勇気の欠落、嫉妬の盲点
黒鉄戦士であってます
今回は、少しラブコメ展開です
魔力体が崩れていく、どうやらこの世での活動限界がきたようだな…
まさか――の王がいたとは、我も落ちたものよ、だが成すべき事は成し遂げた、これ以上ここにはいられぬ。
だが、勇気の現し身よその勇気が時に変貌する事を忘れるなよ…
「つっがぁああぁああ」
ヒビが広がる、身体中に激痛が迸る。
傲慢の王は倒しただがそれよりもこのヒビをどうにかしないと。
スッと嫉妬の王が俺の顔に手を当てて
【嫉妬の世界】そう唱える。
ヒビが収まり元の大きさに戻る。
そして、嫉妬の王もといレビィンの体が崩れかけていた
「おい!ふざけんな、何で、何で!消えてやがる」
「ごめんね」
その言葉は、とても哀しく
嫉妬の王ではない、レビィン本人の言葉である
「もっとあんたと話したかった、けど私がこの力を使った時点で、こうなるのは分かってた」
ボロボロと崩れていく体。
俺に関しては、目の前の女の子1人消えたって何も感じないが、俺の中にいるこいつに関してはそうで無いらしい。
『おい、良いのか?このままで』
『僕は、レビィンになんて言ったら良いのかわからない』
俺はこいつらとは、たった数日の関係だ、
でもそこまで非情じゃない
『おい!、サマエル!あの子に何も言わなくて良いのか?』
何も答えない
『変わってやるから一言なんか言え』
『えっ?』
僕の視界に君がくっきり映る、
渡された時間はあまりに少ない、だが一言いうには、充分過ぎる
小さくけれど、しっかりと聞こえる声で
「貴女に《レビィン》、僕は君をきっと見つける、待っててくれ、言いたいことがあるだから待っててくれ」
レビィンは、少し驚いた顔をして
「久しぶり・・・」
体は消え、悲しみの怒号が、空を彩る。
レビィンと、サマエルの背景
元々ベアルの体に魂は入っておらず元々転生者が入ってくるように作られたもの、魔境より上に興味があったサマエルは、その体に乗り移り約三年ベアルとして過ごす
その時幼馴染として一緒に過ごしていたレビィンにサマエルは、好意を抱く、だが己は、人間ではなく魔境の王であるが故、その好意は叶わぬものであった。
そして最後の日に、サマエルはレビィンに約束をする
「僕はまた君に会いにいく、だから待っててくれないか?」・・・
これは、己の責任である
サマエルに、もう少し勇気が有れば、
レビィンに、確かめられる度胸が有れば、
全ては終わった話、失った物は帰ってこない、
魂は、一つの場所へ・・・




