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後藤一家の事情  作者: 奈々篠 厳平
四章
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~噂という名の~ 4

 学校中で昨日起きたニュースについて話題になっていた。


 ───鷹緖山(ようしょざん)の山中にて転落死したと見えられる遺体が発見された。

しかし幾つか不可解な点が見られた。

・未整備の山を何故選んで登山したか。

・転落したと見られる山道から血痕が見つかったが異様に多い。

・登山時に不可欠なリュックサックが身に付けていなかった。因みに遺体主は様々な山を登っており知識やライフハックに関しては豊富であった。

・遺体の衣服から狸と思われる茶色の毛が大量に付着していた。

この事から、単なる事故ではなく何者かによる殺人の可能性が疑われている。───


橋岡:まじか...、信じたくないけど。

ハヤト:ハッシー、君はあの伝承...どう捉えてんだ?

橋岡:...嘘っぱちだと信じたいし(ただ)の作り話で留まってほしい...もし事実なら資料が必ずある筈。

内村:ハッシーの言う通りだ。第一、通り掛かった人を殺しているならば、それを目撃する人が必要だし、事実ならお巡りさんは既に動いている筈だ。昔なら...「御用だ!御用だ!」って大騒ぎになって浮世絵に描かれてるはずだ。

ハヤト:...そうだろな、僕でさえ聞いたことがない。父親からも(それ)らしき事も言ってないし...。

河岸:あのニュース、絶対何かしらトリックがあるに違いない。

橋岡:丁度先生が来てるし、聞いてみよう。


橋岡は担任である倉野先生に問い掛けた。

実は倉野先生は一度だけ鷹緒山で山賊らしき集団に襲われた経験があり、橋岡はその事を知っていたのだ。


橋岡:倉野先生、今朝のニュース見ました?

倉野:鷹緒山での死亡事件ですか?知っていますよ、茶系の毛が大量に付着していた人ですよね。恐らく、()()()()()()ですね。

橋岡:...!?く、倉野先生??

倉野:橋岡さん、勘違いしないでほしい。実はあの時私も危うくそうなりかけたの。

橋岡:ど...ゆうことですか。

倉野:目と口を押さえられて、荷物を奪われた。あまりにも大胆で荒っぽくって、その時土で固めただけの山道を歩いてたもんだから...。

橋岡:つまり、もし抵抗していたら...。

倉野:そう、山賊の一員と共に崖に真っ逆さま、かな。

橋岡:そうか...そうか!つまりそういう事だ!!

倉野:?


橋岡はあのニュースの真相が見えた事に気付き、友人にも話した。

山野、月見里、河岸、内村、そしてハヤトも鷹緒山で起きたニュースの真相に納得した。

然し、一つだけ不可解な事があった。


“鷹緖山の貉”は()()()()()()()()なのか...。


───それがヒロトがいない時に起きた学校内での出来事全てであった。

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