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072:国見?

【第三層群屋上展望台】


 世界樹は1m程に成長している。

「視界400kmだったか。」

「計算上は。です。世界が球で無かったり、球でも大きさが違っていれば地平線距離も変わりますが。」

 図書館都市ダンジョンの屋上から足元の大地を見下ろすと、いくつもの台地と谷が広がっている。遠すぎて望遠鏡でも良く見えないが、遠くにはいくつかの村や町がある。はるか西の地平線には山が広がり、東の地平線にも山が1つ。見える範囲には海も湖も無い。

「西の一番近い町が入間いるまだな。」

「正確には入間の手前の城ですね。入間本体は城から3~4kmほど向こうの村です。」

「ずっと東に見える小さな町が筑波の補給基地か。他は西以外、ほぼ200kmくらいは無人っぽいな。あの町を制圧してしまえばだいぶ安全になる。」

「現時点では征服するには遠すぎます。さすがに今は筑波は弱体化しているでしょうが、いずれ、何らかの対処は必要ですが。」

「この高さでは街道は見えないな。」

「細い未舗装道路ですからね。」


「西の山々が秩父ちちぶに当たるわけか。埼玉だと30kmかそこらだが、おそらく10倍くらいの距離だな。」

「関東平野は100km四方程度ですが、南北方向には山が見えませんし、この付近の平野は東西700km程度、南北は少なくとも800km以上ある模様です。だいたい華北平原くらいの広さはありそうですね。」


「これから、この土地を豊かな田畑にしていくわけだな。マリーさん、水はどの辺まで供給出来そう。」

「水路の勾配が1000分の1なら、ダンジョンの載っている丘の麓から高低差10mで10km程度まで灌漑可能です。ダンジョンの基礎部分からダンジョン構造物の水道管を埋めてやれば、水圧にもよりますが100kmかそこらは送水可能でしょう。」

 ダンジョンそのものは丘の上に載っているが、当然地下にはダンジョン構造物の基礎がありコアからのエネルギーを供給している。

「半径100kmか。」

「西側は入間いるまがあるので除外して、半径100km級なら2万k㎡で理論上そのうち耕地は100万町歩程度。つまり百万町歩開墾計画ひゃくまんちょうふかいこんけいかくですね。」

「語呂が良いな。」

「わたしのオリジナルでは無く、異世界の奈良時代の政策です。ダンジョンが無かったので当然失敗しましたが。」

「ダンジョンがあれば成功するということは、城壁みたいにダンジョン構造物で田畑を作るとか?」

「水田も水路も基本形状そのものは比較的単純ですから、それらをダンジョン構造物で作ります。もちろん維持にも少量とは言えダンジョンエネルギーが必要ですから人口増に合わせて順次。」


「秋には、塔の下の一角のみとはいえ、黄金の稲穂が見られる訳だな。」

「そうなる、いえ、そうします。」

 やっていることは国見くにみだが、そう言ってしまうと不敬罪。もっとも、日本神話の神は、主神からして神話では裸踊りに釣られたり、雄略天皇の夢に現れてボッチ飯は嫌だと言ったり、どうもポンコツ駄女神だが。

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