職員室にはアフロディーテと???
今世のアドニスは肉体に引っ張られていて、はにかみ屋属性高めのようです。
「安藤君、待っていたわ。あら、サクラちゃんとは、もう面識が出来ちゃったのね~」
職員室で待っていたのは、瑞穂高校の校医として、男子生徒のあこがれとして君臨する一人の女性であった。見せつけるように組んでいた脚を、組替えながらサクラに(どうぞお帰りを)という視線を向ける。
「校則違反の疑いが有りましたので、そのまま案内して来ました」
年嵩の女性特有の色気をモノともせずに、直情奇行の彼女が報告するので、アフロディーテ(今世では、天野 美鈴だが)は、苦笑をしてしまう。
「とは言っても、模造品とは言え槍を振り回している、貴方に指摘されたくは無かったでしょうね」
「これは、生徒の身を守るために仕方なく、教員会議でも武道の心得が有り、一般生徒に危害を加える心配のない高段者には、護身用の模造武器の所持を許すことに」
一気に少女は捲し立てる。
行内には居るのだ、その境界線が危うい勇者気取りの筋肉バカと、何をしでかすかわからない真の意味での危険人物が。彼らを放置しておいて、まじめに風紀委員に取り組んでいる、自分を揶揄するこの女には何か前世よりの恨みが有るような気がしていた。
「あら、ごめんなさい。そんなつもりでは無いの。あなたが、頑張っているのは、その先生も認めているわ。ただ、初めて見た律君は驚いたでしょうねって、思っただけで」
「律君?」
さっき苗字呼びだった生徒への親密度の高まりが早すぎないか?
「可愛いからアドニスちゃんでも良いけど」
「その呼び方は止めてください」
何だろう、この長年の関係性を匂わせるような会話は?
「私は失礼します」
いたたまれずにサクラは、職員室を辞す。
何か?あのようなラブコメディまがいのシーンは苦手なのだ。まるで以前に苦労をさせられたとでもいうかのように…
物思いに耽りかけた彼女の双眸が、瞬間校舎の外に向けられる。
「大きい!」
あとがきは後から修正します。




