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【9/2発売決定】悪役令嬢はやられる前にやることにした  作者: 一番星キラリ@9/2やられる前に発売:商業ノベル&漫画化進行中
【商業化☆感謝の特別更新】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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40/40

Dead or Alive(死ぬか生きるか)!?(場外編)

「で、殿下、お待ちください」

「それは無理だよ、カトリーナ。今、全方位から見られている」

「で、でも! いえ、だからこそ、です!」

「……もしかして恥ずかしいのですか?」

「! そ、そんな、そういうわけでは……」

「恥ずかしいのですね。……なんて可愛らしいのだろう、カトリーナ」


 湖面の陽光の反射を受けたエリックの瞳は、まるで宝石のようにキラキラしている。

 パールシルバーのセットアップを着ているだけでも、レフ板効果がある。

 加えて彼は普段の存在からして、煌めいているのだ。

 そこへさらにこんな風に自然の光のエフェクトまでまとうと……。


「王太子殿下、素敵……」

「今すぐ画家を呼んで王太子、王太子殿下のお姿を描いていただきたいわ!」

「ベヴァリッジ公爵令嬢が羨ましいですわね」


 周囲のボートに乗る令嬢は、すっかりエリックに目が釘付けになっている。


「で、殿下。みんなの目は殿下に向かい、私のことなど眼中にないです。……そこまでしなくても、大丈夫ではありませんか!? 土曜日の昼下がり、殿下と交際中の公爵令嬢が、公園でボートに乗り、デートしていたと噂になると思います!」


 一応私も明るいコスモス色のドレスを着ている。エリックと一緒にいて完全に目立たない状態ではない。王太子と公爵令嬢が二人きりでボートに乗っている――という印象付けはバッチリできると思うのだ。


「残念だがカトリーナ。王家に関する噂は迂闊にはできない。確信できることがないと、皆、沈黙を守る」

「つまり、ただボートに乗っているだけではダメなのですか……?」


 エリックはこくりと頷く。

 美しいブロンドが風になびき、サラサラと揺れている。近くのボートに乗る令嬢たちから、再びため息が聞こえてきた。


「ですが既に学校で交際宣言をしましたよね? その際、その……額に……」

「ええ、カトリーナのこの額に、キスをしましたね」


 そこでエリックがぐいと前に出て、ほんの一瞬であるが、私の額にその唇が触れた。


「「「きゃーっ! 王太子殿下が、ベヴァリッジ公爵令嬢の額へキスをしたわ~」」」


 ほんの一瞬。まさに秒の額へのキス。しかも額へのキスなんて、挨拶として司祭でさえするものなのに。


 反応しているのは周囲の令嬢たちだけではない。湖のほとりに布を広げ、ピクニックをしている貴族たちまで歓声をあげており、その声がここまで聞こえて来ていた。しかもなぜかオペラグラスまで持っている者がいて、まさに湖の真ん中にいるエリックと私を……()()している……!


「王家の恋愛事情は、社交界では黄金の果実。面白おかしく観察し、その実を楽しく味わいたいのですよ」

「そしてその社交界で、殿下と私が交際しているらしいと噂になる必要があると……?」


 エリックはオールを調整しながら「ええ、その通りです」と頷き、話を続ける。


「既に学校では交際宣言をしている。当然、生徒である令嬢と令息は自身の両親に報告しています。ですが先程伝えた通りで、王家に関する間違った噂をすることは、不敬罪になりかねないので、そう簡単に口にすることはできません。ですが土曜日の王立公園の湖。晩秋とは思えない暖かさで天気もよく、湖畔ではピクニック、湖上では多くのボートが出ています。ここでデートをして、キスをすれば……。間違いなく、カトリーナ嬢と僕は交際していると思われるでしょう。一瞬で多数の目撃者ができますから」


 エリックの言うことは理解できる。でもこの世界で婚姻前に人前でキスをするなんて……。


(許されていないと思うのですが! ここにきてエリックはかなり不良になっている!)


「キスと言っても、ここは結婚式までお預けです。……人前ではね」


 不良になってしまったエリックは、不良とは思えない完璧王子様スマイルと共に、私の顎を持ち上げる。そして彼の長い親指が私の唇に触れていた。


「「「きゃーーーーーっ! 王太子殿下が公爵令嬢の顎を持ち上げましたわ! 唇に指が、触れていますわよ~~~!」」」


 顎くいだけでギャラリーからは熱狂的な反応が返ってくる。


「それに交際宣言をして、カトリーナ嬢はVIPルームで昼食をとったのでしょう、ポロロック男爵令嬢と」

「はい。そこでしっかり、殿下と交際していること、ダイセン侯爵令息に告白してダブルデートをしましょう、と伝えました!」

「でも動きがないのですよね?」


 そうなのだ。あの日、ポメリアは「ダブルデート! 絶対ですよ、ベヴァリッジ公爵令嬢!」とものすごい食いつきを見せている。あれを見たら、すぐにでも動くと思ったのに……。


 ポメリアはまだ、ケントに告白していないようなのだ。


(ポメリア自身は告白する気が満々でも、彼女のご両親が食事の席で「交際していると言っても、社交界では、その噂は流れていない。まだ殿下が公爵令嬢と交際していると断言はできん」とでも言ったのかしら? こうなったらやっぱり、この全方位にギャラリーがいる湖の真ん中でエリックに愛を叫んでもらわないと……キスをしてもらわないと、ダメなのかしら……)


 唇のキスではない。きっと頬へのキスだ。よってそんなに恥ずかしがる必要はないはず。


 そうは分かっても、これだけ大勢の注目を集めると、緊張してしまう。


 でも……。この世界で生存するためには、公衆の面前でのキスも必要なこと。しかもエリックはこの偽装交際のために、こんなにも協力してくれているのだ。


(恥ずかしいなんて、甘ったれたことを言っている場合ではないわ! これも私の生存のために、必要なこと!)


 心では勇ましく決意できている。だが……。


「で、殿下。分かりました……。どうぞ、キスを……なさってくださいませ」


 声は小さく震え、視線は伏し目。体だって小刻みに震えている。いつもの大輪の華と言われる公爵令嬢の面影はどこへやら、ひどい体たらくだ――そう思ったが。


「……!」


 ふわっと石鹸の清潔な香りがしたと思ったら、エリックに抱きしめられている。


「で、殿下!?」

「作戦変更です。キスは……特別なものです。面白半分で観劇する者たちに見せる必要はありません! 大丈夫です、カトリーナ嬢。君のことは僕が絶対に守ります」

「???」


 せっかく決意したというのに。エリックは突然の作戦変更を口にする。しかも熱烈な勢いで私を抱きしめているのだ。


「で、殿下、く、苦しいです……」

「! ああ、すまないです。カトリーナ嬢は……なんてか弱く可憐なのでしょうか」

「???」


 どちらかというと私はこの世界ではボン・キュッ・ボンで存在感があると思うのだけど。でも鍛えているエリックからすると、華奢に感じるのかしら……?


 でもこの作戦変更は功を奏したようだ。社交界では瞬く間にこの噂が広まる。


「王太子殿下と公爵令嬢が、昼下がりの湖のボートの上で、熱烈に抱き合っていましたわ! 二人は相思相愛で間違いなし。交際しているのは事実ですわよ」


 しかもその翌日の日曜日、マッサージ会にやってきたポメリアからは「ダイセン侯爵令息に告白しました! そしてお付き合いすることになりましたよ! ダブルデート、お願いします!」と言われることになった。しかもよくよく話を聞くと、ポメリアは告白前にケントについていろいろ調べていただけで……。


(なんだかこの国全体にエリックと私が交際している……という情報がどんどん広がっているけど、大丈夫……なのよね?)


 まさかこれがエリックによる外堀を埋める作戦だったなんて……私が知るのはすべてが終わった後だった……!

お読みいただき、ありがとうございます!

情報解禁(発売日決定)の記念で番外編を公開しました~

ページ下部の活動報告

https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2371542/blogkey/3687295/

もぜひご覧くださいませ。

ワンクリックで活動報告へ遷移します!


ちなみに電子書籍限定書き下ろしは、かなり盛り沢山♪


なんと登場人物たちが、舞台を●●世界に移し、恋愛ドラマを繰り広げる。

青春アオハルな甘酸っぱい三人の恋物語のほか


婚約式の夜の話も登場!


「……今晩、部屋に遊びに行きます」と言っていたけれど、まさか――!?


もー、書いていて楽しくて楽しくて!

ぜひ皆様にもお楽しみいただけると幸いです☆彡


【ちょこっとお知らせ】

\紙書籍&電子のコミカライズ化決定/

『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件

~辺境伯のお父様は娘が心配です~』

https://ncode.syosetu.com/n2700jf/


\[日間] 異世界転生恋愛ランキング2位/

『やらかしてしまったモブ令嬢です』

https://ncode.syosetu.com/n4564mg/

└冒頭で死亡するモブの伯爵令嬢に転生していた!

 まだ流行の前で情報もなければ医学に詳しいチート設定もナッシング。

 熱病エンドで舞台退場確定と判明する。


「ええい、こうなったらこの世界の貴公子とせめてワンナイトラブでもしないと気が済まない! 冥途の土産は濃厚なエッチな思い出で上等だーっ!」


\続巻が7/1発売しました!/

[第7回アース・スターノベル大賞ルナ奨励賞]

『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生!

でも安心してください。

軌道修正してハピエンにいたします! 』

https://ncode.syosetu.com/n0824jc/

└WEB版と書籍版はまったく違う物語!

 1巻は10万文字を書き下ろし、2巻はさらに新キャラが活躍し……。


ページ下部に各種バナーなど設置済

これからも一番星キラリをよろしくお願いいたします☆彡

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【一番星キラリの作品を紹介】
作品数が多いため、最新作を中心にバナーを並べています(2025年12月の大掃除で・笑)。 バナーがない作品は、作者マイページタイトルで検索でご覧くださいませ☆彡

★本作の商業化情報についてはこちらの活動報告をご覧ください~

●本編完結●
バナークリックORタップで目次ページ
やらかしてしまったモブ令嬢です
『やらかしてしまったモブ令嬢です 』

●新連載●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに
『悪役令嬢に転生!婚約破棄で推しと家族が闇落ち!回避したいだけなのに』

●出版社特設サイトはコチラ●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!
80ページが試し読みできる特設サイトへ
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!』


●出版社特設サイト●
バナークリックORタップで出版社特設ページへ
婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!②
『婚約破棄を言い放つ令息の母親に転生! でも安心してください。軌道修正してハピエンにいたします!② 』

●溺愛は求めていませんよ?●
バナークリックORタップで目次ページ
平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!
『平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!』

●壮大なざまぁを仕掛けます!●
バナークリックORタップで目次ページ
婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした
『婚約破棄された悪役令嬢はざまぁをきっちりすることにした』

●もふもふも登場!●
バナークリックORタップで目次ページ
断罪の場で自ら婚約破棄シリーズ
『断罪の場で悪役令嬢は自ら婚約破棄を宣告してみた』
日間恋愛異世界転ランキング3位!

●コミカライズ化も決定●
バナークリックORタップで書報ページへ
断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない
ノベライズは発売中!電子書籍限定書き下ろし付き
『断罪後の悪役令嬢は、冷徹な騎士団長様の溺愛に気づけない』


●章ごとに読み切り!●
バナークリックORタップで目次ページ
ドアマット悪役令嬢~ドン底まで落ちたらハピエンでした!~
『ドアマット悪役令嬢はざまぁと断罪回避を逆境の中、成功させる~私はいませんでした~』

●紙書籍&電子のコミカライズ化決定●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~
『悪役令嬢に転生したらお父様が過保護だった件~辺境伯のお父様は娘が心配です~ 』

●これぞ究極のざまぁ!?●
バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は死ぬことにした
250万PV突破『悪役令嬢は死ぬことにした』

●妹の代わりに嫁いだ私は……●
バナークリックORタップで目次ページ
私の白い結婚
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バナークリックORタップで目次ページ
悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~
『悪役令嬢は我が道を行く~婚約破棄と断罪回避は成功です~』は勿論ハッピーエンド!

●胸キュンな恋物語●
バナークリックORタップで目次ページ
せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~
『せと恋~瀬戸内の夕陽がつなぐ島の恋~ 』
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