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【電子書籍化決定】悪役令嬢はやられる前にやることにした  作者: 一番星キラリ@受賞作続刊発売決定:商業ノベル&漫画化進行中
【第二⭐︎ラウンド】

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Dead or Alive(死ぬか生きるか)!?(19)

 やられる前にやる――。


 その一心で、前世では神の手と言われたマッサージにより、ヒロインとその攻略対象を骨抜きにさせることに成功した。これでこの乙女ゲームの世界で生き残ることが出来る……と思っていたが。


(ヒロインが攻略対象と結ばれないで、問題ないのかしら?)


 そんな疑問が浮かぶ。

 しかもヒロインであるポメリアは体育祭で攻略対象の一人、騎士団長の息子であるケインに好意を持つに至った。しかしそこでポメリアが大いなる勘違いをしていることに私は気づいてしまう。


 ヒロインであるポメリアが攻略対象とゴールインしてくれた方が、悪役令嬢である私の生存は確実なのものになるのだ。変な勘違いは訂正し、遠慮なくケインと幸せになって欲しいと思ったが……。


 転移者であるポメリアは、ここが乙女ゲームの世界であると分かっている。ゆえに私がいろいろ言っても遠慮して動こうとしない。


 困り切った私に救いの手を差し伸べてくれたのは――一番人気の攻略対象の一人、王太子エリックだった。


 ひょんなことで始まったエリックとの偽装交際。だがこの偽装交際のおかげで、ポメリアは遂に行動することになった。


(これで紛れもないハッピーエンドを迎えられるわ!)


 同時に、エリックと私の偽装交際も終わることになると思っていたのですが。


「カトリーナ、準備は大丈夫ですか?」


 大聖堂の控え室に入って来たエリックは、これまた着こなし難易度が高い真っ白なフロックコートを見事に着こなしている。


(膨張色と言われる白をこんなにシュッと着こなせるなんて。白なのに! 細身のスタイルに見えるなんて、本当に摩訶不思議だわ……!)


「カトリーナ」


 つい、婚約者となったエリックに見惚れていると、彼は私の腰をふわりと抱き寄せる。


「今日のこのドレス、わたしに合わせて白にしてくださったのですね。まるでウェディングドレスを着ているようで……。もう気分は婚約式ではなく、結婚式です。……どうです、誓いのキスもしてしまいますか?」


 そんな私をとろとろに蕩かす言葉を言うと、自身の鼻を子犬のように私の頬へと摺り寄せる。この、王子様エリックの甘々行動は、私を失神寸前へと追い込む。


「可愛いカトリーナ、気絶してしまったのですか?」


 エリックがそう言いながら、閉じている瞼に……。

 瞼に優しく触れるベルベットのような唇。

 そう、エリックが瞼にキスをしている……!


 こうなるともう私は軟体動物のように全身から力が抜けてしまう。


 エリックの胸に完全に身を預けている状態になる。


「婚約式をボイコットして、わたしの部屋に行きましょうか? カトリーナの好きなマスカットを温室から運ばせ、お気に入りのフランボワーズのマカロン、ザクロのジュースも用意させましょう。二人きりでカウチで横になり、朝まで一緒に過ごしますか?」


 とんでもなくずぶずぶの甘々プランをエリックが提案し、それを想像した私は「はい、そうしましょう!」と応じそうになるのを踏みとどまる。


「で、殿下、それは大変魅惑的なプランですが、実行すれば国王陛下は腰を抜かし、私の両親は卒倒するでしょう。……婚約式には参加必須です……!」

「カトリーナは真面目ですね。もっと我がままを言ってくれていいのに」

「……殿下がこんなに不良だとは思いませんでした」


 するとエリックは口元に笑みを浮かべ、フッと微笑む。


「わたしは自分の気持ちに素直になっているだけですよ。でもわたしがこんな言動をしてしまうのは……カトリーナが魅力的なせいです」


 糖度高めの甘々な言葉が続き、再び私は意識が飛びそうになるが……。


「殿下、ベヴァリッジ公爵令嬢。そろそろお時間です」


 侍従長が呼びに来て、エリックとの甘々タイムは終了となる。


「分かった。すぐに向かおう」


 エリックは優等生な返事をした後、私の耳元では……。


「続きは婚約式の後ですね。今日は王宮の客間に泊るのでしょう? 今晩、部屋に遊びに行きます」


 なんとも不良な発言をする。と言っても言葉は不良なのだけど、実際の行動は品行方正。ようは言葉遊びで私を散々ドキドキさせるが、行動は実に真面目なのだ。


 そうであると分かっていても、エリックの言葉に鼓動は速まる。


「さて、カトリーナ。みんながお待ちかねです。行きましょうか?」


 そう言った瞬間、甘々から一転。


 眉はキリッとして、表情も凛として、皆が求める完璧王太子エリックへと変わる。そして実に優雅に私に手を差し出す。


 その手に自分の手を重ね、エリックのエスコートで控え室を出る。


 やられる前にやることで、私は生存の道を手にすることが出来た。それどころか皆の前では完璧王太子、でも私といる時は甘々王太子に変わるエリックの溺愛まで手に入れてしまった。


(エリックに関しては、やった後にやられてしまった――感は否めないけれど、私は幸せだから結果オーライです!)


 そこでまるでゲームの世界も「イレギュラーだけど仕方ない。みんなハッピーエンドだから、認めてあげますよ」と言っているかのように、祝福の鐘が朗らかに鳴り響いた。


 ~おしまい~




最後までお読みいただきありがとうございます!

まさに大円団!

ヒロインも悪役令嬢も、攻略対象の男子全員がハッピーエンドを迎えました~

もし物語を楽しんでいただけましたら、ブックマークや☆評価で応援いただけると、とても励みになります!

また、ページ下部にいろいろ作品がございますので、合わせてお楽しみいただけると幸いです♪

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