灰の雪に打たれて 其の五
久しぶりの投稿です!
よろしくお願いします
二人、両者剣を構えて、対面に立つ
「オラァ!」
先に仕掛けたのはベアル、大きく振りかぶり大上段の一撃
すっ、とその剣をいなしベアルの体勢を崩し首筋に…
「そこまでっ!」
グリードが静止の合図を言い放つ
バタリとベアルは合図を聞いた瞬間、全身の力を抜いてその場に倒れ込む
「強えよこの人!」
と意気揚々に言い、また構え直す
ふーー、深呼吸の音が一帯に響く
「シャア!」
また突っ込んでいった
体育会系の訓練をしている片隅で、グリードとマギは話していた
「グリードさん、ずっと気になっていた事があるんですけど」
とグリードの顔を覗き込むように聞く
「なんだぁ?」
マギではなく、奥にいる果敢に攻めていく一人の人間をじっと見ていながら答えた
「契約者と初めて会った時なんでマスターが、辛いことを見抜いていたんですか?」
少し目つきが変わって、少し睨む様に問いを振り掛ける
しかし、また向こうを見て、
「大罪は、全員が単騎で大国を一時間少しで堕とす力を持っている。だがノーリスクで得られる力なんて無い必ず制限が有る、まず『写し身の崩壊』これが一番よくある制限、強すぎる力に体が耐えられず崩壊する、問題は二つ目だ、二つ目は力との共感だ」
と言ってタバコに手を出す
「共感?何ですかそれ?」
マギが全く見当のつかない表情で聞く
「俺たちの力の源は、人の感情がもとになっているだから、本来なら感じる必要の無い他人の感情を感じ取ってしまう。己れの罪の名の感情を」
タバコをふかし、ただぼんやりと答えた
「それって大変何ですか?」
足をぶらぶらしながらよく分かってないような表情だ
「国を簡単に堕とせる程の力言っただろ力の源は人の感情だと、あいつは誰かわからねぇような奴の怒りを、殺意を毎日感じている、あいつは異常なんだよ」
向こう側で木剣を振るう少年に、ある少年を重ねる
「俺ぁ、もう戻れねぇからな」
右の手に、ヒビが入っていた・・・
「お前、ここを出て行け」
食事の最中に言い出された、少年は手に持っていた匙を落とし、グリードに問い詰める
聞こえぬ声で
「 ??!!」
立ち上がり、机に両手を突き出し前屈みになる
「しょうがねぇんだ、近々この国で戦争があるんだ。俺ぁそこ行かねぇといけねぇだからおまえの面倒も見れなくなる、だからお前を孤児院に預ける、そこでしばらく過ごせ」
食べる手を止めず淡々と話すグリード
少年は言葉を発していないがそれでも、『嫌だ』と訴えている
「お前を戦場に連れて行けねぇし、お前を危険な目に合わせたくねぇんだ、俺と同じようにならねぇで欲しいんだ、頼む」
グリードが深々と頭を下げ少年は渋々納得したようだった
三ヶ月後
少年を孤児院に預け、戦争の最前線に今立っている
おおおおおっっ!!
お互いの軍の衝突、血が飛び散り人が死んでいく
空は昼のはずなのに“夜”が覆っていた
「【強欲の世界】『意地汚いこの世界』」
そう唱えると相手の兵のほとんどが倒れていた
「意識を奪った、早く捕まえろ」
夜空を見上げて、夜になっても雪は降る狂ったように
「何のつもりだぁ?暴食の王」
感想待ってます




