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039:肥料転用火薬

【コアルーム】


「ミントさん、ドローンに爆薬積んで飽和攻撃は難しいんだったな。」

「ドローンは分冊百科の部品を全部手作業で組み立てるしかありませんから、数を揃えられません。それに肥料から爆薬作るのは側近書記セクレタリー殿の方が詳しいでしょう。」

「わたしだって詳しくはありませんよ。ダンジョンの固有法則により火気が使用できませんから、肥料爆弾の調合中に爆発しない。というのは強みですが、火薬を作ったとして、どう使うか。が問題です。」

「それこそ自爆ドローンを大型化するとか。」

館長キャプテン、固定翼機は滑走路からの離陸が難しいので、マルチコプター同様にダンジョン屋上から滑空させる方が良いのですが、どちらにせよ爆発物を積んだ飛行物体がダンジョン周辺に墜落すると危険です。それに、殺傷力がある量の火薬を積むとなると、機体が大型になり扱いが面倒です。」

「安価な爆発物となると……。」

「マスター、簡単なのは地雷ですね。街道以外の外周全域を地雷原にすれば、海賊の侵入は困難になります。問題は、必要な数が膨大になること、子供が間違えて踏むこと、あとで撤去するのが今の技術水準では事実上不可能ということです。」

「それは問題、いや大問題だな。」

「その次が多連装ロケットランチャーで、鉄パイプに爆薬を詰めた原始的な火箭かせん、つまりロケットを発射します。直撃でもしない限り殺傷能力はありませんから、追い払い用。騎士団があれば混乱したところへ騎兵突撃。という使い方も出来ます。」

「誘導ロケットになると一気に難易度上がるんだよな。」

「結局、ゲリラやテロリストが使うような無誘導のものになります。弓矢や火縄銃の有効射程は100mか200m程度で最大射程も500mは越えませんから、射程500mとして、仮に10度ずれても50m外れますから、最低100発くらいは同時発射しないとダメでしょう。完全に同時だと空中で衝突するので、時間差付けて釣瓶打ち。ミント、可能ですか。」

「その程度は出来ると言えば出来るけど……。」

「鉄砲や大砲の方が有用ですが、現状では難しいでしょうね。火縄銃や大筒おおづつあたりなら存在しているとは思うのですが。」

側近書記セクレタリー殿、見たことは無いが、火薬の生産に問題でもあるんだろうか。」


「マスター、『産業基盤』が無い以上、海賊退治には騎士団が一番役に立つと思われますが、ラージャ、騎士団を編成する手続はどうなっています?」

「騎士団そのものは、国家または教皇が設立、任命します。ただし、日本には世俗騎士団はありません。」

「ラージャ、武田騎士団とか真田さなだ騎士団とかは……。」

「国際法上の騎士団ではありませんし、普通は騎士団とは呼びません。精鋭の切り込み部隊という位置づけですから、そういう意味の『騎士団』なら、欧州でも主権国家体制が未確立の時期に国王や大貴族が作った例はあります。」


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