表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
580/583

580:百万町歩

【岸の町】


 岸はダンジョン南東10㎞、面積30k㎡。図書館都市ダンジョンの中心市街地は、将来に備え概ね20㎞圏に東京市程度の用地を確保しており、岸は最も近くにある国人領主領となっている。


「いよいよ、今年の米の作付面積は100万町歩、1,000万反なので公称1,000万石となりますね。公称『石高』は畑や屋敷も含むので2,000万石くらいになりますが。」

 村の配置を進めている範囲は50万k㎡にも達するため、水田面積は2%。地形の制約などにより相当虫喰いに開拓をしている。

「とうとう100万町歩か。実にめでたい。」

 マリーと応対するのは、国人領主筆頭にして武士団「岸団」惣領、岸播磨介(はりまのすけ)

「米の収量は推定1,500万石、年貢は帳簿上の石高の4割なので800万石の予定ですね。」

 なお、江戸時代は石高3,000万石、米の収量は2,000万石(300万t)・麦は800万石程度。


「関八州の米を食べる種族に関しては、十分すぎる量なのではなかろうか。」

「はい。米は事実上の通貨ですが、これを食べるのは人間と畜生の一部。あと、気に入らないことですが餓鬼も主食は米から作った酒ですね。ダンジョンからあまり遠くへ穀物を運ぶのは困難ですから、飢饉に備えた備蓄に廻す分を考慮しても十分でしょう。」

「たしか神官戦(しんかんせん)だったか……。じきに千里彼方の商都梅田まで米を運ぶことが出来るとか。」

「不本意ですが、地形と距離と量の制約で他に方法はありませんからね。作らなければならないのは、読書(よみかき)村から、不破関まで250里ですが、なかなか難しいですね。備蓄を毎年入れ替えることを考えれば、来年の冬には必要になるでしょうが。」


「果物は育つのに数年は必要として、あとは魚が欲しくなるか。」

「牛肉は人間が好みませんから、鶏を増やしていますが、このダンジョンで魚を養殖するのは困難ですね。ただ、飯沼(いいぬま)ダンジョンからの輸入を増やすと、ダンジョンに入る冒険者が増え、獲得エネ……いえ、得られる力が増したダンジョンが銚子(ちょうし)に乗って何かしでかす危険性があります。」

 飯沼(いいぬま)(ふさ)東端に位置する水属性のダンジョン。異世界の犬吠埼付近に相当する。


「魚を育てるには塩水が必要なんだったか。」

「厳密に成分を調整した塩水ですね。那須塩原(なすえんげん)に水を注ぎ込むだけではダメです。あと、増やすためには元になる生きた魚が必要です。ダンジョンの魚は生きていませんから。つまり、ダンジョン以外の池などに住む魚しか殖やせません。」

 ダンジョンモンスターはダンジョンエネルギーで動いており、生きていない。


「そうなると、池に居る鯉や鮒くらいか。(なまず)はどうにも吉川(よしかわ)一族に見えて食欲が湧かぬ。だが、池の魚(淡水魚)は料理人の腕が悪いと不味いな。」

 鯉などは技術のある調理師が料理しないと、泥臭くて食べられたものではない。


「魚は入手の問題がありますから、このダンジョンで優先的に増やすのは肉です。馬はサクラ、鹿はモミジ、猪はボタン、鶏はカシワ。このうち増やしやすいのは鶏で、年50~70個の卵を産みます。狐狸など獣人の一部も鶏頭が好物ですね。植物のケイトウではなくニワトリの頭です。」

 江戸時代に牛は食用ではなかった。また、当時のニワトリは年300個も卵を産んだりはしないし、ムック本に卵など付いてこない以上、異世界の品種改良されたニワトリを入手も出来ない。

「植物の鶏頭なら人間も食べるが。」

 異世界でも江戸時代には食用だったが、親類のホウレンソウの方が美味しいためか、異世界日本ではその後食用にはされなくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ