第14話 上陸
第14話 上陸
その後、船旅は順調だった。
天候は荒れることがなく、時々魔物の襲撃にあったが、クラーケンのような強力な魔物の襲撃はなく、容易に退治できた。
順調な船旅を堪能した私たちは、小舟を使って、バース大陸の東、サンライズビーチより上陸した。
上陸すると、漂う雰囲気が一変していることを感じた。
バース大陸に漂う空気は、暗黒魔法に起因する暗黒物質により、汚染されている。
それは眼に見えるものではないが、肌にまとわりつく感じがして、気持ちが良いものではなかった。
最もそれは、すぐに慣れてしまうとのことで、みんな気にもとめていない。
通常は、魔族が暗黒物質の影響を受けることはない。
しかし、魔物達はその影響を受け、凶暴化するのだという。
因みに、この原因となった暗黒魔法は、今ではほとんど使われることがなく、魔族の一部のみが、守り伝えているのだという。
「魔族の者が、暗黒物質を取り込んで、凶暴化したという事例はないけど、ルナは魔素の吸収が普通じゃないから、暗黒物質の吸収も多いかもしれない。普通にはない影響が出るかもしれないから、何かあったら早く教えてね」
「分かったわ、オリビア。忠告ありがとう。魔素の吸収はしないように心がけるわ」
「その方が無難ね」
「今日は海岸沿いで、キャンプしよう」
「了解」
風よけとなる大きな岩の近くに陣取り、燃料となる流木を集め、火を起した。
食料は多量に異空間バッグにストックされているが、釣りを楽しみながら、食料となる魚をゲットした。
魚の焼ける香ばしい香りが漂ってきた。
「うーん、良い香りね。お腹が空いたわ。早く焼けないかな」
「生で食べるのは危険よ。イオタ、もう少し我慢しなさい」
「分かってるって、子供じゃないんだから!」
「私の前世ではね、生の魚を食べる習慣もあったのよ。新鮮なお魚ならちゃんと処理すれば美味しく食べられるんだから!」
「それは本当?興味深いね」
「本当よ。もう少し大きな魚じゃないと、上手く身がとれないわ。もっと大きな魚を釣らなきゃ」
「よし、今度挑戦するぞ。その時は宜しくな」
「分かったわ。私も楽しみにしてる」
「ところで、これからの予定を立てていきましょう。当たり前だけど、私はまるっきり土地勘がないからね。どういう予定にするか、一緒に考えてよね」
「勿論さ」
「まずはバース大陸の東側の概要から説明しようか。バース大陸はおよそ正方形の底辺を一部引っ込ませたような形をしている。そのほぼ中央部に王都バースと王城キング・キャッスルが位置していて、ここに魔王がいると考えられるよ。王都の東には広大なセントレア湖があり、その更に東にはドラゴンが住まう金竜山脈がある。その更に東にある海岸が、現在私たちがいるサンライズビーチだ。セントレア湖の南には銀竜山脈があり、これと金竜山脈の間に竜山街道が通っていて、両山脈の間にラント迷宮がある。やはり迷宮でレベリングするのが良いと思う。だから、ここから金竜街道を下り、金竜山脈を迂回し、北に折り返して竜山街道に入り、ラント迷宮に向かうのが良いのではないか?」
「よく分からないわ。後で地図を書いてみせて」
「分かったよ。オリビアもイオタも異論はないかな?」
「私も迷宮でのレベリングが良いと思うわ」
「私も同意見。迷宮の魔物は食べられないのが残念だけど…」
「えっ、どうして食べられないの?」
「迷宮の魔物は倒すと消えちゃうのよ」
「そうなんだ…、どうしてなの?」
「さあ、女神様に会う機会があれば聞いてみたいよ」
「それはいいね。今度聞いてみるわ」
「さて、バース大陸は簡単に書くとこんな感じかな」
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