プロローグ
西暦2050年。
フルダイブ技術は、すでに人々の生活へ浸透していた。
学習、医療、娯楽。
現実と変わらない仮想空間を利用することは、もはや珍しいことではない。
その年の夏。
VRゲーム分野で高い評価を受ける中堅ゲーム会社『GOHO Entertainment』が、新作フルダイブMMORPGの正式サービス開始を発表した。
『Four Kingdoms Online ~四神戦記~』
通称、FKO。
4つの大陸を舞台に、最大4万人が参加するフルダイブMMORPG。
正式サービスは日本国内限定で行われる。
プレイヤーは朱雀、白虎、青龍、玄武の4大陸から、自らの所属先となる大陸を1つ選択する。
各大陸の定員は10,000人。
登録は先着順で、定員に達した大陸から順に受付を終了する。
圧倒的な自由度。
行動によって変化するステータス。
武器を使い込むことで上昇する熟練度と、新たに習得していくスキル。
そして、完全自律型AIによって運営される世界。
レベルを上げるだけでは終わらない成長システムは、とりわけコアゲーマーたちの注目を集めていた。
どう戦うか。
どの武器を使うか。
どの大陸を選ぶか。
その選択によって、プレイヤーごとに異なる冒険が待っている。
誰もが期待していた。
新たな冒険を。
新たな仲間との出会いを。
そして、まだ誰も知らない世界を。
このとき、4万人のプレイヤーはまだ知らない。
ゲームを始めるために選んだその大陸が――
やがて、自分たちの生死を分けることになるとは。




