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HAMBURGER BLUES  作者: ハンバーガーブルース


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Hamburger Blues第6話 後編「ネオン・ツーリングと千の胃袋祭」

Hamburger Blues第6話 後編「ネオン・ツーリングと千の胃袋祭」


ドンドドンドンドンッ


ドドンドンドンッ


ドンドドンドンドンッ


ドドンドンドンッ


四台のヴィンテージスクーターがベラ西外環状道路を走る


七百年前のVツインエンジンが

未来都市のネオンを切り裂きながら咆哮していた


beemの漆黒


Walkerのダーティブルー


coolのカーキ


badsのベージュ


どれも古い時代の魂と新時代の狂気が接続された機械だった


Walker「店長、あと三キロです」


beem「三キロか」


cool「三キロって宇宙的にはほぼ同じ場所なんですよねぇ」


bads「ねえ待って私のベージュ今日めちゃくちゃ可愛くない?ねえ見た?ちゃんと見た?おい返事しろ」


Walker「運転中です」


bads「運転中でも感想は言えるでしょ人類は進化してるんだから」


cool「いやぁ僕は今バイクと会話してますからねぇ」


beem「機械にも肉にも歴史がある」


Walker「また始まった」


beem「Vツインとは鼓動だ」


beem「鼓動とは生命だ」


beem「生命とは焼き加減だ」


Walker「意味不明な接続を自然にやるな」


ドンドドンドンドンッ


ドドンドンドンッ


ベラ郊外


空中道路の先に巨大な野外市場が見えてくる


ホログラムの提灯


空飛ぶ屋台


重低音




笑い声


千種族以上が集まる夜祭


cool「うわぁ客いっぱいですねぇ」


bads「最高じゃん」


Walker「絶対何か事件起こる」


beem「事件もまた食文化の発酵過程だ」


Walker「店長は一回黙って」


カランカラン


……ではなく


野外出店なので


代わりに巨大な機械鐘が鳴る


ゴォォォォォン


アナウンス


『WAGYU BURGER 出店開始』


『肉の探究者 beem 来場』


『昨年度 ベラ地区満足度第一位』


歓声


客A「来たぞォォォ!!」


客B「神戸牛の狂人だ!!」


客C「塩に三十年かけた男!!」


Walker「肩書きが意味不明」


beem「まだ短い」


cool「店長、本当は塩だけで論文三冊ありますからねぇ」


bads「私の今日の前髪の方が重要なんだけど」


Walker「誰も聞いてない」


bads「聞け」


すると


最初の客が来る


巨大な昆虫種族


甲殻類型AI


浮遊する修道士


犬耳サイボーグ


全員同時に喋り始める


客「肉とは何だ」


客「酒はありますか」


客「重力税は払えますか」


客「写真撮っていいですか」


客「愛とは何ですか」


cool「順番にお願いしますねぇ」


bads「無理無理全員黙れうるさい」


Walker「お前が一番うるさい」


beem「肉とは死の保存ではない」


beem「命の継承だ」


客「ほう」


beem「牛は宇宙草原を食べ」


beem「太陽を蓄え」


beem「我々はその記憶を食べる」


Walker「また始まった」


cool「店長の肉哲学タイムですねぇ」


bads「いやでも今日はちょっとカッコいい」


Walker「お前さっきまで前髪の話してたろ」


bads「女は同時に五十の思考を持つ生物なんだよ」


Walker「怖い」


夜はさらに深まる


酒が増える


客が増える


音楽が大きくなる


cool「テキーラ追加ですねぇ」


Walker「まだ働いてるんだけど」


bads「働きながら飲めば二倍働ける」


Walker「犯罪理論やめろ」


beem「料理人は酔うことで固定観念から自由になる」


Walker「お前ら全員終わってる」


そこへ


地元バンドが近づく


「演奏しながらバーガー食べたい」


cool「いいですねぇ」


beem「肉と音楽は同じだ」


Walker「はい出ました」


beem「リズム」


beem「温度」


beem「余韻」


beem「どちらも人間を救う」


一瞬


全員が静かになる


そして


bads「……でも私の今日の髪型の方が芸術性高くない?」


Walker「全部壊した」


cool「いやぁ確かに今日は可愛いですよぉ」


bads「でしょ?」


beem「ベージュとネオンの反射率が良い」


bads「店長わかってる!!」


Walker「そこ理解するんだ」


深夜二時


完売


最後のバーガーが売れる


歓声


拍手


空には人工流星


客たちが叫ぶ


「また来てくれ!!」


「次は常設店出してくれ!!」


「ベラの誇りだ!!」


beem「また来よう」


cool「楽しかったですねぇ」


bads「次は新しいジャケット買う」


Walker「まず働け」


beem「帰るか」


四人はバイクに跨る


ドンドドンドンドンッ


ドドンドンドンッ


ネオンの雨の中


帰路につく


Walker「今日の結論を言います」


cool「お願いしますぅ」


bads「早く」


beem「聞こう」


Walker「人類は進歩しても」


Walker「結局」


Walker「酒飲んで」


Walker「肉食って」


Walker「大声で笑って」


Walker「仲間と走ることが一番楽しい」


Walker「それ以上の文明なんて存在しない」


beem「その通りだ」


cool「深いですねぇ」


bads「まあ私が一番可愛かったけどね」


Walker「全部台無し」


ドンドドンドンドンッ


ドドンドンドンッ


四台の古い鼓動は


ネオン都市ベラの夜へ溶けていった


続く――


次回


第7話


『銀河税務局と違法ピクルス摘発事件』








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