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第41話 警察法二条
そっとしておいてくれないかという理奈の言葉に、名坂警部補は、そうはいかんと応じた。
「苦しむ者を救わずして、なにが警察か。我々は個人の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被疑者の逮捕、交通の取締その他公共の安全と秩序の維持に当ることをもってその責務とする。すなわち何人をも見捨てぬ」
「しかし、この話を聞いてしまえば、あなた方も死ぬことになるかもしれません」
「構わん。いついかなる時も職に殉ずる覚悟はしてある。そうだろう?」
まっすぐ前を向いたままの名坂警部補に声をかけられ、戸惑いながら狭間巡査が応じる。
「ええまあ……」
「いつ死んでも良いように、机もロッカーも整理し、遺書を置いてある。そうだろう?」
「あの、それ名坂さんぐらいじゃないかと……」
「そうだろう?」
「……ええ」
「詳しい話を聞かせてくれ。気のせいかもしれないが、この街でおかしなことが起こっているような気がしてならないのだ」
覚悟を決めた顔で名坂警部補が理奈の話を促した。横では狭間巡査が泣きそうな顔をしているが、こうして理奈は、二人にも詳しい話をしたのだった。




