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147:ネームドモブモンスター召喚候補(その他)

【第三層群・会議室】


「工学部以外で優先順位が高いのは?」

館長キャプテン殿、この世界と異世界で技術的格差が大きく、かつ書籍だけではその差を埋めがたい分野。となる。要は明治維新以来約200年での進歩が著しい分野。ということだ。」

「ミントさん、それでは抽象的すぎます。私は、長期的に見て、哲学・神学・数学は社会の基幹学問として優先して召喚対象とすべきと思います。21世紀の技術を導入するだけなら別ですが、将来的に独自に文明を発展させるなら、このあたりも必要になるでしょう。」

「ラージャさん、でも神学は召喚リストに無かったな。」

「紫蘇(修羅)が召喚出来ないなら、ダンジョンが高僧向けの学問所を支援すると良いでしょう。」

「召喚出来るなら、この世界の宗教は仏教ですから、それこそホトケノザが良いでしょうが。ムラサキシキブやオドリコソウ同様、当面は保留枠ですね。」

「なら、哲学と数学か。マリーさん、どういう紫蘇(修羅)が良いだろうか。」

「まず哲学ですか……。何か適当に……。そうだチョロギ、芋を食用にする植物です。おせち料理でしか見ませんが。中国原産で甘露子、日本では表記は一定しませんが、長老木・千代呂木など。あるいはネジイモ。見た目は芋虫。」

「芋か。名字では聞かないな。地名に芋川ってあったし。これで行こう。」

「次に数学。チェリーセージ、アメリカではグラハム・セージだからグラハム。でしょうか。先ほどミントが言っていた情報分野で召喚が出来ない。という話ですが、情報って数学にも近い分野ですから、ちょうど良いでしょう。哲学が文学博士、数学は理学博士ですね。」


「これで合計10人。枠は少ないが、必要性が高いのは?」

「召喚リスト内では、住民の生活のためにも看護・食品・福祉も優先順位は高いですが、中でも医者のサピエン先生(セージ)の負担軽減のためにも看護師、あと獣人がかなり居ますから獣医も必要でしょう。」

 ラージャ(バジル)が言う。

「ラージャさん、看護師と獣医だな。ミントさん、召喚候補はどうしようか。」

「オレガノとマジョラムはどちらもイタリアで多用されるハナハッカ属のハーブで、前者は男性名詞、後者はマッジョラーナで女性名詞ですから、よくあるイタリア名でレオナルドとアウローラが分かりやすいでしょう。」

「イタリア料理に使われると言って、パスタとかピッツァとか呼ぶわけにも行かないだろうな。」

「栄養士は食用の……チョロギ、は使用済みだから……チアにしましょうか。」

「マリーさん、チアって何だ? 学生服着て旗を振り回して『オッス』とか言うアレか?」

「それは応援団(ccheer)です。ここで言うチア(chia)はサルビア・ヒスパニカに代表される、メキシコ産の穀物ですね。蕎麦含めて別枠の疑似穀物扱いだったりもしますが。メキシコですから無難にマリベルあたりで。」

 マリベルはマリーア・イサベルの略。

「最期に福祉……。」

「マスター、無理に召喚を急ぐ必要はありません。軍人・警官・教師も社会に必須ですが、紫蘇(修羅)や眷属の召喚可能リストにありませんから、その辺も保留し、当面は入植者を採用し賄います。教師に関しては師範学校の扱いが世界により大きく異なるのも原因でしょうか。」

「このあたりの給料をきちんと払えない国が『失敗国家』だったな。」

「失敗ダンジョンに落ちぶれないよう注意しないといけませんね。もっとも、大多数のダンジョンにはマスター自体居ませんし、当然誰にも給料は払っていませんが。」


「営業は増やせないか。でも、この世界にも商人は居るから紫蘇(修羅)である必要は無いから良いか。」

「紫蘇(修羅)はダメでも眷属なら増やせそうですが……マスターの眷属で営業……。」

 弊社なら年内施工も可能です! とか言って滅茶苦茶なことになりそうな。あるいは要りもしない保険を売りつけるとか。

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