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俺はどこまで這い上がれるのか?  作者: 駿
第1章 プロローグ
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第3話 最初の町

よろしくお願いいたします。

ザルツベルグ帝国 帝都 郊外



「その渡来人だと何が違うの?」

「昔から異界から渡ってくる人達がいたの。その代表が勇者様よ。その人達はこちらで1人倒せば5倍~10倍の強さになると聞いたわ。ただ彼らはそのままで来るから旦那様とは違うわね。」


ノワールは腕を組み難しい顔で言う。要は転移と転生での違いがどれくらい強さが変わるのか分からないという事なんだと理解した。


「旦那様のスキルも思ったほど多く無いわね。でも『健康』『自己治癒』『耐性』があるわ。」

「俺のスキル?それは何だ?」


「まず『心眼』と言うのがあるからそれを使うの。そうすれば大まかな地図、敵の接近、敵対した人の気持ち、物の真贋や価値、相場、遠目や夜目、相手の言ってる事がウソか本当かが分かるの。」


「それと『錬金術』ね。精錬したり練成、調合ね。細工物を作ったり武器や防具を作ったり薬草から薬を作ったりも出来るわ。」


「あとは『インベントリー』だけど俗に言うアイテムボックスと同じ事だわ。どれくらい収納スペースがあるか知っておいた方が良いかも。」


「戦いの方は凄いわ。組打ち術、剣術、槍術、弓術が使えるようね。スキルは『徒手空拳』『4連攻撃』『電光石火』『螺旋槍術』『閃光撃破』『狙撃手』『命中』『威圧』と凄いわね!」


「でも魔法は一切無いのねえ。いつか街に行ったら付与師の所に行きましょう。お金は持って来てたわよね?」


そう言ってカバンをゴソゴソと開けていた。金は大金貨が100枚、金貨723枚、大銀貨345枚、銀貨168枚、大銅貨52枚、銅貨18枚だった。


「これ・・相当貯め込んでいたのね・・下手な貴族よりきっとお金あるわよ。」そう言ってため息をつく。そのカバンの1つはアイテムボックス仕様だったのでノワールが持つ事になった。


その後は武器を取り出し物色していく。その中で異彩を放つ剣と弓があった。(ほう。これほどの剣があったとは。)


漆黒の長剣は手にしっくりと馴染んだ。(何でも切れそうだな。)と思い背負った。ノワールはクロスボウを見つけ喜んでいた。


それから衣装を取り出すも女性用は退廃的な装束しかなく「も、もう!もっとまともな服無かったの!」と怒りながら着ていた。


「ノワールは可愛いからそういう衣装も似合うぞ。」


そう告げると耳まで赤くして嬉々としてセクシーな衣装を身に着けた。あとは食料だがテーブルの上にあった果物類しか持って来てないが2人で喜んで食べた。


馬にもリンゴを与え今後をどうするか話し合った。


「私は南のナン王国が良いと思うわ。」

「なぜ?そう思うんだ?」


「亜人に対して差別はあるけど迫害まではしない。温暖な気候で過ごしやすい。治安も比較的に悪く無い。他にも多少はあるけどこれが主な理由よ。」


急ぐ旅でも無いし反対する理由も無い。「国境までどれくらい掛かりそう?」「そうねえ。1週間ってとこかな?」と告げられ行く事にした。


俺が馬に慣れる為に広い街道に出る事にした。ゆっくりと歩を進めながら4時間ほど進むと小さな町が見えた。


情報収集も兼ねて立ち寄る事にした。俺達は割と良い身なりになっていたので怪しまれる事も無く町に入れた。


門番に「宿はあるかい?」と聞くと「4軒あるぜ。手前が1番安いがアンタ達には奥の宿が良いんじゃねえかな?BARもあるし風呂も付いてるぜ。」と親指を立て笑顔で教えてくれた。


「看板が出ている所だ。風見鶏があるのが目印だから行ってごらん。」と親切な門番に礼を言って向かう。200mも進むとすぐ見つかった。


気さくな受付が「風呂付なら銀貨1枚だ。お連れさんは奥さんかい?」と聞くので頷くと「そりゃ残念だ!BARには良い女がたくさんいて呼べるのに。」


俺にしか聞こえない程度に言ってくれてるが聞き耳スキルでもあるのか聞こえてるようだ。「朝晩の飯は隣のBARで食えるから。」と教えられ早速BARに向かう。


「私がいるのに女を買っちゃダメだからね。」と懇願するように言うノワール。「じゃあ今夜はお前がいっぱい相手をしてくれ。」と笑うと赤い顔で頷く。


BARは大盛況と言って良いくらいの人だった。カウンターに何とか2人座れるくらいだ。エールと蜂蜜酒を頼み一先ずノワールと乾杯した。


食べ物はノワールが適当に頼んで注文をしていた。すると荒くれ者達がウワサをしていた。「あれはルチアーノ一家の報復だろ?」

「俺が聞いた話だとアマント侯爵の報復だったらしいぜ。」「聞いたよ。オーナーと侯爵夫人がベッドで殺されていたらしいな。」

「俺が聞いた話はアマント侯爵がルチアーノ一家に報復を頼んだらしい。ちょうど負けた腹いせになって良かったらしいぜ。」

「オーナーはかなり貯め込んでいたってウワサだが取る物なんて無かったらしい。ルチアーノの親分が根こそぎ奪ったんじゃないかともっぱらのウワサだぜ。」


そのウワサ話を聞いてノワールはクスクスと笑っていた。「私の知らない所で旦那様は酷い罠を仕掛けてお逃げになられたんですね。」

「腹いせのつもりでやった事がここまでなるとは驚きだよ。」率直に正直な気持ちを述べた。その後は美味しい料理と酒を堪能して風呂にも入らず疲れていたせいか眠ってしまった。

お読みいただきありがとうございます。

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