2026年6月俳句&川柳まとめ
2026年6月俳句&川柳まとめです。
物置の窓の向こうに麦の秋
焦燥に駆られる夜のろうそくは
台風に煽られながら座る鉢
生きている限り償うごめんねも
寝坊した朝の片手にバナナ持ち
台風の去った空には濃い青が
この手から失くしたものは雨になり
葉も湿るような日和は梅雨の入り
梅雨寒に羽織る彼女のカーディガン
山となる努力を無駄にするまでの
ゆっくりと仲夏の空とこの目先
人間をやめてなりたい白い壁
五月雨やあと一時間朝は過ぎ
直感が嫌なところで当たり萎え
もういっそなんて次第に梅雨曇
なにもかもやめると決めた限界値
六月に降らす涙が枯れるまで
雨の降る町を見渡す窓の端
梅雨晴れや久しく空を仰ぐとき
ねえ私しにたいのかも分からない
うぐいすや夏になっても練習す
人生を埋めずに出した解答に
青梅や香り漂う来る夢
青梅をつける母の手やわらかく
背伸びをし詰まった息を還す空
また巡り夏の匂いの流るる
蒸し暑い空気にゆれる夏の山
蛾の休む植木に時を止められし
口ばかり友という名の顔見知り
夕立や逃げる烏の残すゴミ
捨てるわけなかった文をそっと身に
車窓から流れる五月川の色
なれなくてでも目指したいそんな人
腕に下げ日陰を歩く夏羽織
突っ走ることしか知らずまた転ぶ
疲れ切る心に生えし梅雨茸の
何度目か分からぬほどに見失う
起き抜けに過ぎるはアイスコーヒーか
音数に縛られ生きる言の葉の
静けさに沈む外より雨休み
物語るものはその目で降る雨の
雨上がり涼しき風の過ぎる首
起き上がり窓の向こうの青を見る
ゴミ捨て場手には掴めぬ梅雨の星
眠たさに逆らえぬまま夢の道
見下げれば地面の近し姫女苑
成長も闇の暗さもあの場所で
感情もどこかゆらいで井水増す
雑草は伸び果て近くなる地面
はばからず身を委ねるは百合の花
好きなんて咲かずに散ってしまう百合
喉通るラムネの光割れる空
せめてもの救いはなにか手のひらに
悔いているわけでもなけりゃ生きている
蛍籠命は夢と昇華する
散り咲いて煙の流る花火かな
苦しみを水に溶かして喉通す
身を包むように散る打ち上げ花火
夢をみているように咲く夜の花
紫陽花や気付けば全て青の咲く
寝る間際湯の沸くように過る声
2026年6月計61句
2026年計368句
自選
青梅をつける母の手やわらかく
ゴミ捨て場手には掴めぬ梅雨の星
散り咲いて煙の流る花火かな




