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雨唄  作者: 雨宮雨霧


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2026年9月俳句&川柳まとめ

2026年9月俳句&川柳まとめです。


命ある限り残すは言の棘


稲揺れし二百十日の単語帳


爽やかな香りを求め梨の皮


影になる手の甲の裏なき夢を


梨かじり滴る汁を拭く母と


蔓草の背中に隠れ葛の花


一点を見つめるくまのチャームかな


秋風や拭う雫の行く先を


塊になる塵埃秋の雨


露光る朝を吸い込む檸檬の葉


また迎え記憶にふける雨の空


秋涼し雨の止み間の優し歌


秋めくは記憶とともに伝う風


正解をください生きるためのもの


早稲ゆれるそばに座って瞑想す


早まって行く鳴き声や秋の蝉


潜り込む布団の中へ風強し


帰りたいだけであるのに虫の闇


日の沈む山に重なる雲の峰


薄暗い空につられる部屋と息


週明けや落とす視線に白露かな


雨音に溺れし朝や初嵐


中指を食らっていった虫に立つ


コスモスを見下ろす丘に転ぶ犬


雨冷や募る寂しさ一葉と


目を逸らす雨の暗さに映る影


秋晴や忘れるほどに暗い雨


苦瓜の味に目覚めて酒飲めず


雨続き湿度高まる部屋干しに


裏道を邪魔して誘う芒かな


知っている命の持つは草の花


束の間の拍子に開く過去の暮れ


秋薔薇やバス停に待つ人に差す


手を重ね肩に委ねる星月夜


タラレバの世界でなくていいことも


秋の朝冷えた二の腕羽織るきみ


横顔を覗けばそこは秋湿り


同じもの同じ言葉を交わす過去


龍胆や日を避け生きる私には


朝顔の実を手に溜めて終える蝉


転変はせずとも聞いてから死ぬわ


切り取った空をあなたと鱗雲


中身まで変わることなくワンピース


クレマチス車窓に映る人の陰


雨嫌う商店街の小鳥かな


しゃがみ込み露草と目を合わす朝


悔いのない生き方なんてありはせず


秋の芽に気付かず歩くスマホたち


家々の夜長に灯す光あり


好奇心だけで続けて年をゆく


何事も続かずまるで秋の空


つけ込んでくるような声秋曇


日常を失う前に交わす指


稲妻のように去りゆく君の背を


届かない祈りを抱く秋思かな


手首巻く湿布の匂い風は吹く


鰯雲共に見上げる夢をみて


誰帰ることなく過ぎる秋彼岸


届かない言葉は変わることもなし


ひとりきり瞳の秋の夕焼けは


敬いもできず疎遠に敬老日


思い出すこともたまには香る風


初さんま腹の消え去る近年を


色褪せることを恐れし花野かな


一番の敵は自分の不出来さに


ふと仰ぐ葉月のつくる偶然に


松虫や鳴いて知らせる雨上がり


掃除することを忘れて転ぶ床


秋分の空を仰げば風の澄む


たなびかす色なき風や伸びた髪


半日をベランダで日と雑巾は


待宵や雲のかかりし明日の夢


十五夜を探しに繋ぐ手を絡め


坂道を登り振り向く過去の時


名月や雲に隠され物侘し


落胆の団子を空に雨の月


雨粒の光る手すりを掴む空


十六夜の月をも隠す雨の空


雨の日の続く忘れし十七夜


今日こそはやることばかり募り寝る


応援は運動会の唯一に


南瓜煮る夜の匂いに導かれ


充電が突くまで稼働させる人


駅向かう人を追い抜く青蜻蛉


舞茸や香り漂う家の外


眠気満ち文字も読めない暮れる空


旅人や鹿の跡追う道外れ


枝豆を吸い込む夜のテレビ台


元気ならなんでもいいよ過ぎる足


永遠は叶うことなく初紅葉


背を伸ばす木槿に超されしょげるちび


2026年9月計91句

2026年計589句


自選

露光る朝を吸い込む檸檬の葉

日の沈む山に重なる雲の峰

永遠は叶うことなく初紅葉


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