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第二十二話「一難去ってまた一難」

「カズト。疲れているところ悪いけど、カズトと同じ教室の人達がこっちに来てるよ」


 アオが指差した方向を見ると、そこには確かに修理や花山先生を初めとした教室の皆がこちらに向かって走ってきていた。


 ……あ~、どうしよ? 今皆の前に出ると質問攻めとか色々と厄介なことが起こりそうなんだよな。というか絶対にそうなる。


「じゃあどうするの? 逃げる?」


 いや、皆が見ている前で機甲鎧に乗ってしまったから逃げたくても逃げ場がない。……仕方がない。覚悟を決めるか。


 俺はアオにそう答えると機甲鎧の操縦席を開放して機甲鎧から降りた。すると修理達教室の皆はすぐに俺の周りに集まってきた。


 ……え~と、皆怪我はなかった?


「あ、ああ。俺達は全員無事だ。……その、お前が悪霊獣達を倒したお陰だよ」


 俺の質問に最初に答えてくれたのはやはりというか修理だった。修理は言いたいことの整理がついていないのか、少しずつ言葉を選びながら俺に聞いてきた。


「なあ、カズト。お前、機甲鎧に乗れたんだな? でもお前はさっき『俺は侍じゃない』って言ってたけど、機甲鎧に乗れるのに侍じゃないってどういうことなんだ? それにあの光の弓と槍ってまさか……」


 修理が今言っていることは、ここにいる全員が聞きたいことなのだろう。修理だけでなく、花山先生や教室の皆も困惑した顔でこちらを見ている。


 修理、それに皆も、順番に説明するから落ち着いてく……れ……、


「そこのお前!」


 ガシャン! ガシャン!


 修理達に説明しようとした時、五体の機甲鎧がこちらに向かって来た。あー、そうだった。あいつらもいたんだった……。


「やっぱり逃げればよかった?」


 そうだな、アオ。俺もそう思うよ。もう遅いけどな。


 五体の機甲鎧は俺達の前まで来ると操縦席がある胸部の装甲を開き、中から五人の男女が出てきた。五人の男女は四人が教官と思われる四、五十代ぐらいの男で、残った一人は十五、六歳くらいの俺達と同い年と思われる女性だった。


「お前がその御手型機甲鎧に乗っていたのか?」


 女性は自分より年上の男達を引き連れて来ると威圧的な声で言ってくる。


 ……あれ? その声ってさっき俺が助けた機甲鎧の女性?


「……ええ、そうよ。さっきは助かったわ。ありがとう」


 女性はまったくの無表情で機械みたいな声で礼を言うと腰にある刀に手を当てて、


 シャキン!


 抜き放った刀を俺の喉元に突き付けた。


「お礼は言ったわ。お前を拘束する。ついてこい」


 ……マジですか。

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