↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に落ちた最強ヤンキー女子、幼なじみと無双します。  作者: S@Y@


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/88

第八十八話 北の古城へ


 翌朝。


 シロたちは王城を出発した。


 目的地は、北の古城。


 そこには、千年前にカイルが向かったという。


「北の古城までは、馬車で三日ほどかかります。」


 ルークが地図を広げた。


「ただし、現在は誰も住んでいません。道も整備されていないため、途中から歩く必要があります。」


「カイルは、どうしてそんな場所へ?」


 柚が尋ねる。


 アベルは少し黙ったあと、答えた。


「シロの力を守るためだ。」


「一人で?」


「ああ。カイルは、誰かを巻き込むことを嫌っていた。」


 シロは俯いた。


「私のために……。」


「お前だけのためじゃない。」


 アベルが言った。


「カイルは、世界を守ろうとしていた。」


 馬車が森の中へ入る。


 その時、遠くから魔獣の唸り声が聞こえた。


「グルルル……」


 木々の間から、数体の魔獣が姿を現す。


 その額には、黒い紋章が刻まれていた。


「また黒衣の男に操られているのか。」


 暁が剣を抜く。


 魔獣たちが一斉に飛びかかってきた。


 シロは前へ出る。


「待って。」


 銀色の魔力が広がった。


 魔獣たちの動きが止まる。


 黒い紋章が、ゆっくりと薄れていく。


 やがて紋章は消え、魔獣たちは力を失って地面に倒れた。


「……殺してないの?」


 柚が尋ねる。


「うん。操られていただけだから。」


 シロは魔獣たちを見つめた。


「もう大丈夫。」


 魔獣たちはゆっくり立ち上がると、森の奥へ逃げていった。


 その直後。


 空から黒い刃が降ってきた。


「危ない!」


 暁が柚を引き寄せる。


 刃は地面に突き刺さり、黒い煙を上げた。


 木の上に、黒衣の男が立っていた。


「やはり、北へ向かうか。」


 シロが睨みつける。


「あなたは、私の力を奪いたいだけじゃない。」


「……。」


「カイルが持っている力も狙っているんでしょう?」


 黒衣の男は否定しなかった。


「その力は、私の計画に必要だ。」


「計画って何?」


「お前の力を完全に取り戻し、世界の境界を開く。」


 ルークの顔色が変わった。


「世界の境界……まさか、魔界との境界を?」


「そうだ。」


 黒衣の男が手を広げる。


「魔王の力があれば、境界は開く。こちらの世界も、魔界も、すべて一つになる。」


「そんなことをしたら、世界が壊れる!」


 柚が叫ぶ。


「壊れるのではない。変わるのだ。」


 黒衣の男の姿が黒い霧に包まれる。


「北の古城で待っている。」


「逃げるな!」


 暁が斬りかかる。


 だが、剣は黒い霧を切り裂いただけだった。


 黒衣の男は消えた。


 シロは、北の方角を見つめる。


「急ごう。」


「大丈夫か?」


 暁が尋ねる。


「うん。」


 シロは頷いた。


「カイルを見つける。そして、黒衣の男の計画を止める。」


 その夜。


 シロたちは森の中で野営した。


 焚き火の向こうで、アベルが静かに口を開く。


「古城に着いたら、カイルはきっと戦う。」


「私たちと?」


「違う。」


 アベルはシロを見る。


「自分の中にある力を守るために。」


 シロは火を見つめた。


「それなら、私が説得する。」


「簡単ではない。」


「分かってる。」


 シロは拳を握った。


「でも、カイルは私の仲間だから。」


 翌朝。


 森を抜けた先に、巨大な古城が姿を現した。


 城壁は崩れ、門は半分壊れている。


 その奥から、黒い魔力が噴き出していた。


 シロの銀色の紋章が、強く輝く。


「……カイルがいる。」


 シロは古城を見上げた。


 その瞬間、城の最上階から声が響いた。


「来たか、シロ。」


 聞き覚えのある声だった。


 カイルが、城の上からこちらを見下ろしていた。


 その胸元には――


 黒い結晶が埋め込まれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。