第二十話「もう一つの神器」
「うんうん。分かればよろしい♪」
俺の言葉にアオは嬉しそうに頷く。
「それでこれからどうするの?」
……そうだな。俺は戦場と化している校庭の様子を確認する。
悪霊獣の数が最初の半分まで減ったことで戦況は今のところ半々といったところか。機甲鎧達はさっき助けた機甲鎧の女性も含めて一ヶ所に集まり悪霊獣と戦っていて、五体の機甲鎧は全ての機体に無数の傷跡が見られるがまだ脱落した機体はなかった。
そして俺の機甲鎧は右手に悪霊獣を一撃で倒せる神器の槍を持っているが、右膝が相変わらず故障していて動きが鈍くなったままだ。さて、どう戦おうか。
……アオ。お前が作り出せる神器はこの槍だけか? 他の形状の神器は作り出せないのか?
「んー、それはカズト次第かな?」
俺次第? どういうことだ?
「いい? 神器っていうのは要するにZINの塊なの。だから神器に決まった形なんかなくて、カズトの想像力次第でどんな形の神器も作り出せるの。だけどしっかりと神器の形を想像できないと神器を具現化できなし、神器の威力や強度にも影響が出るってこと」
なるほどな。つまり俺が強く望めばこの神器の槍は思うがままに形を変えられるということか。
だったらアオ、もう一つ新しい神器を作ることはできるか?
「もう一つ神器を? どうして……て、そういうこと」
疑問の表情を浮かべるアオだったが、俺の頭の中のイメージを読み取るとすぐに納得の表情になった。
「うん。分かった。それじゃあZINを送るよ」
アオの言葉と一緒に新たにZINが体に送られたのを感じると、俺は目を閉じて神器を形作るイメージを想像した。
まずは体の奥底にあるZINを左手に送る感覚。
次に左手に集まったZINの形を変えて、自分が望む形の神器を取る自分の姿。
最後に左手に持つ神器を使って悪霊獣を倒す光景。
これらのイメージをできるだけ細かく、強固に想像して目を開くとそこには俺が望んだ光景があった。
青く輝く光の「弓」。俺のイメージがZINに形を与えて具現化した神器が機甲鎧の左手に握られていた。
よし、成功だ。
機甲鎧を十分に動かせないなら、動かずにここから攻撃すればいい。さあ、反撃だ!




