第9話 草原
第9話 草原
湖の周りをぐるりと半周ほど迂回しながら進んでいくと、広い草原に出た。
「この草原にはいろんな魔物がいるから、気をつけていこう。レベリングはもう少し奥の方が良いかな。もうしばらく進んでいくよ」
「どんな魔物が出てくるの?」
「グレート・タイガー、キング・レオ、ビッグ・ボス、ヒュージ・エレファントあたりが強敵かな。その他は弱い魔物だから放っておいて良いと思う」
「名前から、なんとなくどんな魔物か分かったわ。相手が単体なら私に任せてくれない?複数ならみんなで。それでいいかな?」
「了解」
天気は良く、草原を走る風は心地よかった。
しばらく歩いていると、200m程先にグレート・タイガーが一体いた。
「一体ね。私が一人で行くわ」
私はグレート・タイガーに向けて走り出した。
向こうは風上、グレート・タイガーはそのままじっと隠れているようだ。
スロー・タイムの継続時間は長くない、20~30m手前までは発動しないようにしよう。
そう考えつつ走って行った。
グレート・タイガーまであと50m程に迫ったとき、突然に動きがあった。
グレート・タイガーが牙を剥き出し、こちらに向かって走り出したのだ。
一気に距離が詰まると共に緊張が走る。
グレート・タイガーは3mにも迫る巨大なトラの魔物で、前世でなら腰を抜かしてしまうような状況だ。
不意に沸き起こった恐怖心を抑え込んで、グレート・タイガーをぐっと睨むと、タイミングをはかって、スロー・タイムを発動した。
それと同時に時間の流れが遅くなる。
私はそのままグレート・タイガーの元まで走ると、噛みつき攻撃を避けつつ、斬撃を加えた。
一発、二発、三発、基本の型をなぞるように立て続けに斬撃を加えた。
それと共に弱っていくグレート・タイガー。
最後に火球の魔法を放った。
魔法の炎に焼かれ、グレート・タイガーは倒れてゆく。
無事にグレート・タイガーを倒すことに成功した。
その時だ。
「ルナ!火が燃え広がるわよ!早く消火しなさい」
「えっ、うわ~、やばい!」
私は生活魔法のウォーターを連発し、何とか消化することに成功した。
「ルナ、分かるよね?草原で炎の魔法は駄目なの!」
「はい…、反省してます」
「もう~、あんな状況で勝利の余韻に浸ってるんじゃないわよ!」
「まあ…、でも基本の型を綺麗になぞって、良い攻撃でしたよ」
「ゲイリー、慰めてくれて、ありがとう…」
「ルナ、早く他の攻撃魔法も覚えなさいよ」
「分かってるって、そのためのレベリングでしょう」
「じゃあ、火球の魔法はしばらく使用しないでね」
「うん…しばらくは剣で頑張ります」
「基本の型も様になってきたし、応用編を教えていきましょう」
「ありがとう、ゲイリー。頑張るわ。じゃあもう少し狩るわよ」
「了解」
それからしばらくレベリングを続けた。
魔物が複数体出現することもあったが、みんなの連携は良く、問題なく倒すことが出来た。
草原でのキャンプは危険があるとの判断で、北を目指し、海岸線でキャンプをはり、拠点とするのだった。
拠点と草原を往復し、レベリングを一週間も続けると、無事にレベルアップすることが出来た。
ルナ 魔族 13歳 女
職業 魔法剣士 職業レベル4↑
基礎ステータス
力 15、知性 18、信仰心 17↑、生命力 17、体力 15↑、
敏捷性 18、幸運 18↑、器用さ 18↑
職業スキル
火属性魔法 レベル4↑、水属性魔法 レベル3↑、風属性魔法 レベル3↑
土属性魔法 レベル3↑、気配察知 レベル4↑、状態異常抵抗 レベル3
刀剣技術 レベル3↑、瞬動 レベル3↑
固有スキル
時魔法 レベル4↑、魔力操作 レベル4↑、魔力吸収 レベル3↑
生活魔法
火属性 レベル3↑、水属性 レベル2↑、風属性 レベル2↑、
土属性 レベル3↑、精神属性 レベル3↑
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