2026年8月俳句&川柳まとめ
2026年8月俳句&川柳まとめです。
現実と境目を引く氷室かな
行き先も自分で知らず旅任せ
夏蒲団足先を出し涼をとる
また月は過ぎ去り進む季節を見
砂浜にひとり座れば夏の波
ありがとうだけでは足りず掴んだ手
夜濯の音も心を拭いゆく
結局は変わらぬ思考楽の意味
肌を焼く夏の青へと伸ばす腕
変わるには自分を破り打ち勝てと
過ちの記憶は薄れ広島忌
どこかでも残ればいいと紡ぐもの
立秋と言えども続く暑さかな
見ようともせぬ人々に背き読む
見たことのない天の川馳せる手に
目が覚めて時計の針を見てとじる
長崎忌祈りを捧げ仰ぐ雲
手花火や買われたままで年は過ぎ
排水の管から伸びし百合の花
第三を二者択一に抗う子
八月や気まぐれに吹く風とゆく
涼しさを感じる家の廊下より
集まりのない盆休み成長と
虫けらの溜まり場となる階段は
盆花や出迎う店に霊と化す
眠っても悪夢は続き音を上げる
風呂上がり窓を開ければ夜蝉かな
恵まれているのであろう閉ざす路
指差されようと語ると敗戦忌
この道で倒れた命鎮魂を
線香の匂いに満ちし送り盆
うなされて生きる夢から覚めし者
秋を待つ鳩と日陰に差す光
諦観をしているようで雨嵐
干梅やベランダ来れば酸の口
誰に向けるでもないものごめんねと
打水を欲するように映る花
建物を突っ切り雲の峰は伸び
告げ口に返す告げ口歪ませて
短夜を渡りかじれば林檎飴
今日もまた取れぬ眠気と歩く道
残暑とも思えぬ熱を帯びる町
面を変え笑って流す人と僕
夏の灯や遮る木々のゆれる影
秋見えず暑さの戻る窓の外
気配なく暑さばかりの処暑の節
なにをする気にもならない百日目
日の落ちた屋根に乗っかる旱星
なにも見ず考えもせず眠りたい
海峡の向こうへ心雲の峰
少しでも許せるのなら食らう過去
飛び交えば行けないでしょう赤蜻蛉
誘われて行くように去るその腕を
雨の降る前の曇につられ死を
炎ゆ坂や登れど果ての見えなさに
嘘ばかり固めればまた失言を
眠ろうとすれば邪魔する轡虫
昨日とは違うながれに秋の雲
鳴く数も減り過ぎてゆく秋の蝉
大丈夫血色のない手のひらを
夕月夜ともに帰れば静寂も
夏惜しむことを後悔する暑さ
弾むうちぬるさも知らずアイスティー
それっぽいことを書き立て隠す内
2026年8月計67句
2026年計498句
自選
排水の管から伸びし百合の花
盆花や出迎う店に霊と化す
夏の灯や遮る木々のゆれる影




