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獣王Ⅱ

 演説を終えてライオンの頭をした魔物はまた奥へと消えていった。

すると演説前はぐだぐだとしていたゴブリン達が忙しなく動きだした。

どうやら本格的に襲撃の準備が始まったらしい。

手ぶらで土竜の巣穴に入ったゴブリンが出てきた時には武器を持っている。

一つ一つの壁に並ぶ巣穴を倉庫として使っているようだ。

ゴブリン達の手に次々に武器が備えられていく。

武器の種類は剣、槍、棍棒等他にも様々だ。

武器が統一されていないのも仕方がない。

ゴブリンは高度な作戦行動はできない。

それゆえに皆自分の使いやすい物を使う。

武器の統制はできなくともこれだけのゴブリンをまとめあげるあの魔物はただものではない。


 「爆弾を用意するぞ」

ヘンリーに指示を出して爆弾の用意をさせた。

手際よく通路の両端に一つずつ設置された爆弾は静かに役目を果たす時を待っている。

「この通路の破壊であれば二つで十分だと思いますが、残りの爆弾はどうしますか?」

「お互い一つずつ持っておこう」

通路の破壊を済ませた後も何があるか分からない。

予備を持っていて損はない。

ゴブリン達の襲撃の準備は着々と進んでいる。

奴等がまとまりをなくしている今が最高のタイミングだろう。

「着火しろ」

指示を受けたヘンリーがマッチで導火線に火を着け、二人でその場を離れた。


ドゴオオオ!!


爆音と共に通路は崩れ、何者も通ることは出来なくなった。

しばらく見ていても異常はなく作戦は一先ず成功したようだ。

「よし!よくやったヘンリー!フリーベルに戻って討伐隊を編成するぞ!」

崩れた箇所を後にしようと元の道へと歩きだすと地鳴りが始まった。

先程の箇所へ振り向いた瞬間通路を塞いでいた土が吹き飛び辺りが土煙で何も見えなくなった。

土煙がおさまった頃に通路の先に立っていたのはあのライオンの頭をした魔物だった。

「人間……少々甘いのではないか?」

不敵な笑みを浮かべるその魔物に二人は戦慄した―――



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