不快だったのか、作業の手を止めて怪訝な目で振り向いた。
「ハァ……わざわざ蘇らせたってのに、また消されたいのか?『隠者』」
「ーーそんな殺生な」
「なら、俺の機嫌を損なわないようだな。第一お前らのせいでこんな『龍災』をするんだ。本当ならする必要は無いんだけどな……」
と言いまた作業を始める。複数の術式が複雑に統合され、次の瞬間それが不具合なく稼働し始める。
「何回見ても、おかしいですよ。その技術」
『隠者』が呆れた表情でその光景を見る。それは本来なら国が数十年かけて創る魔術レベルのものを、彼は数分で終わらせてしまったのだ。
「何もおかしくねぇだろ?俺がいた所は頭のおかしい奴らの集まりだったし、俺以上のやつもゴロゴロおったよ」
と落胆した表情で、自虐的に彼は言う。だが手は止めず、淡々と準備をするだけだ。
「んで!確か、『愚者』『皇帝』『力』『太陽』『吊るされた男』そして……『死神』だっけ?これであってるよな?」
「えぇ、それらが“虚飾”が保持しているアルカナです。ですが……そのほとんどが八割近く力を失っています」
作業を止めて、こちらを振り向く。真剣な眼差しで『隠者』を見つめている。
その黒い目には、確かな野望が息づいていて……
「ーーマジで?」
真面目にナレーションをした俺がバカみたいではないか。
『龍災』の黒幕とは思えないほどの、素っ頓狂な声を出し、『隠者』は呆れた顔で首を振る。
「アレは彼の体の一部を使って顕現させているんです。本体から離れる期間が長かったのが原因だと思いますよ」
どんどん“悲嘆”の顔が悲惨な事になっていく……
「ですが、油断は出来ません。一部の物は力を保ったまま、各地に封印措置が取られているのもあります」
その話を聞いて、元の顔に戻って行った。
「良かった〜、難易度の低い侵略ってのはあんまり好きじゃないんだよね」
安堵の表情を見せ、まるで無くした物を見つけたような声で言い放った。
「俺たちが持ってるアルカナは?何個ぐらい集まったの?」
唐突に話題が逸れる。だが聞かれた『隠者』はゆっくりと答える。
「えーと、ですね。確か……『正義』『節制』『教皇』『女帝』『魔術師』最後に、『戦車』おまけに『星』の一部ですかね」
それを聞いた“悲嘆“は、少し俯いて考える。その後頭を上げて、
「んー、クソゲーじゃね?」
「うん、俺も思った」
「だってさ、これ動かせるの半分も無いんじゃない?」
「はい、『星』はまぁしょうがないとして、『正義』は蘇らせたのが原因か不安定で、『節制』は、まぁ協力はしてくれるそうですね。『教皇』と『女帝』は交渉次第って感じで……『戦車』『魔術師』共に使用不可って感じです」
「んー、無理そう……いや、やりようではいける…か?」
まともに扱えるのが、三つもいかないと言う状況である。
「でも!向こうの『塔』は崩れかけだろ?」
魔法陣を弄っている男が聞くと、『隠者』はそれに首を縦に振り、肯定する。
「うしっ!俺たちも戦場に出るとして、大体はこいつらに任せっきりだからなーーお!上手く成功したみたいだな。ヨシ!今日からお前達は俺の部下って事で……頼んだぜ、『竜人』さん」




