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【DEEP・BLOOD】  作者: 六道 屍
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地下探索(5)

 探索とは…………(意味深)

by.蓮





 暫く彼方此方の部屋なり部屋なり部屋なりをぶっsy…、探して回った。


 「特にこれといって何も無いね。」


 妹がボヤく。


 とは言っても繋いだ手が真っ白に成るほどに強く握らていて、微かに震えているのだが。


 まぁ、精一杯の強がりで見ている側としては、とても可愛らしい。手の感覚が非常に鈍い事を除けば…。


 「1番奥に固まって防衛に専念してるんじゃ無いか? たぶん。」


 ここ迄は謎生物? ばかりでまともな人間を見ていない。然し、探知には多数の反応がある。それもある程度数がありそうだが遠い。と成れば固まって居ると見た方が良いだろう。


 「所でさ、お兄に質問。いい?」


 わざわざ腕をとり、コクンッと小さな顔傾げて、恐怖の質問がやって来た(汗)


 心情を僅かも感じさせず何時も通りに、


 「どした? 答えられる事なら答えるぞ?」


 と返しておく……が、若干目が逸れたかも知れない。


 すると妹は、


 「やた♪ じゃあさじゃあさ…、」


 と|悪魔の微笑み(満面の笑顔)。(少なくとも俺にはそう見えた。)


 「お兄って筋トレしないの?」


 綺麗な艶のある髪を揺らして聞いてくる。


 何故(なにゆえ)


 「わたしさ、お兄が筋トレしてるとこ見た事無いなと思って…。」


 構えて損した。そんな事か。あ~、どう答えたものか。


 「ん~、まぁやらないな。無駄だし。」


 色々不便に成るから筋トレはした事無い。

腹筋割れてたりムキムキボディは男として少し憧れるが、俺の思想とは合わない。


 案の定、妹は質問を重ねる。


 「むぅ、何でしないの? ほら、そのぉ、男ってそういうの好きじゃん? わたしもお兄の身体見てさ、ちょっと残念だし。肥って無いから良いけど。」


 どちらかと言えば後ろの理由が強そうだな。今日シた時の約束にもあった様な…。


 「一言で言えばダルい。」


 そう言うと、妹は物凄く不服そうな顔をする。そして何かを言おうとする前に重ねて理由を喋る。


 「ちゃんと理由もある。まず努力に対するリターンが少な過ぎる。」


 妹を見ると聞く体制に入っていた。なので、


 「筋トレとは基本継続的にやる事が前提だろ? だが、疲れていればやる気が起きない。次いで、やれば疲れる。無駄な汗かきたくない。」


 なかなか巫山戯た理由だな(笑) まぁ、本心だが…。


 「それって、やりたくないだけじゃん。」


 拗ねた妹が、当たり前にツッコむ。


 「ここ迄はな。だからちゃんと理由を説明する。」


 真剣(マジ)顔の妹様。これは適当な事言えんな。


 「筋トレってのは、基本的に無理に筋肉を痛め付ける行為なんだ。人間の持つ再生力と適応力を使った過度な訓練な訳よ。」


 順を追って説明する。


 「まず、筋トレして筋肉を傷付ける。すると身体は抵抗力を付けるため、再生と同時により硬く厚い筋肉を作る。これを繰り返すと脂肪が減り、筋肉が肥大化する。晴れてムキムキボディに成れる訳だ。」


 此処だけ聞くと、筋トレの説明である。


 「だが、故意に作った筋肉は残念な事に重く脆い。特定の動作には支障無く出力もあるが、打たれ弱く、肥大化による可動域の減少、骨格の圧迫、伸縮性・柔軟性の減少等々、様々な弊害がある。ま、端的に言うと“実用的じゃ無い”訳だ。」


 実用的じゃ無いなら、俺からすればムダ筋肉だ。要らな過ぎる。


 「体型の維持だけなら、食制限や管理、適度な運動、場合により体質くらいで簡単に出来るからな。時間も労力も金も要らない。」


 どっちを採るかなぞ…………と、妹をみる。

 とても不服そうだが、返せる言葉が無いのだろう。


 一応フォローしとくか。


 「ま、何もやらないとは言ってない。付けた筋肉が実用的であれば良い訳だからな。」


 妹が勢い良く顔を向けて来る。瞳に星が舞っていそうだ。


 「これからは、幾らでも実戦があるだろ? 叩き上げであれば、実力と共に自然と必要な筋肉が付く。手入れは怠れないがな。」


 妹は、我が意を得たり(揶揄)とばかりにフンスーッとしている。


 「俺の信条である身軽さを損なわず、必要な時に必要な出力が出せる軽く柔軟な筋肉が戦うだけで身に付く。危険は多いが、この先嫌でも戦う訳だし無理して筋肉付ける必要は無いな。」


 ハッとする妹。


 「なら、こう成る前から武術やれば良かったじゃん。」


 バレたか………。


 「近場に道場無いし、金掛かるし、規律は厳しいし、精神論だし、その癖段位だの大会だの成績だのと事ある毎に競わせるしでやる気失せるし、結局筋トレさせられるから無駄。」


 という本音である。


 「そっかぁ。なら、仕方無いね。まぁ、お兄はスリムだから問題ないか。」


 納得された様だ。


 「これから、少しずつ筋肉付くだろうから、それを楽しみに出来るだろ。」


 と、言ってから失態に気づく。


 「ぃやった♪ これから毎日お兄に突撃して、身体中ナデナデして成長具合を調べよう♪ それからそれから………。」


 妹が若干朱に染まり息を弾ませ拳を握りながら暴走する。


 やってしまった。暫く戻って来ないだろう。


 「はぁ。」


 呆れながら妹を見る。


 まぁ、良いだろう。長々と話したかいもあると言うものだ。


 そう、胸中でボヤきながら自分の手を見遣る。


 震えが収まり、代わりに血が通い少しばかり朱に染まった手が握られていた。








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