第18話 レベルアップ
第18話 レベルアップ
ビッグ・ボスは巨大なオランウータンの魔物で、しなやかで素早い動きと、巨人族にせまる膂力が脅威である。
私は気を取り直すと、二体のビッグ・ボスに迫っていった。
スロー・タイムを発動させると、一体のビッグ・ボスに火球の魔法をくらわせた。
そのまま二体の間をすり抜けながら、もう一体の胴の部分に中段より横に一閃、斬撃をくらわした。
すぐさま振り返り、魔法の炎に焼かれているビッグ・ボスの側面に回りつつ、胴に斬撃をくらわせ、そのまま上段から深く切り下ろし、とどめを刺した。
これは攻撃の四番目の型だ。
複数相手の攻撃を避けつつ、間をすり抜けながら戦う型である。
そして、先ほど胴を切られ、動きが鈍っているビッグ・ボスに向かうと、下段から切り上げ、そのまま横、縦と十字に斬撃を加え、最後に深く突き入れた。
とどめを刺す型である攻撃の三番目の型で、とどめを刺す事に成功した。
これで攻撃の型を四つとも試せたわね。
練習通り、上手くいっているわ。
後は、これらの組み合わせの工夫、フェイント技、それに臨機応変な動きの練習が必要ね。
キャンプをはって少し休憩しよう。
イオタはどうするかしら?
後ろを振り返ると、イオタがゆっくりと近づいてきた。
「ルナ、休憩にするの?」
「そう。イオタは大丈夫だった?」
「もちろん問題ないわよ。ルナが倒した後をついて行くから、魔物に出くわすことがなかったわ」
「そう、それは良かった」
「ルナ、腕を上げたわね。ゲイリーから学んだ攻撃の型を使いこなせているわ。毎日の練習のたまものね」
「ありがとう。攻撃は魔物で実践練習できるわね。でも、守りは対人でないと練習できないかも」
「そうね。でも、魔物によっては剣技に長けているものもいるそうよ」
「そうなの?どんな魔物?」
「そうね、ヴィレントという妖魔や上位悪魔のアーク・デーモンなんかは、剣技に長けているそうよ」
「そうなのね。ちょっと楽しみだわ。この迷宮には居るのかしら?」
「それは分からないわね」
それから、私はもうしばらく迷宮の魔物を倒し、迷宮の外に出てきた。
「どうだった?外は変わりなかった?」
「何もなかったわよ。少し魔物を蹴散らしたくらい。迷宮の扉は閉まる事はなかったわね。まあまだ一日だから、安全とかどうかは分からないけど。で、ルナ達の方はどうだった」
「こっちも問題なかったわ」
「第一層なら、ルナはソロでも大丈夫そうね。流れるような動きで攻撃を仕掛けていたわ」
「毎日練習しているからね。身体に染みついてきたわ」
「それは、良いことだね」
「まだ安全が確認されたわけじゃないわよね?それなら、明日も私は迷宮に入るわ」
「じゃあ、私もまたお供するわ」
「イオタ、ありがとう」
私は無事にレベルアップを果たした。
ルナ 魔族 14歳 女
職業 魔法剣士 職業レベル7↑
基礎ステータス
力 18↑、知性 19、信仰心 18、生命力 18、体力 18↑、
敏捷性 19、幸運 19、器用さ 19
職業スキル
火属性魔法 レベル6↑、水属性魔法 レベル5↑、風属性魔法 レベル5↑
土属性魔法 レベル4、気配察知 レベル6↑、状態異常抵抗 レベル5
刀剣技術 レベル6↑、瞬動 レベル5↑
固有スキル
時魔法 レベル6↑、魔力操作 レベル6↑、魔力吸収 レベル6↑
生活魔法
火属性 レベル4、水属性 レベル4↑、風属性 レベル4↑、
土属性 レベル4↑、精神属性 レベル5↑
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