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182:収穫祭、そしてダンジョン誕生から1年

【北東門外・観音寺】


 図書館都市ダンジョンには神社は無い。イギリスでは日本の「神」はアミダ(阿弥陀)ザッカ(釈迦)・ナコン・カンバドクシー(観音菩薩)と伝わっている(台湾誌)が、観音堂は観音菩薩を祀る寺であり神社では無い。このため、収穫祭も仏式で行われることになる。

 とはいえ、この地域ではその辺は適当であり、蛸入道達は念仏を唱えるが、河童(プルトゥゲシュ)のペレイラ和尚(パードレ)は十字を切る。その辺は些細な誤差で、参列者の興味は宴会にある。



【コアルーム】


 一部の酒飲み達は夜通し騒ぐようだが、良識有る人達は家に帰る。妖狐ようこ陽子ようこが経営する「狐カフェ」に行く者も居るが。なお、いつのまにか隣に「狸カフェ」と「猫カフェ」が出来ている。カフェ(キャフェイ)は英語で茶屋だが、このダンジョンでもやはり「茶屋」……。

「マスターも宴会に参加すれば良かったのに。」

名前付き(ネームド)モンスターなら、死亡しても復活可能だが、ダンジョンマスターが同様かどうかは分からないからな。関係者以外立ち入り禁止のダンジョン中枢部以外、どこに忍者が潜んでいるか分からない。」

「マスターなら命が9つありそうですが。」

「さすがに試したいとは思わないな。」


「そういえば、今日でダンジョンが誕生して1年になりますね。」

「1年、たった1年か。」

「はい。1年前には平屋の第一層群しか無くて、わたしとマスターしか居ませんでした。」

「それが今では500層群の5,000階で、モンスターも100人くらい居ると。」

「正確には554層群4,787階で高さ19.9km、ダンジョンモンスター21名・眷属54匹とマスター1匹ですね。つまり異世界から554棟の図書館を複製召喚して積み上げている。ということです。」

 帝国図書館は本館・関西館・台湾館・旧館の4棟セットで「第0層群」となっている。複数棟セットの図書館は他にもあるため、実際の建物数はもう少し多くなる。

「層群数に、小学校などは含まなかったな。」

「はい。そもそもダンジョン本体に使用できるのは図書館だけで、『図書室のある学校』は、ダンジョン影響圏に置くことは出来ますが、本体に組み込むことは出来ません。もし小学校が本体に使用可能なら、校舎の高さが平均10mとしても1万校も召喚すれば宇宙に届きます。」

「そんなに大量に召喚するには生贄がどれほど必要になることやら。」

「悪の魔王になってしまいますね。」

「今住んでいる入植者を襲ったら足りそうかな?」

「ほとんど一般人ですから、足りないと思います。それに、このダンジョンでは危険なモンスターは召喚出来ません。」


「小学校はともかく、図書館はどの程度召喚出来るのか。」

「前にも話したことはありますが、公共図書館は全国に4,000程度あります。今は第一層群(概ね30m角程度)より小さかったり、建物高さが10m程度しか無いものは、効率が悪いので基本的に召喚していません。逆に、駅ビルの分室などは召喚対象に加えています。おそらく次の500で高さ20km、さらに背が低い1,000で高さ40km程度が限界とは思われますが……。残りの半分は、既に城門の衛星都市で使用していたり、縦横が第一層群より小さく、層群間エレベーター(転送陣)の取り付けにバランスが悪かったりします。」


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