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黒鉄戦士の冒険録   作者: 工藤
希望と憤怒に真実を
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『龍災』襲撃

これまた、ベアル達は出て来ません。ごめんなさい。


「オッスー、『竜人』の皆さん。元気ですかー!?」


 暗い洞窟に“悲嘆”の気の抜けた声がこだまする。その様子を見ていた『竜人』と呼ばれた何名がため息をついた。


「オイ、その『竜人』とひとくくりにして呼ぶのをやめろ。虫唾が走る」


「まぁまぁ、『支配の王』さん良いじゃあないですか。元気がある若者は良いね〜」


「そちの感性を妾に押し付けるで無い。生理的に無理というやつじゃの」


 と先程のとは別の竜人が、古風な口調で吐き捨てる。


「静かにしろ、貴様ら耳障りだ……まずは貴様から消すぞ?『雷帝の王』」


「え?なかなかに酷くない?そこまで好感度低かったっけ?」


 『雷帝の王』と呼ばれた竜人が、自身の扱いに嘆くがその態度が気に食わなかったのか『支配の王』と呼ばれた竜人の表情が険しいものに変わっていた。


 『雷帝の王』はそれを察知したのか、すると二人とも戦闘態勢に入る。洞窟の脆いところからボロボロと崩れ始め、破片が落ちてくる。それを見て、二人とも自身の武器を手に取ってーー


 今にも殺し合いが始まりそうな中、間に入ったのは“悲嘆”だった。


「ストップストップ、それ以上は手がつけらんないよ。俺が悪かったからさ、機嫌良くしてよ。ね?」


 傲慢な態度をとっていた人物が、鋭く睨んできて


「ーー次は無いぞ」


「分かった、分かったって。ーーそれじゃあ今回、わざわざ古代の“王”君たちをまぁ一部例(・)外(・)はいるけど、復活させた理由を話そう」


 その場にいる全員がまるで値踏みしているかのような目つきで、彼を見ている。そしてそれを分かっているのか、わざと大きな声でハッキリと伝えた。


「ーー炙り出して欲しいんだ。『怠堕』をね」














 

 魔境、傲慢の国。ルシファーが治る国。


 地上、ルイラ皇国。人間が統治する皇国。


 そ(・)れ(・)は次元が違えども、ほぼ同じタイミングで起きた。長い歴史で見れば、何のこともない事なのだろう、ただの小さな異変。


 そこで確かに二つの『星』が産声を上げた。


 『胎』と『衰』産み出す力と衰えさせる力、相対する力を持つ『星』が、魔境と地上にて発生した。


 それを皮切りに、連なる魔物が『胎』の能力で永久的に産み出される。


 ーー次々と、次々と、次々と


 ーー命が溢れて、溢れ出す。産声を泣き上げ、新たな命の誕生を祝えば良いのか。それとも産まれた瞬間、兄弟に踏みつけにされ絶える命に嘆けば良いのか。


 我は生命の誕生を祝う、冒涜者。『星』に憧れ手を伸ばし……一人では成ることが出来ない、出来損ない。








 それは孤独に進軍する。ゆっくりと、年老いた老人のような姿で、ゆっくり進軍してくるのだ。


 それを皮切りに、後ろに従う魔物が『衰』の能力で指数的にその数は膨れ上がる。


ーー次々と、次々と、次々と


ーー命が枯れ果て、体は朽ちだす。『衰』に染められし者から伝染するように、周りのものが端からゆっくりと枯れる。寿命を、生命力を衰えさせ最後は思考さえもゆっくり衰えていく。


 我は生得の終わりを願う、侵略者。『星』を堕とすと手を伸ばし……一人では出来ぬ野望に砕かれた、敗残

者。










 一人ただ、見ていた。『隠者』がコッソリと


「何とか仕込みは、完成しましたよ。さて、第一波スタートといきましょう」


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