表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
湯けむり怪異譚「ぶらぶら」  作者: 秋野きつ
第2章 Black Cats
42/166

第42話 背中語り


 ここで舞台はライブハウスに逆戻り。


 Black Catsの解散ライブが行われていたのだが、アンコールに応じて演奏にかかったところ、不可思議な風が吹き荒れ、猫柳理奈が外へ飛び出し、後を追って夏野千里も出て行ってしまった。残された遠山将吾のみではどうすることもできず、うやむやのうちにライブは終了した。


 解散を惜しみつつも、三々五々、客もひいて行き、ガランとした会場には、将吾のほか、美琴と葛音だけが残っていた。互いの連れを待っていたところ、最初に帰ってきたのは夏野千里で、葛音とは昔会ったことがあるらしく話も弾んでいた。


 やがて日も落ちて、ライブハウスで待ち続けるわけにも行かなくなってきたころ、ようやく五郎が帰ってきた。どうしたのか、理奈は見つかったのかと美琴と千里から矢継ぎ早に質問を浴びせられ、もごもごと口籠もりながら応じる。


「えっと、蜜柑が、じゃなくて。変な連中が千里さんを追いかけて行ったから心配になってですね。えーと、理奈さんはとりあえず無事で。え? どこにいたって? マンションの、じゃなくて、雑居ビルの屋上にですね。どうやって見つけたかって? えーと、それは蜜柑が、じゃなくて。えーと、えーと……」


 しどろもどろの五郎に疑いの目を向ける千里らだったが、鋭く切り込んだのは、意外にも、普段は大人しい美琴だった。


「り、理奈さん、きれいな人ですよね」


「 うん、思わず見惚れるくらい」


「そうですね。か、帰りましょうか。きょうもアルバイトでしょ?」


「え、まあそうだけど」


「遅くなりますし、帰りましょう」


「あ、はい」


 さっさと歩いて行く美琴の背中は声をかけづらい雰囲気で、私は怒っていますと書いてあった。が、察しの悪い五郎は、怯えながら付いていくだけである。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ