作戦決行 其の十
眠たいっ
誰しも必ず、心に“仮面”を着けて過ごしている
故に誰も見た事がないのだ、相手の“仮面”の下の素顔を…
何度悔やんだろう、何度嘆いただろう、何度叫んだろう
けどもう遅いのだ、もう俺に出来ることはもう無い、だから願っている
どうか、どうかアイツが誰も殺されないように
「…僕は七人目の王サマエル、いや『ヨウヘイ』とでも名乗ろうかな。ごっちゃになったら分かんないし」
急な豹変にあっけに取られいたが
剣を握り、冷静になり唱えた、目の前怪物を倒すのに“犠牲”が必要だと
「【驟雨】、」
『犠牲』の恩寵、黒い雨が降り始める
黒い雨を鬱陶しく手をかざし
「魂が吸われてるな」
一般人であれば死んでしまう程の魂の徴収、だがこの力は一対一だと相性が悪い
この力は、ザブラにとっても苦しい決断であり、この“雨”に触れた生物、無機物問わず魂を食い尽くす
犠魂剣が光り輝く、取り立てた魂が全て剣に集まっていく
五本しかない剣の一振り
「界放、」溜まった魂が反応し、
「自我乃晩餐」
小石が、石ころが、レンガが、瓦礫が、家が
動き出した、
ーーー私はずっとずっとあなたにだけ捧げています。だからあなたが喜ばせたい、あなたに捧げましょうこの魂を、もっと一人じゃ足りない、もっと犠牲の上にあなたが立っていれば。あの日指切りした指に誓いを立てた、…ーーー
「ははははっ!!」
笑い出した彼が声を荒げる
「いや~改めて、新しい自分に取って代わって、僕はベアルもといヨウヘイと気軽に読んでほしい」
目の前に大質量があるのに笑い、自己紹介を始めた
「さぁさぁ!仮面舞踏会も終わりにして、僕がずっと聞きたかったことがありましてね」
スッと先程のふざけた表情とは違い、一気に表情が暗くなった
「僕がいた世界じゃ、戦争がよくあったんですよ、馬鹿みたいにねずっと。僕は思ったんですよ、例えば二つの国が戦争を始めたとしましょう、」
パンっと手を叩きおちゃらけて話し始めた
「戦いに『正義』と『悪』があると良く言われます、ある人は『正義』と『もう一方の正義』だと言いますね、」
クスクスと笑い出した
「二つの国それぞれで、お互いが『悪』だと言われる、教わるそして相手をお互いを『悪』だとして殺し合い、相手を『悪』として殺す、死にゆくその瞬間まで相手を『悪』と思い散っていく。勝利した国は、『勝利』を大袈裟に表現しようとして相手をさらに『悪』として更にしたてる、その繰り返し」
「あれぇ?おかしぃなぁ、これのどこに『正義』があるんだぁ?」
「黙れ!そんなのはただの暴論だ!」
ヨウヘイの言葉を否定するように、ザブラが言葉を遮る
「死ねぇ!!」
ザブラの頭上からここら一帯の家や瓦礫の塊が意思を持って迫って来る
轟音を轟かし砂煙が立ち上がる
「もう一個聞きたい事があってさぁ?」
何にも無かったように、ザブラの後ろに寄りかかって来た
「ああっ!」
背後に剣を振るうが空をかく
「剣を持つ理由が何だと思う?」
「もういい、黙れお前の話を聞きたく無い」
「いやいや、人の話はちゃんと聞きましょうって親に言われなかったっけ?」
魔石を砕きザブラの動きを止める
【魔鋼糸】
「なっ!?」
「僕が読んだ異世界もので、大体武器を振るう理由を語るんだよ、みーーーんな綺麗事ばっかりでさ正直飽き飽きなんだよね、皆んなカッコいい事言わないと死ぬ病気でもあんの?ってぐらいにさ」
「君は何で剣を振るったの?」
ザブラに顔を近づけ、問いただす
「俺は、何かを守りたいと、村を滅ぼしたサマエルに罪を与えたいそう思ったからだ」
そう言った後彼の顔が酷く不機嫌になって
「あーーーーーーーーーークッセェなぁ!うんクッセェクッセェ、もうちょっと本音でさ、根本な事聞いてんのそんな上っ面の事聞いてないんだよ分かる?」
自分の信念が底から崩れたような音がした
「僕の持論だけどさ、剣に限らず人が何かを始めるのはさ、無力な何も出来ない自分を、出来ないと思われた相手の事を否定したいと思うからだ、自分の事を馬鹿にした相手を自分を見返してやろうと、“怒り”で始まるんだよ、嫉妬で、強欲で、怠惰で、色欲で、暴食で、傲慢で、人は変わるんだよ“罪”でね」
「俺たち人間ってのは何かを、相手を、世界を、家族を、自分を、否定しないと生きてけないのさ」
理性ある狂人が目の前で笑っていた
怖いほどに…
暑いっ




